そこが知りたい家電の新技術
ネスレ「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」
~インスタント専用のコーヒーメーカーがヒットした理由とは
by 正藤 慶一(2013/7/1 00:00)
自宅で手軽にコーヒーが飲める家電といえば「コーヒーメーカー」だが、インスタントコーヒー専用のコーヒーメーカーといえば、ネスレ日本の「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」(以下、バリスタ)が有名だ。
バリスタの特徴は、レギュラーコーヒーの粉ではなく、インスタントコーヒーを使うため、手軽にコーヒーが作れる点にある。操作はタンクに水を入れ、ボタンを押すだけ。しかも、カプチーノやエスプレッソといった、カフェでお馴染みのメニューにも対応する。2009年から発売しており、現在お使いの方も多いだろう。
しかし、この製品には不思議なことが多い。カプチーノやエスプレッソが作れるにもかかわらず、店頭での本体の実勢価格は7,980円と、市販のコーヒーメーカーとさほど変わらない。しかも、発売から何年も経っているにも関わらず、未だにインスタントコーヒー用のコーヒーメーカーといった類似品は見当たらない。昨年からは、会社のオフィスでバリスタが無料で使用できる「ネスカフェ アンバサダー」というサービスも開始している。
バリスタが狙うものとは何か。その疑問を解決するために、発売当初からバリスタのマーケティングを担当してきた、ネスレ日本の津田匡保 ネスカフェアンバサダービジネスユニット シニアマーケティングスペシャリストに、開発の経緯から、今後のビジネスプランまで話しをうかがった。
“インスタントコーヒー離れ”を食い止めるために誕生
――まずは、バリスタが誕生したきっかけについて伺います。発売日は2009年4月でしたが、開発はいつから始まりましたか
バリスタの開発自体は、2004年から始まっていました。開発の狙いとしては 2000年くらいからカフェブームが起こり、カプチーノとカフェラテが世の中的に当たり前になってきている中で、瓶に入ったインスタントコーヒーは、その波に乗り遅れていました。
このトレンドは10年~20年続くだろうということで、今後のトレンドに乗り遅れないために、瓶に入っているインスタントコーヒーで、カプチーノのようなカフェメニューが作れないだろうか、というのがスタートです。例えば、カプチーノみたいなものを家で飲むとすれば、専用のホイッパーで泡立てなければいけません。
もともとそのころのインスタントコーヒーの購買層は、メインが50~60歳代で、20~30代の若年層の支持は年々下がっていました。“カフェトレンド”が取り込めれば、インスタントコーヒーの未来も明るいんじゃないか、というのがスタートです。
もともとネスレでは、業務用の店舗展開(カフェ ネスカフェ)も行なっているので、マシンにインスタントコーヒーを入れて、ボタンを押したらカフェメニューが出てくる、という技術は持っていました。なので、それを家庭向けに小さくできないか、という発想が生まれて来ました。
ネスレはスイスに本社を構える企業ですが、世界各国のネスレのトップをスイスに呼んで、“こういう技術があるんだけどやらないか”ということを話し合う会議が年に1回行われます。そこで、業務用のマシンを小さくするのはどうか、という提案がスイス本社からあった時に、唯一手を挙げたのがネスレ日本でした。そこから開発が進んだので、完全に日本向けに開発が進んでいったことになります。
――となると、バリスタは日本以外では発売していないのですか
現在のところ、15カ国で展開しています。「(バリスタが)日本で成功しているらしいぞ」ということで、「ネスカフェ アレグリア」と名前を変え、主にオフィス向けに販売しています。
――ひとつ疑問なんですが、インスタントコーヒーというのは手軽に作れるのが特徴のはずです。それなのに、機器を使ってコーヒーを作るというのは、さらに一手間が掛かるようにも思えますが
いや、我々としてはバリスタを“インスタントコーヒーの良さを加速するもの”と捉えていますね。確かに、インスタントコーヒーの良さは「簡単」「手軽」ということですが、簡単という点では、バリスタはお湯を沸かさなくても作れるので、「簡単」という点が加速できています。「手軽」という面でも、外で飲むカプチーノよりも安いです(ネスレの試算では1杯約20円)。
また、美味しいということでも、表面にクレマ(コーヒーの泡)が立つので、普通のインスタントコーヒーよりも、おいしく感られます。「インスタントコーヒーの良さを加速するマシン」、という位置づけです。
インスタントコーヒーの香りを逃さずにマシン内に入れるにはどうすれば良い?
――バリスタの開発に当たって、社内での反対意見はありましたか
社内からの反対は、特にありませんでした。基本的にはインスタントコーヒーのためになるであろうコンセプトなので、“進めていこう”と一丸になっていました。
ただ、スイス本社と技術的なやりとりをするうえでは、鬼のようなやり取りがありました。基本的にマシンの開発は、スイス本社と各国のネスレが協業して進めるため、まずは日本の要望をスイス本社に伝えますが、海外なので、電話会議やメールなどで“これはできる、これはムリ”というやり取りを何度も行なっていました。中には1日200件以上のメールが飛び交うこともありました。
一番難しかったのが、「どうやってインスタントコーヒーをマシンに入れるのか」という点でした。インスタントコーヒーの瓶をそのままマシンに入れるわけにはいけませんし、タンクのようなものに詰め替えなければいけないな、と考えていました。
その頃、ちょうどタイミングを同じくして、筒型の専用詰め替えカートリッジ「ネスカフェ エコ&システムパック」の開発も行なっていました。これは2008年に販売したもので、当初は瓶にインスタントコーヒーを詰め替えるための容器でした。
何で筒型にしたかというと、袋だと、瓶に詰替えている間に、空気に触れることで、インスタントコーヒーの香りが逃げちゃうんです。
――それだけで香りが逃げてしまうんですか?
そうです。我々が一番大事にしているのが香りです。メーカーのこだわりとして、香りが逃げないように、絶対に空気に触れないように詰め替えられる専用カートリッジが作りたい、と開発を進めていました。
スイス本社とやりとりしている中で、あれ、そういえばあれ(エコ&システムパック)、いま開発していたよね、という話になりました。これをバリスタのタンクに突っ込んで、そのまま詰め替えられるようにしたらいいんじゃないか、と。それで、バリスタの開発と、バリスタに簡単にインスタントコーヒーが移し替えられるエコ&システムパックという、2つのプロジェクトが一緒になりました。嬉しい偶然です(笑)。
当社はもともと瓶入りのインスタントコーヒーを販売していましたので、それをこのカートリッジタイプにシフトしていっていいのか、という社内の議論もありましたが、それで良いということにしました。詰め替え市場も伸びていたので、さらに需要が開拓できると考えました。
「面倒くさがりなのに掃除好き」な日本人のためのマシン
――ここからは開発段階についてうかがいます。バリスタ本体を開発するに当たって、機器側でこだわったことはありますか? 例えば日本市場向けに作るということで、苦労した点はどこでしょうか
日本人の気質に合わせて作らなければいけないので、3つのポイントにこだわりました。
まずこだわったのが、日本人は清潔、キレイ好きということ。なので、全部分解して洗えるようにしてくれ、と本社に伝えました。実はバリスタは、内部のパーツはすべて洗えるようにしています。コーヒーが通過する場所なので、汚れは当然発生しますが、日本人の気質として、絶対に洗いたくなるはず。そこがクローズドだと気持ち悪いと思う、ということを伝えました。
でも、外国人には簡単に分かってもらえなかったです(笑) 。向こうから「そんなのいいじゃん、別に。そこまで分解したら壊れる」と言われても、「大丈夫、日本人は壊さない」と言い返しました。技術者は、中が分解できるという構造は嫌がります。だったら、シンプルな構造にして、誰が触っても壊れない形状にしてくれと伝えました。
2つ目のポイントは「温度」です。日本は日本茶の文化があるため、熱いものを好む傾向にあります。外国人は猫舌が多いので、家で出てくるコーヒーもそんなに熱くないです。最初、本社が設定してきた温度は低すぎでした。冷たい牛乳を入れてカプチーノを作るので、どうしても温度が低くなります。
最初のバリスタで作ったカプチーノは、本当にヌルすぎでした。本体内にヒーターが入っているんですが、開発者にヒーターの温度をもっと上げるようにしてくれと頼みました。「これは違う、日本人は沸騰しているようなお茶を飲んでいるんだぞ!」と(笑)。
3つ目は「時間」です。バリスタは、カプチーノを1分くらいで抽出するんですが、最初はもっと長かったんですよ。そこで、「日本人は待てないぞ。日本人は“いらち”(せっかち)だよ」と開発者に伝えました。
また、こんなことも伝えましたね。「コンビニが何で日本であんなに普及しているのか知ってる? みんな面倒くさがりなんだよ」って(笑)。海外からは、日本人はすごく特殊だと見られています。
――面倒くさがりなのに掃除好きって、矛盾していますよ(笑)
技術者も実際にテスト機と一緒に日本にやってきて、消費者の方と一緒にグループインタビューを行ないました。抽出温度と時間短縮は、今でも改善要望を出しており、常に改良されています。
――サイズ感やコンパクト性もこだわった点でしょうか
大きいものは日本のキッチンに置けませんよね。先ほどの技術者を日本の消費者の家に連れて行って、「狭いでしょ、持ってきた試作品置けないでしょ(笑)」って言いました。
何とか小さく小さくしてきたつもりですが、これでも大きいと思っています。実際に消費者の声で置きたいけど置けない、という意見も届いています。
小型化については、今後も視野に入れています。凄く難しいですけどね。例えば、水タンクです。バリスタは現在タンク容量が800mlですが、これを犠牲にするほどの価値があるのかと。500mlにしたらもう少し小さくできますけど、それだと淹れる量が少なくなりますし。悩ましいですね。
インスタントコーヒーの“黄金比”に従って抽出
――ここからは本体の中の話をさせていただきます。どういう流れでコーヒーが作られているのですか
まずは、本体頂部のインスタントコーヒーのタンクに、前述のバリスタ用カートリッジ「エコ&システムパック」を差し入れ、本体内にインスタントコーヒーを投入します。この中には、インスタントコーヒーを軽量するプレートが入っています。ここでインスタントコーヒーを取ってきて、お湯が入り、それを高速で撹拌した後で、コーヒーが出てくるという構造になっています。
カプチーノやカフェラテを作る際は、牛乳をカップに入れ、置いておきます。そうすると、熱湯が高圧噴射し、牛乳を泡立てた後に、コーヒーが注がれます。機構としてはすごくシンプルですね。カプチーノの熱湯が出るノズルと、コーヒーが出るノズルは別になります。
――1杯のコーヒーを作るに当たって、インスタントコーヒーはどれくらいの量を使うのでしょうか
エスプレッソやカフェラテなどさまざまなメニューがあるため、それぞれに応じてインスタントコーヒーの量やお湯の量を変えています。ネスカフェでは、インスタントコーヒー2gに対し、お湯140mlの割合を“ベスト”としており、だいたいそれに近い割合となっています。たとえばマグカップサイズの場合は、インスタントコーヒー3gを使って、250mlのコーヒーを作ります。
――コーヒーの抽出後には、コーヒーの泡「クレマ」が立ちますが、これはなぜですか?
そもそもクレマというのは、高圧でコーヒーを抽出した時に発生する泡のことです。コーヒーの香りを保ったり、口当たりを滑らかにするという効果があると言われています。
なぜクレマの泡が立つかというと、コーヒーを撹拌し、それを温かい温度で出しているためです。高速で撹拌するため、クレマが立ちます。
――どの部分でコーヒーをかき混ぜているんですか
本体内の羽根でかき混ぜています。本体の外からは、撹拌しているようすは見られません。
東日本大震災の被災地でも活躍。バリスタは単なる機械ではなくプレーヤー
――完成後のことについてうかがいます。実際にできあがったバリスタで作ったコーヒーを飲まれた感想はいかがですか
いやー、びっくりしました。私はずっとお湯で沸かして作るという、瓶のインスタントコーヒーの味に慣れていたのですが、ちょっと違うんですよね。いつもネスカフェのインスタントコーヒー「ゴールドブレンド」を使っているのですが。何か、違うゴールドブレンドの味が見つけられたというか……そういう印象はありますね。カプチーノが最初に噴射してきた時に、何が起きているのかと思いました(笑)。
――発売は2009年の4月で、当初は一部店舗のみの展開でした。発売後の売り上げは、予想と比べていかがでしたか
当初予測の倍以上でした。そこから急遽、製造を強化し、増産体制が作れるようにしました。
ちなみに、発売当初の名称は「ネスカフェ バリスタ」でしたが、ゴールドブレンドとのリンケージ(連携)を増やしていくために、昨年(2012年)から名称を「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」に変更しました。ロゴも発売当初から変えております。
――家電Watchでも、バリスタのレビュー記事が人気となりました。レビューを最初に掲載したのが2009年の5月でしたが、その1年後の翌2010年の春にも、高いページビューを集めました
ちょうど2010年の春は、3月にバリスタを全国展開した頃ですね。そのあと4月に、某テレビ番組で取り上げられました。バリスタが番組に出るという情報は放送直前に入ったので、“これは在庫がヤバイと”思いましたが、案の定、足りなくなりました。当時は検索しても、家電Watchしか引っかからなかったのかもしれませんね。
――ユーザーからの反響で、印象に残ったものはありますか?
やっぱり一番うれしかったのが、家庭にあると、家族の中に会話が生まれる、ということですね。子供が詰め替える作業が楽しいから“やらせてくれ”と言ってきて、淹れてあげるとか。コーヒーメーカーだと難しいですよね。バリスタならボタンを押すだけなので、「ぼく、バリスタ」みたいな感じでできる。ハートフルな声がすごく多いですね。単なるコーヒーメーカーではなくて、ひとつのコミュニケーションツールとなっていて、家庭のコーヒーシーンを変えているな、と感じています。
実は東日本大震災の際に、バリスタをトラックに詰め込んで、東北の被災地の仮設住宅を回って、バリスタ置かせていただきました。そうすると、皆さんがバリスタの前に集まってくるんです。それまではみんなバラバラにいたのが、バリスタの前に集まって、「**さん、あれ作ってよ」という感じで、チームができてきました。
それからも「まだ使ってます」というお手紙をいただきます。バリスタはひとつの機械と言うよりも、ひとりのプレーヤーというか。そういう役割がありますね。
どうやら、コーヒーが出てくるまでの約1分間が、妙に良い間みたいです。周りの人と喋ってしまうらしく、それが良いコミュニケーションを生んでいるみたいです。当然、その後コーヒーも美味しく飲めるというメリットもあります。
類似製品が出ない理由は“他社ではバリスタに勝てる見込みがない”
――発売からしばらく経ちますが、インスタントコーヒーで作るコーヒーメーカーは、ネスレの競合となるコーヒー関連企業や家電メーカーからは、未だに出ていません。他社が出さない理由、逆にネスレができる理由とは何でしょうか?
私も何で他社から類似商品が出てこないのかなと考えていますが、恐らくですが、バリスタに勝てる見込みがないのではないでしょうか。
というのも、インスタントコーヒーの金額シェアでは、ネスカフェのゴールドブレンドが1位なんですよ。例えば、どこのメーカーの粉でも使えるコーヒーマシンを作ったとしても、それをこの値段(編集部注:バリスタの希望小売価格は9,000円、実売は7,980円前後)で利益をとって売れるかというと、どこのメーカーもできないでしょう。ネスレでは、この値段で儲けるつもりはありません。でも、バリスタを浸透させたいので、廉価販売しています。
このマシンをこの価格で売って、マシン単体で利益が出る日本のメーカーは、恐らくどこにもありません。15,800円で売っていれば、参入してきたところはあるかもしれません。ですが、そこを行かせないためにも、価格を改定しました。発売当初の価格は12,800円でしたが、2011年の11月に希望小売価格を9,000円に下げました。
カートリッジとセットで売っているところでないと、ビジネスとして成立できないでしょうし、他社のコーヒー会社さんがやってきても、ユーザーは取れないでしょう。
無料でオフィスにバリスタを贈る「ネスカフェアンバサダー」の狙いとは
――ここからは、冒頭で挙げた「ネスカフェ アンバサダー(以下、アンバサダー)」についておうかがいします。会社にバリスタを無料で設置する、というこのアンバサダーが始まった経緯を教えて下さい
先ほど申し上げた通り、コミュニティにバリスタがあると、コミュニティが活性化することがわかりました。バリスタは元々は家庭向けで作りましたが、だんだんとユーザーから「最近職場で使っています」という声が多く聞かれるようになってきました。であれば、何かそういうところに提供できるようなサービスができれば、もっと認知が高まるだろうと。これから20~30年先を考えると、人口も減って、家庭内需要は絶対下がるので、違うところで勝負しなければいけない。そこで、家庭外の人が働いているオフィスに目を付けました。
実は、アンバサダーを本格的に始める前に、「最初に50台を無料でオフィスに置きませんか」というテストをしてみたところ、2~3日で1,000件くらいの応募がきました。
そこで、選ばれた50人の方の意見をうかがうと、各職場に発起人がいるんですよ。その方がバリスタを置いて、職場の方に宣伝してくれるんです。こういう人たちと我々がちゃんと繋がることで、いろいろな可能性が見えてくるんじゃないかと。ということで、希望される方をアンバサダーに任命させていただいて、オフィスが楽しくなるようなサービスを提供していこうじゃないか、ということになりました。
アンバサダーは2012年11月からスタートし、現在もメンバーを募集しています。
――アンバサダーにはどれくらいの応募がありますか? また、現在どのくらいの会社で使用されているのでしょうか
5月下旬時点で応募は合計8万人を超えており、これまでに5万台以上のバリスタを各オフィスに送っております。実際、バリスタをオフィスで使うことで、自分の家用にも買うという流れが加速しており、今年の1~3月の売上も急伸しています。追跡調査すると、オフィスで使って良さが実感できたから、という声がすごく多いです。
また、これから暑い季節を迎えますが、アンバサダーの方々には6月中旬に、アイスコーヒーのメニューが手軽に作れるレシピを送らせて頂きました。アイスエスプレッソやアイスカフェラテはもちろん、アイスクリームにコーヒーを掛けるイタリアのデザート「アフォガート」や、アイスバナナラテなどのアレンジメニューも作れます。ぜひ申し込みいただき、夏場もオフィスでおいしいコーヒーを楽しんでください。
ブームで終わらず。販売台数は今も伸び続けている
――これまでの累計販売台数はどれくらいになりますか
5月末時点で140万台です。なので、年に30万台以上のペースで売れていることになります。
自分で言うのもなんですが、バリスタがスゴイのが、年々販売台数が増えているところです。普通、ブームになった商品は、その年を境に落ちていくものですが、バリスタの場合はいろいろな仕掛けをしたこともあって、年々伸びています。これはうれしいことです。いちブームで終わらなくてよかったです。ゴールドブレンド自体がロングセラー商品なので、それと紐付いていることもあると思います。
――それでは最後に、バリスタをまだ持っていない読者に対して、“使ってみたいな”と思わせるようなお勧めコメントをいただけますでしょうか
買っていただいた方からは、“使って初めて良さが実感できる”、という声を聞きます。我々もその良さを知っていただくために、体験していく場を増やしていきたいと考えています。もし見かけた方は、そこで味を実感していただきたいです。
バリスタは時間があまりとれなくても、すぐ簡単においしいコーヒーが飲めるマシンなので、絶対に気に入っていただけるはずです。10年、20年先には、すべての家庭とオフィスにバリスタがある、それが当たり前になることを目指して行きたいです。
――本日はありがとうございました。