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「半固体電池」ポータブル電源なにがスゴいの? ダブソンDBS1400 Proを徹底検証

Dabbssonの最新ポータブル電源「DBS1400 Pro」

理想の高密度バッテリー「半固体電池」Dabbssonってどんなメーカー?

ポータブル電源は、これまでキャンプのお供などで訴求されることも多かったが、日本では昨今増加している自然災害への備えとして購入されるケースが増えている。自治体などでは、充電しておいていざという時の備えに保管しておく使い方になるが、一般家庭では日常的な用途でも積極的に使っていくのがセオリーだ。

とはいえ、家の中に大きなバッテリーがあるというのもまた、安全性は大丈夫かといった別の心配が頭をもたげてくるところだ。ご存知の方もいると思うが、現在一番身近な三元系リチウムイオンバッテリーは、飛行機では預け入れ荷物の中には入れられない。また宅配便などで送る際も、空輸できないため陸送になるなど、扱いに注意が必要である。

ポータブル電源業界ではこうした声に応えて、三元系チリウムイオンよりも難燃性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用した製品が主力になっている。とはいえ、リン酸鉄でも一旦発火すれば発煙や液漏れが起こり、温度も110℃ぐらいにはなるとされる。

そこで以前から注目されてきたのが、未来のバッテリーともいえる「全固体/半固体電池」である。名前の通り、電解質を固体もしくは半固体とすることで安全性を高め、さらにエネルギー密度向上や長寿命が期待できる方式だ。とはいえ、全固体は技術的難易度が高く、各社とも開発に苦労している。一方の半固体は既存技術の延長線上にあり、早期実用化が可能といわれてきた。

半固体電池にはゲルポリマー型、クレイ型、液添加型の3タイプがあり、それぞれ製造法も違えば難易度も違うということで並行して開発が進められてきたが、いち早く半固体電池の量産を実現し、大容量ポータブル電源を製品化したのが、Dabbsson(ダブソン)である。

Dabbssonは2012年創業のハイテク企業で、電気自動車の充電器メーカーとして世界中に製品を出荷している。

巨大工場内に世界トップレベルの自動生産ラインを持つDabbsson

そのDabbssonの実績と経験を活かして開発されたのが、同社オリジナルの液添加型半固体リン酸鉄リチウムイオンバッテリーだ。液添加型は、固体の活物質に少量の電解液を染み込ませたものを使用するため、熱安定性が高く、高温環境でも使用可能という特徴がある。Dabbssonでは、各種バッテリーの針刺し実験画像を公開しており、これを見ても半固体電池の優れた安全性が見て取れる。

バッテリー針刺し試験結果(Dabbsson公式動画)

今回は半固体電池を採用したポータブル電源「DBSシリーズ」のうち、この夏より発売が開始された最新モデル、「DBS1400 Pro」をお借りすることができた。半固体電池の特性も含め、DBS1400 Proの実力を早速試してみよう。

15年以上に相当する長寿命。最大2,400W出力の安心感

ダブソンのDBSシリーズは、型番として付けられている数字が大まかにバッテリーの容量を表している。したがってDBS1400 Proは、だいたい1,400Wh(実質1,382Wh)ということになる。

DBS1400 Pro本体。中央部にステータスディスプレイ

本体サイズは432×254.5×303mmで、1,400Whクラスのバッテリーとしては標準的な大きさだ。サイクル寿命としては、約4,500回/15年というロングライフを誇る。この回数は初期容量の80%に性能が落ちるまでの話なので、そこで製品寿命が終わりというわけではない。一般的なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが約3,000回/10年であることを考えると、大体1.5倍ぐらいの製品寿命があると思っていいだろう。

重量は20.5kgで、男性の筆者は頑張れば1人で持てた。2人いれば確実に運べる重量だ。

ディスプレイ下にはLEDライトもあり、停電時にとりあえず灯りが欲しいという場合にも役に立つ。

ディスプレイ下のLEDライトはかなり明るい

入出力ポートは、ディスプレイに向かって右側にUSBポート、左側にシガーソケットを含むDC出力ポートがある。本体左側が入力ポート、右側が出力ポートになっている。

ディスプレイ左側のUSBポート
ディスプレイ右側はDCポート

ACの最大入力は100V/1,500Wと、かなり大きい。ソーラーパネル入力も、このクラスでは通常500〜1,000W止まりだが、DBS1400 Proは1,200Wあるので大型パネルの並列接続だけではなく、直列/並列接続どちらにも対応。シガーソケット入力は12V/24V 8Aだ。

出力は、AC×4が最大2,400W(瞬間最大4,800W)。Power-Boost時は3,600Wとなる。

USB出力はType-Cが3ポートで、出力は30W×1と100W×2。Type-Aも3ポートあり、出力は12W×1と18W×2。DC5521は各ポート最大50.4W。シガーソケット出力は12.6V 10A(最大126W)。

本体左側に入力ポート
入力ポート下に拡張バッテリー用端子がある
本体右側がAC出力ポート

注目ポイントは、ACコンセントで2,400Wという定格出力の大きさだ。通常このクラスの出力は1,500〜1,900Wぐらいだが、2,400Wというのはもうワンランク上の、2,000Whクラスの出力になる。これぐらいあれば、家庭用のエアコンや洗濯機も駆動できるほどだ。

試しに電気ポット、電子レンジ、オーブントースターを接続して同時に使ってみた。筆者宅ではこれらをいっぺんに使えばブレーカーが落ちてしまう組み合わせなのだが、DBS1400 Proなら余裕だ。こうした一時的なピークのために大きめのアンペア数を契約している家庭もあると思うが、DBS1400 Proを調理家電に繋いでおけば、ピーク時にブレーカーが落ちることもないし、電力契約アンペア数を下げることも検討できるだろう。

電気ポットや電子レンジなど、複数の家電を動かしても余裕の2,400W出力だ

もう一つのポイントは、USB-Cで100W出せるポートが2つあるということだろう。昨今は100Wクラスの急速充電に対応したスマートフォンも増えており、ノートPCも少し大型になると65WぐらいのUSB給電となる。いざという時にこうしたデバイスを短時間で充電できれば、結果的に多くのデバイスを次々と充電できるということになる。

特筆すべきは、充電の速さだ。実際に測定してみたところ、0%から80%充電まで約49分、フル充電まで63分であった。入力は最大の1,500Wに設定していたが、平均1435Wぐらいである。一般家庭のコンセントでは1箇所で使用できる電力が1,500Wに制限されているので、他の家電も繋がっていれば大体これぐらいが現実の速度ということになる。

家庭用コンセントで充電時間を計測

1,500Wきっちり入力できれば公称どおり80%まで45分、さらにソーラー入力も併用すれば最高36分というスピードが確保できるはずだ。この速さなら、台風接近などで停電する可能性が出てきた時に充電をスタートさせても、十分間に合う。

高い応答性と拡張性で非常時の備えにも

DBS1400 ProはAC電源に接続している限り、電力の出力はパススルーとなる。例えば出力にテレビをつなぎ、消費電力が53Wだった場合は、入力は53Wプラス充電に必要な電力ということになる。入力が途切れた場合は、自動的にバッテリー出力にスイッチする。

入力は出力プラス充電に必要な電力量(この場合は100Wに設定)となっていた

この時の切り替わり時間は15msとかなり高速なので、緊急時の電源供給にも利用できる。一般的な生活家電であれば、まず問題ないだろう。瞬電に敏感なテレビでも、実際にDBS1400 Proへの入力を抜いてみたところ、途切れることなく視聴できた。ただ0msで切り替わるような本物のUPS(無停電電源装置)ではないので、サーバやワークステーションクラスのPCでは使用しないほうがいいだろう。

DBS1400 Proでは、スマートフォンのアプリで遠隔から細かい設定ができる。例えば入力容量なども50Wから10W刻みで設定できるなど、柔軟性の高い作りになっている。BluetoothだけでなくWi-Fiにも対応するので、Wi-Fiの電波が届く限りの範囲でコントロール可能だ。

コントロール用のスマホアプリも提供される

興味深いのは、PCのようなスタンバイモードを備えていることだ。これは出力がゼロでも自動でシャットダウンしない代わりに、タイマー動作が可能になる。特定の時間帯だけ起動させたり、一定の時間にACをONにするといった使い方ができる。タイマー機能のない機器を自動で動かすことができるわけだ。

タイマー駆動を実現するスタンバイモード
複雑なタイマー動作も組める

容量が拡張できるのも、このクラスのバッテリーでは珍しい機能である。容量2,150Whの拡張バッテリー「DBS2100B」を2台接続して5,682Whまで拡張できるほか、DBS1400 Proを2台並列接続し、2,764Whのシステムとすることもできる。

ということは、DBS2100Bを2台繋いだDBS1400 Proを、さらにもう1セット用意して並列接続すれば、最大11,364Whのシステムにできるというわけだ。11kWhといえば、据置型の家庭用蓄電池でも大容量といわれるクラスに相当する。据置型家庭用蓄電池は専門業者による設置工事が必要になるが、ポータブル機であれば設置工事は不要だ。

最後にポータブル電源を災害用として電力保存に使用する場合を想定してみよう。長期保存となれば、自然放電率が気になるところだ。この点でもDBS1400 Proは優れた特性を持っており、100%の容量を約半年間保持できる。自然放電損失も10%未満となっており、防災用品としての用途にも適している。

次世代電池搭載ながらリーズナブルなDabbsson

大型バッテリーの廃棄は今後社会問題となってくると思われるが、Dabbssonの場合は公式サイトから購入すれば、すべてのポータブル電源に5年保証と無料回収サービスが付いてくる。回収された電源は安全にリサイクルされ、廃棄物を最小限に抑える取り組みが行なわれている。ちなみにソーラーパネルは2年保証されている。もし十分使い切った後も、廃棄物処理サービスを用意しているとのことで安心できそうだ。

DBS1400 Proの約1,400Whではちょっと少ないという方には、上位モデルの「DBS2100Pro」もある。こちらは容量2,150Whで、最大出力2400Wとなる。

Dabbsson公式サイトやAmazon、楽天で実施されるブラックフライデーセールでは、ソーラーパネルや拡張バッテリーとの組み合わせなども含め、多数のバリエーションが展開される。せっかくならこうしたタイミングで購入するのがねらい目だろう。

今後は各家庭にも、災害用途も含めて日常使いにも何らかの蓄電設備が導入されていくと思われるが、どうせ買うなら安全性の高い製品を選びたいところだ。その点では、安全性が高く、製品寿命も長く、使い勝手も従来を上回る半固定電池は、まさにこれから主流になる方式であろう。

Dabbssonは、そんなちょっと先の未来を今、リーズナブルに提供してくれるブランドだ。

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ダブソン公式サイトでは2024年11月6日(水)~12月4日(水)、楽天は2024年11月21日(木)~11月27日(水)、Amazonは2024年11月27日(水)~12月6日(金)と各ストアで実施中。

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(提供:Dabbsson)