エディオン、業者に従業員の派遣を強要。公取委が排除命令と課徴金約40億円

 公正取引委員会は、家電量販店グループの「エディオン」が、同社と取引関係にある納入業者の従業員を不当に派遣させていたことが独占禁止法に違反しているとして、エディオンに対し、排除措置命令と追徴金約40億円の納付命令を行なった。

 エディオンは全国に家電量販店を展開する企業。中国地方の「デオデオ」を中心に、中部地方には「エイデン」、近畿地方は「ミドリ」、関東地方は「イシマル」を出店している。

 公取委によると、エディオンは2008年9月6日から2010年11月30日までの間、店舗を新規、または改装開店する際に、エディオンよりも取引上の地位が劣る納入業者に対し、従業員の派遣を要請。納入業者は立場上、その要請に応じることを余儀なくされ、商品の搬入出や、エディオンが決めた棚割りに商品を陳列するなど店作りを行なった。この際、エディオンと納入業者との間では派遣についての合意は成されておらず、また派遣に必要な費用も、エディオン側は負担していないという。

 不当に派遣された従業員の人数は、少なくとも延べ11,172人とされる。エディオンでは同期間において、延べ133店舗を新規・改装開店している。

 公取委では上記の行為が、独占禁止法が定める「優越的地位の濫用」に該当するとして、エディオンに対し排除措置命令を出した。排除命令では、今後は同様の行為を行なわないことを確認、取締役会で決議することや、独占禁止法を遵守するための行動指針の改定、役員や従業員への研修、法務担当者による定期的な監査を行なうことを命じている。さらに課徴金として、2012年5月17日までに、40億4,796万円を支払うことも命令している。

 エディオンでは排除命令について「当社の認識と異なるため、今後内容を詳細に検討して対応してまいりますが、命令を受けた事実については、厳粛に受け止め、コンプライアンスの一層の徹底に取り組んでまいります」としている。






(正藤 慶一)

2012年2月17日 00:00