読者投稿

山水電気のスピーカー「SP-LE8T」

「わたしの思い出家電」は、自宅にある、もしくはあった懐かしい家電製品を、それにまつわる思い出とともに紹介する読者投稿コーナーです(編集部)

メーカー・製品名
山水電気のスピーカー「SP-LE8T」

投稿者
愛媛県 木村さん

購入時期
1968年

購入時の金額
35,000円くらい

思い出

私が高校を卒業した昭和41年頃から、オーディオブームが始まっていました。卒業とともに地元で就職した自分は、給料を貰えるようになると、一番先に買ったのがステレオでした。もともとクラシック音楽が好きだった自分は、月払いで買ったのです。レコードは高くて、ボーナス時に買うくらいで毎月は買えませんでした。

2年後に、県庁所在地に転勤になった自分が驚いたのは、家電屋でのオーディオの豊富さでした。田舎とはレベルが全く違って、目から鱗が落ちる思いでした。親しくなった友達もオーディオに凝っており、まるで競争し合うかのようでした。話はもちろん、スピーカーはこのメーカー、アンプはあのメーカー、プレイヤーは……といったオーディオ談義。お互いにステレオを聴き合って、また盛り上がっていました。

電気屋でたまたま聴いたこの山水のスピーカーに、一目惚れ! 格子状の品のあるこのスピーカーに惚れ込んでしまいました。それに透き通るような音にうっとり。すぐに購入を決定、もちろん分割払いで即決でした。これは自慢のオーディオでした。あの頃、薄給な身では破格の値段でしたが、自慢のスピーカーでした。時代と共に、スピーカーも小型になり、BOSEなどへ変わりましたが、やはりクラシックには、この様な大型の木製のガッチリしたスピーカーが、一番しっくりときます。聞いていて飽きが来ないし、疲れないのです。いろいろとスピーカーを試しましたが、最後に残ったのは古いこの山水のスピーカーでした。

あの頃、巷に流れていたサイモンとガーファンクル、フォークソングは、青春そのものでした。今、ハイレゾの時代に変わっても、あの頃聴いた歌を、共に生き抜いた山水のスピーカーで聴くと一気に青春時代に戻れる……そんな思い出を持っている自分は、つくづく幸せだと思います。この山水のスピーカーはまだ現役で、自分を楽しませてくれています。

投稿募集

 「わたしの思い出家電」は、読者の皆様の思い出が詰まった懐かしい家電を募集しております。すでに捨ててしまったものでも、写真が残っていればOKです。AV家電でも構いません。

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