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“三洋史上最強”をうたう加湿空気清浄機の実力
■“三洋史上最強”の加湿空気清浄機
「三洋史上最強」を唱う三洋電機の加湿空気清浄機「mistream ABC-VWK71C」 |
三洋電機の加湿空気清浄機「mistream(ミストリーム) ABC-VWK71C」は、「三洋史上最強」をうたう加湿空気清浄機だ。
同社がそう位置づける最大の理由は、飛び出して清浄する「除菌電解ミスト」と、吸い込んで清浄する「除菌電解エレメント」を併せて搭載した「デュアル空間清浄システム」を実現している点にある。
電解水を利用した同社独自のウイルスウォッシャー技術によって実現されるこの2つの空気清浄技術は、まさに同社が「史上最強」と自負するほどの加湿空気清浄機を生むことになったようだ。
■除菌効果のある電解水で室内を加湿
三洋電機コンシューマエレクトロニクス 家電事業部製造統括部事業推進部商品管理課・永井敏夫担当課長 |
三洋電機がABC-VWK71Cで実現したデュアル空間清浄システムを構成する技術をみてみよう。
「いつでも、きれいな空気であることはもちろん、空気の質にこだわった快適・安心できる空間つくりを目指した」と、三洋電機コンシューマエレクトロニクス 家電事業部製造統括部事業推進部商品管理課・永井敏夫担当課長はこだわりをみせる。
デュアル空間清浄システムを実現する1つ目の技術である除菌電解ミスト技術は、三洋電機が長年に渡って研究を続けてきた電解水技術をもとに、一般的な水道水を電気分解するもの。電気分解により、即効性の高いOHラジカルと、持続力がある次亜塩素酸を生成し、これをミスト状にして噴霧して、1億個/立方センチm以上のミストに包まれた活性酸素を、部屋中に広げることができる仕組みだ。
「除菌電解ミストは、噴霧することで部屋中に拡散。浮遊菌を除菌し、カーテンや衣類といった布製品の付着臭も脱臭する。アレル物質の抑制にも効果を発揮する」と、永井担当課長は語る。
さらに、1時間当たりの加湿量は720mLを実現。肌やノドにもうるおい補給を可能にできるという。「除菌した水を加湿に使用しているため、安心して加湿効果を得ることができる」というのも特徴だ。
■本体内部の清潔構造にも配慮
もう1つの除菌電解エレメントは、空気清浄機が吸い込んだ空気を、除菌、脱臭する技術だ。
「ウイルスウォッシャーによる除菌電解水を汲み上げて、エレメントに浸透させることで清潔加湿を実現した」と、基本的な構造を説明する。
従来製品では、エレメントの一部が、常にトレイの水に直接触れていたため、トレイ内部にヌメリがついたり、嫌なニオイが発生しやすいという問題があった。そこで、今回の製品では、エレメントが直接水に浸からない構造とした。
「水車のように、水を汲み上げる方式に構造を変えることで、エレメントの一部が常に水に浸かっているという状況を無くすことができた。加湿機能を一定期間使用していない場合でも、エレメントに水が浸からないため、衛生面においても大幅に改善を図ることができた」とする。
水車の構造を応用した電解水エレメント | これにより、エレメントが水に浸からないようにしている |
除菌電解エレメントは、約10年間の交換不要としているほか、加湿用の水道水の供給には、4Lというタンクの大容量化を実現。これによって、長時間加湿にも対応できるようにしている。
また、空気清浄フィルターとしては、0.3μmのホコリを99.97%捕らえることが可能なHEPA集塵フィルター、脱臭効果に優れ水洗いが可能なナノアクト脱臭フィルター、花粉やダニの糞および死骸を捕らえるアレルブロックフィルターを搭載。三層構造によって空気清浄を行なっている。
本体カットモデル。中には三重構造のフィルターが搭載されている | 本体にはHEPA集塵フィルター、ナノアクト脱臭フィルター、アレルブロックフィルターを内蔵する |
■気流を作りだすことで、吸塵スピードを高める
上下ルーバーと左右ルーバーによって効率的な集塵を実現している |
ところで、空気清浄機では、空気の清浄機能だけではなく、空気の清浄スピードも製品性能の重要なポイントとなる。ABC-VWK71Cでは、部屋の空気の吸塵スピードを高めるための「エアサーチ気流」機構を今回から新たに搭載した。汚れの種類に応じて上下ルーバーの角度を決定し、さらに三洋電機独自の左右ルーバーによって、空気の汚れに応じて、汚れの吸い込み量を制御。それに応じた気流を作り上げるという仕組みだ。
室内空間に最適な立体気流を作り出し、除菌電解ミストをより効果的に部屋中に広げる役目を果たすほか、空気の汚れ(ほこりやニオイなど)を早く見つけて吸塵スピードを高める効果があるという。これにより、加湿空気清浄機の置き場所を問わずに、空気を浄化するといった工夫も凝らしている。
さらに、ホコリセンサー、ニオイセンサーの2つのセンサーを組み合わせることで、空気の汚れをチェック。モニターで部屋の中の空気の状態を知ることができるとともに、自動運転機能と連動させることで、より効率的な空気清浄を可能としている。
左側の三角の形状をした部分がホコリセンサー、右側の格子状部分がニオイセンサー | ニオイセンサーの下には温度/湿度センサーがある |
「従来の気流による吸塵と、エアサーチ気流による集塵では、約1.4倍もの集塵スピードの差がでている。また、部屋の角に加湿空気清浄機を設置した場合、部屋の対面側の汚れが吸塵しにくいという問題があったが、上下、左右のルーバーの組み合わせによって、立体気流を作りだし、取りにくい汚れの集塵も可能にしている。さらに、下の方に溜まりやすい花粉やハウスダストといった汚れも、同様に立体気流化することで吸塵力を高めている」とする。
■就寝中や外出中の使用に配慮されたエコ運転
光センサーは上部に設置。エコ自動運転で効果を発揮する |
もう1つ注目しておきたいのが、エコ自動運転機能だ。
これは本体に搭載されている光センサー機能を活用することで、部屋が暗くなった場合に、風量を抑えたり、表示部の光量を抑えた省エネ運転を行なうというものだ。さらに空気がキレイな状態が1時間以上続くと、5分間の運転停止と、1分間の運転を行なう間欠運転とし、電気代を節約することもできる。
空気清浄機の利用者のなかには、電気代が気になって外出中は空気清浄機の電源を切るという場合もある。だが、帰宅時にきれいな空気の部屋に入りたいのであれば当然のことながら、外出中も空気清浄機に電源を入れおいた方がいい。
ペットがいる場合に対しても、その方が効果的だ。さらに、就寝時は、空気清浄機の音が気になる場合もあるだろう。これも省エネ運転が効果を発揮する。つまり、単なる省エネ効果だけではなく、こうした利用シーンを想定した結果、搭載されたのが今回のエコ自動運転だといえる。利用シーンにおけるメリットを追求した機能だといえるだろう。
三洋電機は加湿空気清浄機において、今回の製品によって、適用床面積33畳モデルを追加することになり、これまでの適用床面積14畳タイプだけだったラインアップを大幅に見直した。
リビングとダイニングを一体化した環境ニーズにも対応できるように製品ラインアップを強化したものであり、加湿空気清浄機市場においてシェア向上を目指す三洋電機の本気ぶりが伝わってくる。
また、三洋電機のウィルスウォッシャーにとって、デメリットの1つと目されていた水道水を給水するという作業も、加湿空気清浄機であればまったく問題とはならず、むしろ、タンクを大容量化したことで、長時間加湿が可能になっている。
「除菌力や、集塵スピード、脱臭力という観点では、他社のイオン方式の製品に比べても、その威力には強い自信を持っている。吸ってキレイ、出してキレイという環境が、この製品によって実現できている」と、永井担当課長は語る。
mistreamは、三洋電機独自の電解水技術であるウイルスウオッシャーを活用したデュアル空間システムによって、大きく進化したといえよう。
2011年2月21日 00:00