関西電力、家庭向け11.88%、企業向け19.23%の値上げ申請

 関西電力は26日、2013年4月1日からの電気料金値上げを政府に申請した。

 値上げ幅は、一般家庭向けを含む「規制分野」については11.88%、企業向けの「自由化分野」については19.23%となっている。

年間で3,641億円の不足としている規制分野では1,309億円の不足

 一般家庭向けの契約である「従量電灯A」の場合、使用量によって料金は3段階となっている。今回の申請では、第一段階の値上げ幅を抑制し、第二段階、第三段階と使用量が多くなるほど、値上げ幅が大きくなっている。

 これにより、標準的な家庭である300kWhをモデルとした場合、電気料金は現行の6,805円から、599円値上げされ、7,404円となる。この場合の値上げ幅は8.80%の計算となる。

「従量電灯A」については各段階で値上げ幅を調整した電気の使用量が大きい家庭ほど、値上げ幅が大きくなる

 また、夜間の使用料金が安い「はぴeタイム(季節別時間帯別電灯契約)」の契約条件を緩和し、夜間蓄熱式機器を持っていない使用者でも契約可能とする。これにより、夜間の活動が多く、昼間に電気を使用しないユーザーは電気料金を抑えられる可能性がある。

オール電化家庭を対象にしていた深夜割引プランを一般にも開放する電気を使用する時間帯によっては、通常のプランよりも安くなる可能性がある主な契約メニューごとの値上げの影響

 原価計算や契約内容においては、先行して値上げした東京電力の認可時に行なわれた有識者による委員会の意見を取り入れた部分が多い。先行して値上げした東京電力は、10.28%の値上げを申請したが、有識者委員会の意見を取り入れた経済産業省の査定により、最終的には8.47%の値上げが認可された。

 なお、今回の値上げ申請では、原価削減の一貫として人件費にも手が入り、給与水準の引き下げや保養所の全廃なども織り込んでいる。しかし、健康保険料の会社負担割合は56%に削減されるが、東京電力の場合、法定水準の50%と査定されており、再検討される可能性もある。

 また、関西電力特有の事情として、原子力発電所への依存度の高さがある。今回の申請では、大飯原発3号機および4号機に加え、高浜原発3号機および4号機の再稼働を織り込んでおり、再稼働時期が焦点となりそうだ。






(伊達 浩二)

2012年11月26日 17:42