ダイキン、冬のエアコンの節電法を解説

~設定温度は20℃が目安。夏に作った“緑のカーテン”は取り外す

 ダイキン工業は28日、暖房時におけるエアコンの上手な節電方法を解説するページ「あなたのエアコンに、できること。 冬の暖房篇」を、同社ホームページ内で紹介した。

 同社は冬の節電について、「夏と異なる取り組みが必要」としており、外からの冷たい空気を部屋に入れないこと、冷気が床付近に溜まらないようにすることがポイントになると指摘。また、暖房使用時に発生する結露が、カビの発生や建物を傷めることになるとして、節電に加え結露対策も必要とした。

サーキュレーターで足元の冷気をかき混ぜる。夏に作った“緑のカーテン”は取り外す

 冷たい空気を部屋に入れないための具体的な対策としては、サーキュレーターや空気清浄機などで空気をかき混ぜ、冷気が足元に溜まるのを防ぐようにすること、窓や引き戸、ドアなどから入り込むスキマ風をテープで塞ぐこと、昼間の太陽熱を部屋に取り込み、夜間はカーテンや断熱シートで熱が逃げるのを防ぐなどを勧めている。夏に窓の外に作った緑のカーテンやよしずは、そのままにしていると、太陽の熱を阻んでしまうため、取り外すのが良いという。

 また、外気はコンセントや照明スイッチのプレート部分など、普段気づかない場所からも入ってくるという。冷気の侵入口を探すには、市販の赤外線温度計を使えば、冷気が入り込む場所がすぐに分かるという。

設定温度は20℃が目安。風は下向き、電源はOFFにせず連続運転で

 エアコンの賢い使い方としては、ルーバーを下向きにするのが良いとのこと。エアコンから床に向かって出た暖かい空気は、自然と天井に向かって上がっていくため、部屋全体が暖まるという。一方で、風が直接体に当たると体感温度が下がり、寒く感じられるため、部屋の温度が上がった後は、風が直接当たらないような風向きにすると良いという。

 また、「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れる」という使い方は、かえって電気の無駄使いになることを警告。エアコンは寒い部屋の暖める際に多くの電力を消費するが、その温度を維持しているときは比較的少ない電力で済むという。

 設定温度については、環境庁が推奨する20℃を目安とした。設定温度を1℃下げれば約10%の節電になるが、温度設定を控えめにする場合は、寒さを感じやすい首、手首、足首をタートルネックやレッグウォーマーで保温するのがお勧めとしている。厚着ができない場合でも、22℃まで上がれば、ちょうど良い環境になるという。

 設定温度が低めでも、湿度を上げることで、体感温度が上がるとのこと。ただし、湿度が高すぎるとカビや結露の原因となるため、人にも住まいにもちょうど良い40~60%の範囲にバランスを取ると良いという。

結露を防ぐには“換気”が重要

 結露対策としては、水分を含んだ空気を外に追い出すこと、つまり「換気」が重要とした。暖房の効率を下げずに換気を行なうためには、消費電力が少ないトイレや浴室の換気扇を常に回しておくことを勧めている。また、窓を開けて換気をする際には、換気の際に部屋に入った冷気が部屋の下に溜まらないよう、サーキュレーターで空気をかき混ぜるのが良いという。

 また、暖房器具を付けていたリビングは、暖房を切ると部屋の温度が下がるため、結露しやすくなるという。人がいない就寝中などで換気をして水分を追い出すよう勧めている。

 夏と同様の対策としては、フィルターやフィン(熱交換器)の汚れをきれいにする、室外機前のスペースは広くするのも節電に効果があるという。また室外機は雪が苦手のため、豪雪地域では防雪フードや防雪ネットの導入を勧めている。

エアコンは全体暖房、電気ストーブは部分暖房に。ファンヒーターは換気と結露に注意

 暖房器具別の使い分けとしては、エアコンは部屋全体の暖房に、電気ストーブは足元が冷えるキッチンや洗面所など、少しの間だけすぐ暖めたい場合に適しているという。石油・ガスファンヒーターは、部分暖房にも全体暖房にも使えるものの、定期的な空気の入れ替えが必要になったり、結露が発生しやすいなどのデメリットを挙げた。

 このほかの器具では、電気カーペットは設置が簡単で足元を暖める効果、こたつは輻射熱で足やお腹を暖める効果があるが、いずれも体全体は暖められないため、他の暖房器具と合わせて使うことを推奨している。また床暖房は、使い始めはエアコンと同時に運転し、床が暖まった後でエアコンの設定温度を低くすることで、エアコンの電気代が節約できるという。しかし、設置には工事が必要なため、新築やリフォームの際に検討することを勧めている。






(正藤 慶一)

2011年10月28日 16:54