走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

正しい足の運びをガイドしてくれるアンダーアーマー「UAスピードフォーム エウロパ」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 アメリカのスポーツウェア市場において、ナイキに次ぐNo.2のポジションにあるアンダーアーマー(UNDER ARMOUR)。最近では昨年このコラムで紹介したUAチャージド バンディット2を始めとして、フットウェアの分野でも高いシェアをキープしている。

 そんなアンダーアーマーのスポーツシューズコレクションのニューモデルで、注目を集めるのが、安定性とサポート性を追求したランニングシューズの「UAスピードフォーム エウロパ」だ。

アンダーアーマー「UAスピードフォーム エウロパ」
メーカー名アンダーアーマー
製品名UAスピードフォーム エウロパ
価格16,200円

 UAスピードフォーム エウロパは、アンダーアーマーのランニングシューズコレクションにおいて、特に着地時の安定性と過度に脚が内側へと倒れこむオーバープロネーションを抑制するサポート性能を追求したモデル。

 ミッドソールの、かかと部の内側の硬度を上げることで、脚の倒れこみを抑制し、着地から蹴り出しまでの正しい体重移動をサポートしてくれるのだ。

 実際に足を入れてみると高いクッション性を感じる。だが、走り始めてみるとミッドソール内側の硬度を上げていること自体は、あまり感じられないのが意外だった。

ミッドソール内側のオレンジ部分の硬度を上げることで、脚の倒れこみを抑制し、着地から蹴り出しまでの正しい体重移動をサポート。それでいて走行時の不快な硬さをランナーに感じさせない

 一般的なサポートモデルの場合、明らかにこの部分の硬さを感じ、なかには違和感を覚えるシューズもあるのだが、このUAスピードフォーム エウロパでは、そのようなこともなく、高い衝撃吸収反発性能を発揮してくれる。それでいて着地から蹴り出しまでの正しい足の運びをガイドしていることも体感できる。

 履き心地はといえば、シューズ内部の段差をほとんどなくし、足を包み込むようなアンダーアーマー独自の構造を踏襲。シューズを履くというよりも着るといった感覚は健在だ。さらにこのモデルには日本人ランナーの足型にマッチする2Eタイプも用意。「自分は幅広の足で……」というランナーはこちらを選んだほうがいい。

シューズ内部の段差をほとんどなくした足を包み込むような構造のスピードフォームの採用により、シューズを履くのではなく着るような感覚を与えてくれる

 このように優れた安定性とサポート性、そしてスピードフォームによる高いフィット性を融合しているのがUAスピードフォーム エウロパだ。だが、個人的に残念なのがカラーバリエーション。

 ブラック/オレンジのカラーリングは読売巨人軍を連想させ、ジャイアンツファンには嬉しいが、手持ちのランニングウェアとのコーディネートetc.を考えると、あと1~2色のカラバリが欲しいところだ(記事執筆時点で、標準タイプと2Eタイプの2タイプが出ているのはブラック/オレンジのみ)。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。