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加湿器の正しい「しまい方」来年も気持ちよく使うためのポイントを聞いた

来年も気持ちよく使うために、加湿器を正しく片付けよう(画像提供:ダイニチ工業)

暖房を使う日が減り、空気の乾燥もやわらいでくる春先は、「加湿器」の片付けどき。なかには「とりあえず水だけ抜いて収納している」という方も少なくないはずです。

しかし、そのまま収納するのは注意が必要。来シーズンにフタを開けたとき、カビ臭くなっていたり、場合によっては修理や部品交換が必要になってしまったり、なんてこともあります。

実は、しまう前のひと手間と保管の仕方しだいで、来季の使い心地や故障リスクは大きく変わるんです。

そこで今回は、加湿器では国内トップクラスのシェアをもつダイニチ工業の担当者に、シーズンオフ前にやっておきたいお手入れと、失敗しない収納のコツを詳しく聞きました。

何もしないで収納するとどうなる?

――加湿器はお手入れせずにしまっても大丈夫ですか?

おすすめできません。お手入れをせずにしまうと、内部で雑菌やカビが繁殖する可能性が高まります。

その状態で加湿器を使うと、加湿と同時に部屋中にそれらが放出されてしまい、場合によっては、人体に大きな害を及ぼす可能性もないとは言えません。

特にフィルターは、水アカや汚れがたまりやすく、きちんと洗わずにしまうと、オフシーズンのあいだに汚れが固まって取れにくくなります。そうなると再び使い始めたときに悪臭の原因になったり、加湿量の低下や送風音の増加につながったりすることもあります(ダイニチ工業担当者、以下同)。

水アカが付着した気化フィルターのイメージ(画像提供:ダイニチ工業)

――お手入れでやりがちなNG行為は?

よくあるのが、内部が濡れたまま片付けてしまうケース。水分が残った状態は微生物が育ちやすい環境のため、せっかくきれいに洗ってもそのまま収納すると、雑菌やカビが増えてしまいます。

また、アルコールを使用する方もいますが、注意が必要です。材質や製品の仕様にもよりますが、プラスチック製品にアルコールを使用すると、変質や変色を起こす場合があります。

しまう前にやるべき「お手入れ方法」

――収納前に水洗いが必要な箇所は?

前提として、加湿器には「超音波式」「スチーム式」「気化式」などさまざまな方式があり、お手入れ方法は機種や方式ごとに異なります。そのため、まずは取扱説明書で自分の加湿器に合った方法を確認することが大切です。

そのうえで、共通してお手入れが必要なのが、水が通る部品です。具体的には「タンク」「トレイ」「フィルター」などで、これらは水アカが付きやすく、見た目がきれいでも、見えない雑菌が付着しているおそれがあります。収納する前にしっかり洗浄し、十分に乾かしておきましょう。

――「タンク」「トレイ」「フィルター」のお手入れ方法は? ハイブリッド式を主に展開するダイニチの機種を例に教えてください

「タンク」は、水を入れてフタを閉め、容器ごとよく振って内側の汚れを落としてください。汚れが気になる場合は、やわらかいスポンジで内側を軽くこすり洗いするとよいでしょう。

タンクは水を入れて振り洗い。汚れが気になる場合はスポンジを使う(画像提供:ダイニチ工業)

「トレイ」は、たまった水を捨てたあと、やわらかいスポンジで表面を傷つけないようにやさしくこすり、水洗いします。

トレイはやわらかいスポンジでこする(画像提供:ダイニチ工業)

「気化フィルター」は、基本的には水洗いでかまいませんが、白いざらつき(水アカ)が目立つ場合はクエン酸を、ニオイが気になるときは重曹を使って、浸け置き洗いを行ないましょう。

気化フィルターをクエン酸や重曹で浸け置き洗いする際は、深さのあるファイルケースなどを使うと扱いやすくておすすめ(画像提供:ダイニチ工業)

――乾かし方のコツを教えてください

洗浄後のパーツは、日の当たらない風通しのよい場所に、しばらく組み立てずに置いて乾燥させます。全体がしっかり乾いてから本体に戻すのがポイントです。

焦って組み立てると、内部に残ったわずかな水分がカビやニオイの原因になることもあるので注意してください。乾いたかどうかを判断する目安は、手で触れてみて湿り気を感じなければOKです。

乾かし方のイメージ(画像提供:ダイニチ工業)

――水洗い以外で必要なお手入れは?

基本的にお手入れが必要なのは、「本体」と「空気取込口」の2カ所です。

「本体」はやわらかい布で拭き取り、汚れがひどい場合は水で薄めた中性洗剤を使って軽く拭き掃除をしてください。

「空気取込口」に関わる「吸気グリル」や「除菌フィルター」などの部品は、ハイブリッド式や気化式など、室内の空気を取り入れるタイプの加湿器ではホコリがたまりやすいため、掃除機などでしっかり吸い取っておきましょう。

空気取込口の「吸気グリル」はホコリがたまりやすい(画像提供:ダイニチ工業)

収納方法と保管場所の基本

――適切な収納方法は?

理想的なのは、購入時の包装箱に入れて保管する方法です。ホコリや湿気から本体を守りやすく、次シーズンの準備もスムーズになります。

また、保管中の衝撃を防ぎ、キズなどを防止できるのもメリットです。包装箱がない場合は、ポリ袋などで包んでおくだけでも、ホコリ対策として十分効果があります。

購入時の箱に入れて保存がベスト(画像提供:ダイニチ工業)

収納時は、必ず「立てて」保管してください。傾けたり横倒しで保存すると、内部にわずかに残った水が本来水が入ってはいけない部分に流れ込み、故障のリスクが高まります。

多くの加湿器は縦置きでの使用を前提に設計されているため、正しい向きで保管することで、部品への余計な負荷やトラブルを防げます。

――ベストな保管場所は?

湿気が多い場所に収納すると、カビやサビの原因になります。直射日光が当たらず、風通しのよい押し入れやクローゼットに保管するのがよいでしょう。逆に、浴室や洗面所、キッチンまわりなど、湿気や温度変化が大きい場所は避けたほうが安心です。

電源コードの取り扱いや、フィルター交換のポイントは?

――電源コードの取り扱いで注意すべき点は?

電源コードやプラグ部分に傷みがあると、異常発熱や発火の原因になるおそれがあります。電源コードが断線していないか、中の線が露出していないか、根本やプラグにぐらつきがないかを収納前に確認してください。

収納する際は、プラグやコードのホコリや汚れを拭き取ってからゆるく束ね、本体の下に挟み込んだり、強く折り曲げたりしないようにして保管しましょう。

――フィルターは次シーズンが来る前に交換したほうがよいでしょうか?

汚れがあまり気にならない場合は、よく洗って乾かせば、そのまま使っても問題ありません。一方で、変色やニオイが気になるようであれば、来シーズンに備えてフィルター交換を検討するのがおすすめです。

――お手入れが面倒な人におすすめの機種は?

フィルター交換や日々のお手入れがどうしても負担に感じる方は、「最初から掃除をしやすいように工夫された機種」を選ぶのも手です。ダイニチでは、掃除の手間をできるだけ減らせるような機能を備えた機種も多数そろえています。

例えば「カンタン取替えトレイカバー」は、トレイまわりの汚れが気になったときに、カバーごと外して新品に付け替えられる仕組みです。また「カンタン取替えフィルター」は使い捨ての抗菌気化フィルターで、汚れてきたら丸洗いせずに新しいものに差し替えるだけで済みます。

カンタン取替えトレイカバー(画像提供:ダイニチ工業)

いずれもランニングコストはかかりますが、こびりついた汚れを落とす作業や浸け置き洗いの頻度をぐっと減らせるので、「とにかく掃除の手間を減らしたい」という人にはぴったりだと思います。

カンタン取替えフィルター(画像提供:ダイニチ工業)

さらに、「かんたんフィルタークリーナー」機能を搭載した機種なら、週1回、背面のエアフィルターを左右にスライドするだけでホコリを落とせます。

掃除機を出したりフィルターを取り外したりする必要がなく、負担をかけずにこまめなお手入れを続けやすい点も大きなメリットです。

かんたんフィルタークリーナー(画像提供:ダイニチ工業)

正しくしまって来シーズンも快適に

今回紹介してもらった「加湿器のしまい方」のポイントをまとめてみました。

来シーズンも気持ちよく使うための「5つのポイント」

1.水洗い:タンク、トレイ、気化フィルターなど、水が通る部品の水アカを落とす

2.お手入れ:本体や空気取込口のホコリや汚れを布や掃除機で取り除く

3.乾燥方法:日の当たらない風通しのよい場所で、組み立てずに陰干し。触っても湿り気を感じない状態まで乾かす

4.収納方法:購入時の箱やポリ袋などに入れて、必ず立てた状態で収納

5.保管場所:直射日光が当たらず、湿気がこもりにくい押し入れやクローゼットに保管

加湿器はシーズンオフ前のひと手間で、来シーズンの快適さが大きく変わります。今までなんとなく片付けていた人も、来年の自分が気持ちよく使えるように、加湿器を正しくしまってみてはいかがでしょうか。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。