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コンパクトでも機能凝縮でお手頃に! ロボット掃除機DEEBOT T30 PRO OMNIの進化を使って実感

DEEBOT T30 PRO OMNI

ロボット掃除機の分野で世界的にもトップクラスのエコバックス(ECOVACS)。今年も数多くの新製品を投入しているが、その中の最上位モデルが今回ご紹介する「DEEBOT T30 PRO OMNI」だ。

全自動クリーニングステーション同梱のハイエンド製品ながら価格は179,800円と、20万円を大きく切ったのもありがたい。さらにステーションの小型化などもあって、近年急速に進化してきたロボット掃除機というジャンルの中でも、見どころの多い製品といえる。

今回は筆者宅で2週間ほどテストしてきた中で、上記の“サイズ”や“掃除の丁寧さ”“手間を省く”といった部分で「なるほどそう来たか」と納得させられるポイントが沢山あった。ここでは特に注目したいポイントに絞って、ご紹介していきたい。

小さくても全部入り

ここ数年は生活家電と呼ばれる製品に「賢さ」が求められるようになってきた。人間はスタートボタンを押すだけで、あとは家電側がセンサーでデータを拾い、自動的に最適解を判断し、結果として日々の生活をラクに、豊かにしてくれる。その判断の間違いのなさが、以前よりも大事な評価ポイントになってきたといえる。

また、長く使い続ける製品だからこそ、メンテナンス性も重要。定期的に人による手入れが必要になるにしても、それをある程度お任せできる自動メンテナンス機能も、製品を選ぶ上で重要な条件になりうる。手間を省くための家電に別の手間がかかっては、意味がないのだ。

エコバックスはこれまで多くの製品を発売してきたが、その製品の中で「OMNI」と付くのは、自動ゴミ収集+モップ洗浄機能のステーションがセットになったモデル。「PLUS」が付くのは、自動ゴミ収集のみのステーション同梱(モップ洗浄機能なし)、新たに登場した「COMBO」と付くのはOMNI相当のステーションにハンディ掃除機まで同梱したモデルである。

本稿で紹介する「DEEBOT T30 PRO OMNI」には、PROが付かない「DEEBOT T30 OMNI」という製品もあり、こちらはオンライン直販専売となっているが、ちょっとした違いがある。具体的には後半でご紹介するが、今回使ってみたのはより高機能なPROモデルのほうだ。

DEEBOT T30 PRO OMNI ロボット掃除機本体

「DEEBOT T30 PRO OMNI」について、最初にご紹介すべきは、全自動クリーニングステーションの大幅な小型化だ。以前のステーションよりも体積比で30%減となっている。

ステーション部分が高機能になるにつれて大型化の傾向もある中、本機の製品写真を見て「機能を絞ったエントリーモデルなのか」と思われた方もあると思うが、このサイズがこれからのスタンダードとなりそうだ。高さが48cmに抑えられているので、棚の下などに収納しやすくなった。ぜひご家庭の棚の高さを測って、入るかどうかご検討いただきたい。

まずは大幅に小型化されたステーションに注目

水拭きができるロボット掃除機が増えている中で、重要なポイントの一つは「掃除した後のモップをどうするか」ということ。本機はステーションに戻った後、モップを70℃の温水で洗浄し、さらに温風乾燥まで行なえる。

モップが濡れたままだとニオイなどが気になりそうだが、使う人が特に操作などすることなく、このコンパクトになったステーションがお任せで乾燥まで終えてくれるため、こうした不安を持たずにすむ。標準洗浄のほか念入り洗浄モードもあり、食べこぼしなどひどい汚れにも対応できる。

安心のモップ洗浄機能

タンクの作りも大きく変わり、前面に浄水、奥側に汚水という配置になった。浄水タンクは半透明で水の残量が把握しやすく、汚水タンクは不透明で汚れた水が見えないよう工夫されている。

タンクは前後に分かれている

もちろん掃除機本体も進化している。物体検知機能の「TrueDetect 3D 3.0」は、障害物の輪郭や奥行き情報を推測し、適切に回避する。マッピング機能のTrueMapping 2.0は、高速に室内状況をマッピングし、最適な走行ルートをプランニングする。

障害物を立体的に把握する「TrueDetect 3D 3.0」

底部の前方2カ所、メインホイール脇に2カ所の計4つ、ビューセンサーを搭載した。段差の有無など、床面の状況を極めて正確に把握する。

底部には4カ所のビューセンサーを内蔵

個人的にもっとも感心した、多くの人に確実にメリットがわかるポイントを2つご紹介したい。1つは、右側のモップが状況に応じて外側に飛び出して、隅々までモップが届くようになったことである。

標準状態
片側がこれぐらい飛び出す

これまでは円形のボディの外側にはモップがあまりはみ出さない設計だったので、どうしても「四角い部屋を丸く掃く」ように、角までのモップがけが難しかった。これが新モデルではかなり解消できる。右側だけ飛び出すのは、掃除機がプログラム的に壁を左回りでなぞるように動くからだ。つまり右側が常に部屋やモノの輪郭に触れるからである。

ボディ幅のぶんを確実に掃除できる
モップが外側へせり出て、隅までモップがけをしているのが動画でも分かる

また、汚れがひどいと掃除機が判断すれば、自動的にモップがけをやり直す「MagiCleanモード」がある。モップがけに関しては、マジなんの心配も要らないというレベルになった。

汚れを検知すると自動的に2回清掃する

もう1つの注目ポイントは、大幅に改良されたメインブラシだ。長髪の家族がいる場合、ロボットが掃除すると必ず髪の毛がメインブラシに絡まっていた。よってこれをカットするための専用カッターまで付属していたものだった。

一方、本機は2つの「櫛歯アレイ構造」で髪の毛がブラシに絡まりにくく、スムーズに吸引できる構造になっている。さらにメインブラシは、帯電防止のV字型ブラシを採用。実際に使ってみても髪の毛が全然絡まないのである。写真撮影時はすでに5〜6回掃除させたあとなのだが、髪の毛の絡まりはゼロ。従来では考えられないことだ。

髪の毛の絡まりゼロってマジ !?

これはエコバックスが独自開発した「ZeroTangleテクノロジー」というもの。少なくとも今回試用した期間内においては、これまで避けられなかった「ロボット掃除機あるある」が着実に葬り去られているのがわかった。

掃除に重要な吸引力はモーターの進化により11,000Paと、前作T20の6,000Paから倍近くアップしている。パワーのあるモーターの恩恵は、もちろん吸引の最大値にあるわけだが、標準吸引でも余裕があるため、従来機よりも静音性が向上している。標準吸引で十分対応できるフローリングの面積が大きい家庭ほど、メリットが大きいはずだ。カーペットに乗ったことをセンシングすると全力での吸引に切り替わる。カーペットの上でゴロゴロできる安心感がある。

清掃モードは細かく調整できるのが強み

加えてカーペットを検出すると、モップを持ち上げて水拭きしないよう、自動的に判断する。持ち上げ幅が9mmなので、それ以上毛足の長いカーペットには対応できないが、カーペットを迂回するように設定できる。まずはモップがけできるところだけ清掃し、カーペット部分だけ指定して、吸引のみの掃除をさせるといった使い方も可能だ。

モップ左が通常清掃位置、右が持ち上げた状態

家と人に合わせてくれる「インテリジェント」な清掃

実際の操作の流れと使用感をお伝えしよう。まず清掃を始める前に部屋のマッピングからスタートするわけだが、これがめちゃめちゃ早くなっている。部屋の隅々まで走行するのではなく、ざっと見て回っただけで部屋の構造をかなり細かく把握する。

従来のロボット掃除機では、自分が走行可能な範囲、つまり床面が露出しているマップを作成しているだけだが、本機では壁の位置も正確に把握して、部屋割りを認識している。部屋ごとの清掃はこのマップがベースになるので、この精度の差はあとあと効いてくる。

床面だけでなく壁面も把握している

掃除の起動だが、オリジナルの音声アシスタント「YIKO(イコ)」が搭載されているので、声がけでスタートできる。ただ、電話中や会議中など、声で指示できないこともあるだろう。そこでご紹介したいのが、「フットタッチコントロール」だ。これはステーション内にいる掃除機本体のバンパーを軽く足で押すだけで、クリーニングをスタートできる。声を出して指示するのが気恥ずかしいという人にも、おすすめしたい。

フットタッチでクリーニングが起動できるようになった

障害物回避については、すでに前作T20から搭載されている「TrueDetect 3D 3.0」がほぼほぼ完成の域にある。掃除させる前に部屋を片付けるみたいなことは不要で、かなり賢く障害物を回避してくれる。ただし細長い紐状のものは見つけられないことがあったので、スマホ充電ケーブルのようなものは机の上に上げておくといいだろう。

一般の清掃パターンだけでなく、清掃履歴や床の材質などを自動的に判断して清掃パターンをAIが組み立てる「インテリジェントホスティング」もユニークな機能だ。特にキッチンでは野菜クズや調味料などが床にこぼれがちなので、2回清掃させる人も多いと思うが、こうしたパターンを学習して自動的に実行してくれるようになる。

AIが清掃パターンを考えてくれる「インテリジェントホスティング」

今はまだ清掃パターンを学習させる必要があるが、ゆくゆくは最初からAIが自分で考えてくれるようになることが期待される。まさにロボット掃除機を使う醍醐味が感じられる機能だ。

そして、ステーション部分はモップの洗浄だけでなく、ロボット掃除機本体が吸引したゴミの自動収集も行なってくれる。公式では「90日間ゴミ捨て不要」としており、ここもいつの間にか人の手間を省いてくれている大事なポイントだ。

長期間ロボット掃除機を使っていると、消耗品をいつ交換すればいいのかも気になるところだ。問題になるほど汚れたり壊れたりすればさすがに気がつくが、これまでは、機能していないことに気がつかず、掃除されてないままにずっと動かしていたということも起こっていた。

一方の本機は、アプリ上で消耗品の交換時期がわかる。部品によって耐久時間が異なるわけだが、いちいち掃除機をひっくり返して確認しなくてもいいというのはありがたい。現在までの使用時間とともにお手入れ方法もアプリから確認できるので、いちいちマニュアルを引っ張り出す必要がない。これらの消耗品はエコバックスの公式サイトで購入できるので、安心だ。

アプリからは消耗品の交換時期がわかる
普段のお手入れ方法もイラスト付きで確認できる

一通り特徴がお分かりいただいたところで、前段でお話ししたPROが付かないオンライン直販専用モデル「DEEBOT T30 OMNI」 との違いを整理しておこう。まず大きく違うのは、ボディカラーは黒が基調となること。そのほか、YIKO音声アシスタントが非搭載、汚れがひどいところを2度掃除する「MagiCleanモード」も搭載しない。価格はPROより1万円安くなる。

部屋との調和などで黒モデルが気になる人や、上記の機能の違いを考慮しても、より予算を抑えたいといった人は、PROの付かないDEEBOT T30 OMNIを選ぶといいかもしれない。

DEEBOT T30 OMNIはブラックカラー

人が何もしなくても「問題なし」を実現する

ロボット掃除機はすでに20年の歴史がある分野であるが、未だ進化は止まっていない。思えば初期のロボット掃除機は、本当に手がかかったものだった。階段から落ちたり、猫のエサ入れをひっくり返して床中に塗り広げたり、スリッパをどこかに無くしたりした。

今回「DEEBOT T30 PRO OMNI」をお借りして、毎回自動で掃除して問題を起こさずにステーションまで無事帰ってくるというのがどれだけ難しいことか、またそれを実現するためにどれだけのテクノロジーが注ぎ込まれてきたかを考えると、なかなかに感慨深いものがある。

留守中に自動で掃除させることを考えれば、問題なく動くことは重要だが、昨今はテレワークと通勤のハイブリッドという働き方も定着し、家にいながら掃除機を動かすという機会も増えたことだろう。このとき、隣の部屋で動作させていても会議に支障が無い程度に静かなところは、わりと評価していいポイントではないだろうか。さすがにステーションに戻ってゴミを吸い出す時には大きな音がするが、10秒ぐらいで終わる。

動作プログラムやアプリのUIも、日本の事情にかなり最適化されているのも感じられる。以前はどことなく欧米の広い家を想定していた部分もあったが、筆者宅のように狭いモノだらけの家でも問題なく清掃が完了できる。しかもモップがけから乾燥まで、使う人は何もすることがない。

手放し運用で問題なし。「DEEBOT T30 PRO OMNI」は、これまで何台もロボット掃除機を乗り換えてきた筆者から見ても、十分おすすめできるモデルだ。

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(提供:エコバックス)