トピック
3人家族と1人暮らし、必要な電力どれだけ違う?Jackeryがすすめるポータブル電源の選び方
- 提供:
- Jackery Japan
2025年3月31日 09:00
用途が増え、いろいろな目的に使われるポータブル電源
家の壁コンセントのようにAC電源が使えて持ち運びできるとして、ポータブル電源が広く知られるようになったのは、2020年ごろのことだった。当時キャンプブームだったこともあり、アウトドアでも電源が使えるということで、200~300Wh程度の小型のモデルが主力だった。
だが2024年は日本国内で自然災害が相次いだこともあり、企業、学校、介護施設、通信基地などで急速にポータブル電源の需要が高まることとなった。特に企業では、自社の業務が止まってしまうことで社会に多大な損害を与えることが懸念されるようになり、各社独自のBCP対策を策定し始めたところは多い。
BCPとは「Business Continuity Plan」、日本語でいえば「事業継続計画」ということになる。人的要素、施設/設備の運用、資金調達、情報流通の維持とバックアップなど対策は多岐に渡るが、そのベースになるのが電力だ。系統電力が復旧しなくても企業活動が維持できるよう、大容量モデルが求められるようになったのは大きな変化だ。
ポータブル電源の大手Jackery(ジャクリ)では、こうしたニーズの変化に対応した「New」シリーズを、2024年から展開している。2024年5月に発売された「Jackery ポータブル電源 240 New」、同7月発売「Jackery ポータブル電源 1000 New」、同8月発売「Jackery ポータブル電源 2000 New」に続き、今年の2025年3月には「Jackery ポータブル電源 3000 New」が発売された。
Jackery ポータブル電源 3000 Newはその名の通り、ポート合計出力3,000W(瞬間最大6,000W)を誇る、容量3,072Whのポータブル電源だ。スペックが高いことから業務用かな? と思われたかもしれないが、同クラスの他社製品に比べ、サイズで47%減、重量で43%減を達成しており、取り回しの良さが特徴となっている。このサイズと重量なら、家庭用防災機器として使っても違和感はまったくない。
そこで今回はJackeryへの取材を通して、Jackery ポータブル電源 3000 Newのポイントを探っていこうと思う。購入時の参考にしていただければ幸いだ。
Jackery ポータブル電源 3000 Newを選びたい理由
Jackery ポータブル電源 3000 Newは、3,072Whの大容量を持ちながら、サイズは416×325×307mm、重量27kgに抑えた。同容量の他社製品と比べると、ざっくり半分ちかい削減となっている。使用電池は昨今主流の「リン酸鉄リチウムイオン電池」なので、電池部そのものが小型軽量化したわけではない。
この秘密は、新技術CTB(セル・トゥ・ボディ)にある。CTBはEV車に採用されて注目されている設計手法で、バッテリーセル自体にボディの構造体としての役割を持たせることで、部品点数を減らしてスペースを確保、軽量化する技術だ。既にEVでよく使われていることもあって、安全かつ低コストで家庭用の製品に落とし込めるのもメリットだ。
CTB構造を採用したことや、PVとインバーターを1つにまとめたことで、小型軽量化はもちろん、耐震性や耐久性も向上している。この技術は電池数が多いほどスペース効率が上がるので、現時点ではJackery ポータブル電源 3000 Newおよび2000 Newに採用されている。1,000Wh以下のサイズではそもそも軽量化がしやすいため、それほど採用する必要がないそうだ。
筆者も以前3000Whクラスのポータブル電源を試用したことがあるが、なにせ通常は40~50kgぐらいあるので、移動や設置が大変だった。大人2人でなんとか持ち上がるといった程度で、1人ではもうどうにもならない。したがって多くの製品には、底部にキャスターが取り付けられており、斜めに持ち上げて転がしていけるようになっている。
一方Jackery ポータブル電源 3000 Newの27kgという重量は、大人2人で持てばキャスターなしでも移動できる。また1人で移動できるよう、折り畳み式の専用キャリーカートも用意されている。大容量かつ大出力でありがなら、設置場所の変更や運搬が楽なのも、一般家庭では大きなメリットになるだろう。
3人家族で停電になった場合、電気はどれくらい必要?
3000 Newは、通常コンセントタイプのAC出力×4で最大20A、大電力対応型3P AC出力×1で最大30A、合計3000Wの出力が可能だ。加えてUSB Type-A×2、USB Type-C×2、シガーソケット出力×1の計5種類の出力ポートを備えている。
とはいえ、3000Wといわれてもピンと来ない方も多いだろう。例えば一般家庭において、1箇所のコンセントで使用できる電力量は、1500W以下で設計されている。また部屋単位で分岐ブレーカーが設置されており、一部屋で2000W以上使うとブレーカーが落ちる仕掛けだ。つまり30000 Newがあれば、通常一部屋で使える以上の電力が使えるということになる。
これは、日常使いにも非常に有効だ。例えばキッチンで調理家電を一度に使うと、ブレーカーが落ちるというご家庭も多いことだろう。筆者宅でも電子レンジと炊飯器、食洗機、電気ケトルを一度に使うとブレーカーが落ちる。だがキッチンのコンセントと調理家電の間にJackery ポータブル電源 3000 Newを繋いでおけば、ブレーカーが落ちることはない。特にペットの暑さ対策や、防犯カメラなど、非常時も電気を止めたくない箇所にも安心して使えるだろう。
調理家電を使うのは、ほんの30分か1時間のことである。3000 Newへは800~1,000Wぐらいでジワジワ充電するよう設定しておけば、ご飯時にはバッテリーから一時的に大出力で使い、使わない時に少しずつ充電して電気をためておくという、電気利用の大小の差を「均す」役割として利用できる。
もちろん、災害対策用電源としても十分な容量を誇る。例えば3人家族を想定すると、停電時に必要な最低限の電力は、おおよそ1,040Whになると考えられる。
利用時間と1日あたりの消費電力
夜間の照明 (5時間:17~22時) 50Wh
32インチ液晶テレビ (1時間) 50Wh
炊飯器 (1日1回) 160Wh
冷蔵庫 (1日) 600Wh
スマートフォンの充電 (1日2回) 180Wh
1日で1,000Whほどが必要になることを考えれば、3000 Newなら停電しても3日分の電力は確保できる。常時使用せず、災害時に向けて電力を保存しておきたいという用途でも、Newシリーズなら100%充電して1年間保管した場合で、自然放電率は5%程度である。また5年以上の長期保管にも対応する。これは一般家庭のみならず、企業や自治体の非常用電源としても安心できる数値だ。
BCP対策としても注目したい
会社員であっても、家で仕事をしているという人は多くなった。そうした方におすすめしたいのが、家庭内BCP対策だ。パソコンやWi-Fiルーターなどの電子/情報機器が一時的にでも止まると、業務全体が再稼働するまでに時間を要するケースがあるだろう。
この点においては、Jackery ポータブル電源 3000 NewのUPS機能にも注目しておきたいところだ。普段からコンセントと機器の間に3000 Newを挟んでおき、コンセントからのパススルーで運用する。停電になった場合には、0.02秒でバッテリーからの出力に切り替わる。
ポータブル電源ではない一般のUPS装置はバックアップ時間が5分から10分と短いが、3000 Newは停電復旧まで数時間あっても凌げるという強みもある。
そのほかにも、高価だったり、替えのきかない貴重な機材を使っている場合には、雷サージ保護機能を内蔵しているところも強みになる。落雷によって電力線に大電力が流れると、多くの機器は壊れてしまうが、3000 Newは雷サージを吸収する機能を持っているので、接続した機器を保護してくれる。これもまた夏の雷雨シーズンにむけて、見逃せない機能である。
ちなみに、ポータブル電源は家庭以外の業務用途でどんなことに使われているのかをJackeryに聞いたところ、例えば電動工具などを使う建築現場で、従来の発電機を使う場合に比べて騒音や環境問題を解決するのに選ばれているとのこと。また、情報通信業では衛星インターネットのスターリンクへの給電に活用するなど、UPS機能が重視されているようだ。
特別な企業ではなくても、BCP対策として、停電時の従業員の安否確認や災害報告、パソコンの利用、電源やネット環境の確保などでの使用が考えられる。
Newシリーズは、特に企業BCP対策を謳って登場したわけではなかったが、さまざまなユーザーアンケート調査で「軽量で出力の高い安価な製品を期待している」との声が多かったことから、そうした期待を応えるために開発されたとのことだ。
アプリの新機能で、より便利で長く使えるように
Jackery ポータブル電源 3000 Newでは、スマートフォンのアプリを使った管理機能が追加されたのも、見逃せない進化だ。せっかく導入したポータブル電源であれば、できるだけ長く使いたいところだが、新アプリではバッテリーの劣化を抑制する「バッテリー節約モード」を搭載している。このモードでは、バッテリーの充電を85%に抑え、80%未満になった時だけ再充電を行なう。この設定により、バッテリー寿命を最大1.5倍に伸ばすことができるわけだ。
Jackeryでは以前からソーラーパネルとの組み合わせで使用することを推奨しているが、これもアプリの制御により、これまで以上に効率的な運用が可能になっている。天気のいい日はパネルからの発電量が増えるわけだが、ポータブル電源側に充電できる空き容量がなければ、せっかくの発電が無駄になってしまうのが難点だった。とはいえ、非常用電源なのにいつもカラ……というわけにもいかない。
そこでアプリの自家発電機能を使えば、例えばAC電源からの充電は30%まで、残りはソーラー発電に備えるといった「充電割合」を設定できる。アプリとポータブル電源はBluetoothだけでなくWi-Fi経由でも接続できるので、会社から自宅の発電状況をリアルタイムでモニターしたり、充電割合の設定変更もできる。
自家発電モードでは、AC充電と太陽光充電を組み合わせたハイブリッド充電時の「バックアップ電力値」をアプリで設定する。バックアップ電力値の設定範囲は10%~90%。充電時に残量がこの値を超えると、それ以上の充電は太陽光のみになる。逆に給電(電気を使用)して設定したバックアップ電力値を下回ると、ポータブル電源からの給電を停止。接続された家庭のコンセントからの電力を使用(パススルー)する。家のコンセントと接続状態なら、停電してもポータブル電源の電池残量が0%になるまで電力を供給可能となっている。
家庭で変動型の電力プランを契約している人には、電気料金が安い時間帯に自動でACから充電するように設定できる「スケジュール充電」も魅力。もちろんこの設定もリモートで行なえるので、今から2時間電気が安いことがわかった時には、どこからでも設定変更ができる。
家族や目的に合わせた製品の選び方は?
これまで防災時における大容量の電力確保は、自治体や企業努力に頼ってきた。だが地震や津波はもちろん、昨今は大型台風による土砂災害で道路が寸断され、避難所まで行けないという状況もあり得る。避難の形も、在宅や車中泊避難など、多様な方法を検討する必要が出てきたのだ。
そんな中で、3日分の電力が確保できる大容量、そしていざとなれば大人2人で車に積めるサイズと重量のJackery ポータブル電源 3000 Newは、非常に魅力的な選択肢となる。さらにソーラーパネルがあれば、避難場所でゼロから発電できるという強みもある。
3000 Newだとちょっと大きいと感じる方には、「Jackery ポータブル電源 2000 New」も検討に値するだろう。家庭防災を始める方向けの入門機として、3人家族2日分の電力が確保できる。また普段から車中泊が趣味という方にも、丁度いいサイズだ。一方「1000 New」は、普段使いでガーデニングやキャンプ、あるいは庭で電動工具を動かすなど、ホビーでの利用に向いている。
なお、Jackery ポータブル電源 1000 Newには、新色として「サンドゴールド」も登場している。人気のくすみカラーでインテリアにもなじみやすい。置く部屋や用途に合わせて、デザインも選べるようになったのはうれしい。
軽量コンパクトな「Jackery ポータブル電源 240 New」も面白い製品だ。3.6kgとリュックに入れて背負える程度の重量とサイズながら、AC出力も1系統取れる。小さくても、もちろんソーラーパネルからの充電にも対応。ライトも内蔵しており、暗い中で手元明かりが欲しい時にも、わざわざ照明器具を用意する必要がない。緊急充電モードなら最短1時間でフル充電できる。
例えば1人暮らしで、停電時に最低限、照明器具と通信機器、テレビを使いたい場合は消費電力量の目安が160Wh。このJackery ポータブル電源 240 New(容量256Wh、定格出力300W)だと1日~2日間使える計算だ。
利用時間と1日あたりの消費電力
夜間の照明 (5時間:17~22時) 50Wh
32インチ液晶テレビ (1時間) 50Wh
スマートフォンの充電 (1日2回) 60Wh
Jackery ポータブル電源 240 Newの利用シーンとしては、普段スマホやタブレット、パソコンの電源などに利用しながら、時にはふらっとソロキャンプ、あるいは台風接近により1人で徒歩避難という場合には、これぐらいがちょうどよさそうだ。
上記製品に加え、より日常に近い生活を送ろうとしたら冷蔵庫(1日600Wh目安)、炊飯器(1日1回で160Wh)、Wi-Fiルーター(消費電力6Wのモデルで1日144Wh)の使用が加わり、より大容量で出力の高い電源が必要となってくる。
さらには夏の停電でエアコン1台(1,000W)を最低限動かしたいとなると、1時間の運転でも1,000Whがプラスされることになり、これらを合計すると2,064Wh。Jackery ポータブル電源 3000 Newなら余裕をもって1日使えることになる。
ポータブル電源は、容量が大きくなれば出力も大きくなるので、ある程度「大は小を兼ねる」機器である。とはいえ、どんな用途を想定しているか、さらには予算や重量などの都合もあるわけで、どれが最適化はケースバイケースである。JackeryのNewシリーズは、240、1000、2000、3000とラインナップが整理されているので、目的にピッタリはまる1台がきっと見つかることだろう。
電気の有り無しは、情報が取れるか取れないかに直結する。情報があれば、次にやるべき行動が見えてくる。ただ漫然と避難所を頼るという時代から、自分で避難をコントロールしていく時代に入ってきたといえるのではないだろうか。
(提供:Jackery Japan)