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家電ライターが注目、走る蓄電池になるホンダのEVとは? 毎日より楽しく、快適になる魅力

ホンダのEV「N-ONE e:」を家電ライター視点でチェックしました

近年、災害時の備えとしてポータブル電源や蓄電池の必要性を感じている人が増えています。実際、2024年1月に発生した能登半島地震の被災地でポータブル電源が活躍したことから注目され、一時は在庫切れになったメーカーもあったほど。筆者も家電ライターとして、万一の備えはもちろん、アウトドアでも家電が使えるという観点から、ポータブル電源の活用を提案する機会が増えています。

そんな今、“新たな大容量バッテリー”として注目されているのがEV(電気自動車)です。確かに、筆者も日頃からクルマを運転しておりEVにも関心はありましたが、「蓄電池」という観点で捉えたことはなかったため、新たな発見でした。

そこで初心者視点であらためて「EVってどうなの?」と深掘りしてみることに。家電大賞 2025-2026「EV部門」にもノミネートされている「N-ONE e:」の実車を見せていただきながら、主婦目線でその魅力をチェックしました。

アクセルひとつでなめらかに走り、自動で止まる。ホンダEVならではの走りに驚き

実際に試乗してみると、運転席に座った印象はこれまで筆者が乗ってきたクルマと大きな違いはありません。目に見えて違うのは、シフトレバーがシフトスイッチになっていること。「P」「R」「D」といった操作切り替えが、スイッチひとつで簡単にできるようになっていました。

さらに、ガソリン車のように1速・2速という概念がなく、坂道もぐんぐん走れるとのこと。「軽自動車は坂道でアクセルをベタ踏みしないといけない」という心配もなく、安心です。

設備が少ない分すっきりした車内空間。視界が広く、死角も少なく感じられました

アクセルを踏むと、ほとんど音もなくスーッと動き出しました。これがまるで氷の上を滑るように静かでなめらか。ガソリン車ではエンジン音が当たり前で気にならなかったものの、静かだとやはり心地よく、これなら後部座席の人ともスムーズに会話できます。また筆者は閑静な住宅街に住んでいるため、夜間や早朝のエンジン始動に気を使っていましたが、これだけ静かなら気兼ねなく出発できるでしょう。

ホンダEVならではの機能も初体験。「シングルペダルコントロール」をオンにすると、アクセルを離した際に自動で減速します。他社EVにも類似機能はありますが、ホンダの特徴は最終的に完全停止まで行なってくれる点です。

ボタン操作で「シングルペダルコントロール」モードに。踏み加減を覚えれば、加速も減速も直感的にコントロールできます

これは「アクセルひとつで加速から停止まで」という操作感を重視して生まれた機能とのこと。慣れれば、渋滞時に頻繁にブレーキとアクセルを踏み替える手間が減り、「右足が疲れてガクガク」という状態を防げることが期待できます。

簡単充電で、停電時は3日間使える大容量バッテリーに!

家電ライター目線でも特に気になっていたのが、「充電のしやすさ」と「満充電でどれだけ走れるのか」。筆者も家庭でバッテリー搭載家電を多く使用していますが、容量や運転時間が製品ごとに異なり、「すぐに電池が切れたら困る」という不安が常にあります。

その点「N-ONE e:」は大容量バッテリーを搭載し、満充電で295km走行が可能としています。毎日20km走る場合でも1週間は充電不要という計算で、筆者のように買い物や送迎中心の使い方なら、さらに長持ちするでしょう。

日常的に少し乗る程度なら、1週間は充電なしでOK。遠出時も急速充電なら約30分で充電できるそう

家庭での充電には別途工事が必要ですが、わざわざガソリンスタンドに行く手間が省けるのはEVの大きなメリット。出力6kWの普通充電なら約4.5時間で満充電になるため、夜に充電を始めれば翌朝には完了しています。夜間電力の活用や太陽光との組み合わせなど、コスト面の工夫もしやすい点が魅力です。

そして今回、筆者が最も期待しているのは、EVのバッテリーを蓄電池として活用できることです。災害が増える今、大容量バッテリーの需要は高まっていますが、「停電時しか使わないのに高い買い物では?」と悩む人も多いはず。ポータブル電源の扱いやすいモデルでも容量は1~2kWhが主流で、数日の停電には不十分です。

その点、「N-ONE e:」が搭載するバッテリー容量は約29kWhと桁違いの大容量。満充電なら停電時でも3日間、家電を使いながら過ごせます。純正アクセサリーの「Honda Power Supply Connector」を使えば、最大1,500Wの高出力で、ドライヤーやIH調理器なども問題なく使用できます。

もちろんアウトドアや旅行先でも電気を使えるため、ポータブル電源を持ち運ぶ手間も不要。ドライブ先でお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、ホットプレートでバーベキューしたり……想像するだけでワクワクします。

普段使っている家電を持ち出せば、外出先どこでも気軽にカフェ気分やバーベキューが楽しめます

コンパクトでかわいらしく、2台目にほしい!

EVならではのメリットはほかにもあります。それは停車中でもエアコンを使えること。ガソリン車はアイドリング中に排気ガスが出るため、停車中はエンジンを切る「アイドリングストップ」が推奨されています。

筆者も送迎や待ち時間に車内で作業することがありますが、夏にエアコンなしで過ごす時間は過酷。その点EVは排気ガスと騒音がゼロなので、気兼ねなくエアコンが使えます。これはもはや“走るお部屋”と言っても過言ではありません。

さらに「N-ONE e:」は軽自動車ならではのコンパクトさと、EVならではのスムーズな発進で小回りがきくのも魅力。筆者が普段使っているクルマよりも、角を曲がる時や駐車の際の余裕が段違いです。住宅街の狭い道や駅周辺の人通りが多い場所でも安心して運転できそうです。

コンパクトな車体で小回りも効くため、狭い道も安心。初めての道でも不安なく走れそうです

以上のように、知れば知るほど魅力の多い「N-ONE e:」。ふだんよくクルマを運転する筆者の日常使い用としてほしい! と強く感じました。

ファニーフェイスに愛着がわくデザイン

「N-ONE e:」はファニーで愛嬌のある見た目も印象的。コロンとした車体やまん丸なヘッドライトがかわいらしく、ペットのように愛おしく思えてきます。カラーバリエーションは5色展開ですが、個人的には「チアフルグリーン」に一目惚れ。ガレージに置いたら、住まいのアクセントにもなりそう。

バンパーの黒い部分は近くで見ると白い斑点が散りばめられています。デザイン的な演出かと思いきや、廃棄されたホンダ車のバンパーをリサイクルしたものだそう。ほかにも植物由来の原料など、環境配慮への姿勢も随所に感じられ、今後の“モノ選び”において大切なポイントだと実感しました。

以上、EV未体験の筆者が初めてEVを深掘りしましたが、クルマとしての性能の高さはもちろん、非常時には大容量バッテリーとして使える利便性の高さを強く感じました。クルマ選びをする際には、停電対策として、さらにアウトドアの楽しみも広げてくれるEVを候補に入れてみるのもおすすめです。

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(提供:本田技研工業)