東芝、広配光タイプで“業界最高の明るさ”を実現したLED電球

~最薄部16mmの直付形LEDベースライトも
東芝 LED電球「E-CORE 一般電球形10.6W」

 東芝ライテックは、“業界最高の明るさ”を実現したLED電球や、薄さ16mmの直付形LEDベースライトなどの新製品を発表した。発表会では、同社が11月4日からオープンするプロフェッショナル向け体感型ラボ「CO-LAB(コラボ)」なども公開された。

“業界最高の明るさ”を実現したLED電球

 広配光タイプで“業界最高の明るさ”を実現したLED電球「E-CORE 一般電球形10.6W」は11月15日より発売。電球色の「LDA11AL-G」と、昼白色の「LDA11N-G」の2機種で、希望小売価格はいずれも7,350円。

LED電球「E-CORE 一般電球形10.6W」電球色の「LDA11AL-G」昼白色の「LDA11N-G」

 背面方向まで自然な光を広げるE26口金、白熱電球60W相当のLED電球。新製品では、グローブ部分に同社独自のトリプルアーチ放熱板を採用したことで、放熱性能が向上し、電球色で810lm(ルーメン)、昼白色で1,000lmの明るさを実現している点が最大の特徴。

 LEDは、発光時に電流が流れることによって発熱する。LED自体が高温になると、発光効率が低下して明るさが落ちたり、寿命が短くなる場合があるため、熱を外に逃がす放熱技術が製品のポイントの1つとなる。一般電球形10.6Wでは、従来ヒートシンク部分に設けていた放熱板をグローブ部分に採用。3枚の放熱板を組み合わせた「トリプルアーチ放熱板」により、LED電球内部の温度を大幅に低減でき、電球型を維持しながらも白熱電球60W相当の明るさを実現しているという。

独自のトリプルアーチ放熱板により、“業界最高の明るさ”を実現したというLED電球は熱を逃がす構造を必ず採用している。左はヒートシンク部分に設けた従来製品。右の「E-CORE 一般電球形10.6W」では、放熱板をグローブの中に設けたカットモデル。グローブ内には3枚の放熱板が設けられている

 光の広がり方については、グローブの表面積を大きくし、高い拡散性を維持している。配光角は約260度で、白熱電球や電球形蛍光灯に近い光の広がり方を実現しているという。

 また、LED電球特有の眩しさ感(グレア)にも配慮している。LEDは指向性が高いため、白熱電球などに比べると光がまぶしく感じる傾向がある。新製品では、膨らんだ球形状の「マルチ角散グローブ」により、内面反射と光の取り出し効率を適正化。LED電球特有の眩しさ感を低減して、ソフトな光を実現している。

 本体サイズは、60×119mm(直径×高さ)で、重量は183g。消費電力は10.6W。本体寿命は4万時間。最大光度は電球色が87cd(カンデラ)、昼白色が107cd。

最薄部16mmの直付形LEDベースライト

 天井に直付する一体形LEDベースライトの新製品も発表された。新モデルは、圧迫感を感じにくい薄形構造が特徴で、定格出力タイプの「LEDT-48101W-LDJ」と、高出力タイプの「LEDT-63101W-LDJ」の2機種。希望小売価格は、定格出力タイプの「LEDT-48101W-LDJ」が36,800円、「LEDT-63101W-LDJ」が49,800円。

一体形LEDベースライトの新製品。写真は定格出力タイプの「LEDT-48101W-LDJ」横から見たところ。厚さはわずか45mm設置イメージ。主に施設やオフィス向けの製品となる

 企業や施設向けに開発されたLEDベースライト。独自の放熱技術により器具の高さを約45mm、最薄部16mとした点が特徴。天井に器具を直接取りつける直付タイプながら、圧迫感が少ない照明空間が演出できるとしている。

 器具の種類は、32形 Hf蛍光ランプ2灯相当の器具全長約0.9mタイプと、32形 Hf蛍光ランプ2灯相当の器具全長約1.2mタイプの2機種を用意する。

 さらに、従来の蛍光灯器具の弱点だった連結時の光りの途切れを軽減させている。蛍光灯や従来の一体形LEDベースライトは、連結時にソケットや器具の端板があるため、光源に途切れが生じていた。新製品では、端部分に透過性の素材を採用することで、連結部分の光の途切れを目立たなくしている。また、器具の側面からも発光するLEDモジュール構造にしたことで、天井面にも光が届くようになったという。

独自の放熱技術により最も薄い部分で約16mmの器具高さを実現した端部分に透過性の素材を採用することで、連結部分の光の途切れを目立たなくした

 消費電力は定格出力タイプで48W、で約5~100%の調光機能を内蔵する。

 定格出力タイプの消費電力は48Wで、1Wあたりのエネルギー消費効率は93lm。全光束は5,020lm。色温度は5,000Kで、平均演色評価数はRa70。

 高出力タイプの消費電力は62Wで、1Wあたりのエネルギー消費効率は95.71lm。全光束は6,700lm。色温度は5,000Kで、平均演色評価数はRa70。

プロ向け体感型ラボ「CO-LAB(コラボ)」をオープン

東芝執行役上席常務 東芝コンシューマーエレクトロニクス・ホールディングズ 取締役社長 豊原正恭氏

 東芝執行役上席常務 東芝コンシューマーエレクトロニクス・ホールディングズ 取締役社長 豊原正恭氏は、LED照明分野の今後の方針として「環境価値+人の求めるあかりの価値」を掲げた。

 「今さら説明するまでもないが、LED電球は高い省エネ性を持っている。事実、東日本大震災以降にLED電球の売り上げが伸長している。LED電球のもつ環境価値を大事にしながらも、様々なバリエーションを用意して、1人1人のお客様に満足していただくことが大事」と、語り、2011年度の東芝ライテックLED照明の売上高は500億程度を予想していると明かした。さらに、2015年には現在の約3倍程度となつ1,400~1,500億円を目指すという。

東芝ライテック 取締役社長 福田正巳氏

 東芝ライテック 取締役社長 福田正巳氏は、豊原氏が掲げた「環境価値+人の求めるあかりの価値」から、具体的な取り組みを紹介。同社では、今後、人が感じる明るさを数値で表す「Welna」を推進していくという。

 同社では、これまで水平面の照度に基づいて照明設計を行なっていたが、人間が空間全体から感じる明るさの印象は水平面照度では適切に評価できないという。

 たとえば同等の明るさを備えたダウンライトを室内中央に4つ設置した場合と、室内の四隅に設置した場合では、床面の平均照度は中央に4つ設置した場合の方が上回る。しかし、人間の目で見比べた場合、部屋の四隅に設置した場合の方が明るく感じることがある。人が感じる明るさを数値で表す「Welna」では、壁に反射した間接光のみを評価し、明るさ感を定量的に表すことができるという。

 福田氏は、「新たな明るさの指標として今後活用していきたい」と語った。

床面の平均照度は中央に4つ設置した場合の方が上回る。しかし、人間の目で見比べた場合、部屋の四隅に設置した場合の方が明るく感じるが、水平面照度で中央に4つ設置した場合の方が上回る「Welna」では、壁に反射した間接光のみを評価し、明るさ感を定量的に表すという「Welna」で、評価すると、4隅にライトを設置した部屋の方が照度が高い
プロフェッショナル向け体感型ラボ「CO-LAB(コラボ)」を東京都港区 虎ノ門ツインビルディング1階にオープンする。オープンは11月4日

 また、プロフェッショナル向けの製品提供サービスを強化。様々なLED照明を組み合わせてコーディネートできる仕組みを設け、さらにそれらを分かりやすく提案するためタブレット端末を使用するという。

 実際の明るさや器具を間近で見られる場所として、プロフェッショナル向け体感型ラボ「CO-LAB(コラボ)」を東京都港区 虎ノ門ツインビルディング1階にオープンする。

 CO-LABは11月4日オープンで、10:00~18:00まで。土日・祝日は定休日となる。館内では、天井の高さや床や壁の材質などを自由に変更して、明るさを体感できるラボスペースと、東芝のLED照明製品が展示されているショールームからなる。館内の様子は以下の写真の通り。

天井の高さなどを変えて、明るさの印象を「実験」するラボスペース様々な照明器具が揃う床材や壁面の素材によっても明かりの印象は異なるので、様々な種類を備える
ショールームスペースには、東芝が展開する全てのLED電球が揃う色温度の違いを分かりやすく展示するコーナー発売したばかりのLEDシーリングライト「LEDH95004YX-LC」も展示されていた
「LEDH95004YX-LC」のリモコン昼光色、電球色のLEDに加え、光の3原色(RGB)となる赤、緑、青のLEDを追加したシーリングライトで、様々な色をリモコン1つで楽しめる。写真はグリーン癒し効果のあるブルー




(阿部 夏子)

2011年10月27日 18:10