昭和シェル、臭いの少ない石油ファンヒーター専用灯油

~天然ガスを液化。Amazon.co.jpでも販売
「Shell heat clean」

 昭和シェルは、これまで同社が販売してきた天然ガス由来の石油ファンヒーター専用の灯油について、11月1日より販売を強化することを発表。名称を、従来の「Shellエコ灯油」から「Shell heat clean(シェル ヒートクリーン)」に一新する。直販サイトでの販売価格は、18L缶あたり配送料、税込みで4,200円。

 Shell heat cleanは、天然ガスを原料のベースとした、石油ファンヒーター専用の灯油。天然ガスを気体の状態から液体に変える「GTL(Gas To Liquids/ガス・トゥー・リキッズ)」という技術によって製造されるため、一般にはGTL灯油と呼ばれている。

Shell heat cleanは、石油ファンヒーター専用の灯油GTLとは、天然ガスに合成反応を加えて液体燃料などを製造する技術

 Shell heat cleanの最大の特徴は、石油由来の灯油に比べて臭いが少ない点。非石油起源のため、臭いの素となる硫黄分や芳香族分などをほとんど含まず、室内での保管の際や、ヒーターで燃やした際にも、臭いがしにくいという。

 また、燃焼しやすい点も特徴。燃えやすさの指標である「煙点」の値では、Shell heat cleanは一般灯油の1.5倍以上の値を示し、煙や臭いが出にくく、クリーンに燃焼するという。さらに、手に付着してもベタつきにくい、酸化しにくいなどの特徴も備える。

 今回名称をShell heat cleanに変更したのは、“heat”で灯油の暖かさを、“clean”でクリーンな快適さを表すことで、よりダイレクトに製品の長所が伝わるようにしたいという狙いがある。なお、GTL灯油の成分など中身の変更はないという。

Shell heat cleanには、臭いが少ない、ベタつきにくい、クリーンに燃焼するなどのメリットがある一般灯油に比べて酸化しにくい“heat”で灯油の暖かさを、“clean”でクリーンな快適さを表している
昭和シェル石油 新規事業推進部長北村奈美氏

 昭和シェル石油の新規事業推進部長北村奈美氏は、Shell heat cleanについて「ユーザーからは、臭いがあまりしないので、食事の支度中や食事中でも使えるのが嬉しいなど、ご好評をいただいている。寒い季節には、ファンヒーターを補助暖房として、エアコンと併用して使っている方も多いようなので、においに敏感な層に訴求していきたい」と話した。また、一般的な灯油に比べて価格が高いのではないかという問いには、「ユーザーの使用状況や、使用時間にもよる。一概に高いとは言い切れないのでは」と答えた。

ユーザーアンケートからは、「臭いがあまりしないので、食事の支度中や食事中でも使えるのが嬉しい」などの声があったという都市部に住む若いファミリー層や、臭いに敏感な人などをユーザーとして想定している

販路および販売エリアも拡大

 名称のリニューアルにともない、販路および販売エリアも拡大する。取り扱い店舗は、これまで首都圏や近畿地方の昭和シェル系列のサービスステーション119店舗だったところを、全国37都道府県の約400店舗へと拡大する。うち100店舗では、店頭で購入を申し込むと、後日自宅に届ける宅配サービスも開始する。

 インターネット上の販路も広げる。昨年から直販サイトでの宅配販売を受け付けているほか、今回新たに大手通販サイトAmazon.co.jpでも販売を始める。

サービスステーションの店頭のほか、インターネットによる宅配サービスにも取り組んでいる今回新たに大手通販サイトAmazon.co.jpでも販売を始める

 昭和シェル石油 常務執行役員 濱元節氏は、「GTL灯油の販売と生産を強化することで、1人でも多くの方に、快適な暖かさを家庭にお届けしたい」と話す。同社では、1973年からGTLの技術開発に取り組み、現在マレーシアのビンツルの工場で1日14,700LのGTL灯油を生産している。2011年はカタールに、これまでの生産規模の10倍となる工場を建設した。

昭和シェル石油 常務執行役員 濱元節氏2011年はカタールに、これまでの生産規模の10倍となる工場を始動させた

会場では、実際に臭いを比較。従来の灯油に比べれば、全然臭くない

 発表会場では、実際に従来の灯油を使用した石油ファンヒーターと、Shell heat cleanを使用した石油ファンヒーターの実演があった。従来の灯油を使用した石油ファンヒーターでは、点火後しばらくは独特の鼻につく臭いが漂ったが、Shell heat cleanのほうはろうそくの明かりを灯したときのようなほのかな臭いで、青白い炎だった。

左がShell heat cleanを使用した石油ファンヒーター、右が従来の灯油を使用した石油ファンヒーター。Shell heat cleanのほうは点火時に少し臭いがしたが、すぐに気にならなくなった。なお、Shell heat cleanは臭いが少なくても、換気の必要があるのは普通の灯油と一緒なので、注意したい従来の石油ファンヒーターよりも、炎が青白いのも特徴だ

 

4つの販売促進キャンペーンも実施する

 販売促進キャンペーンも行なう。まず、石油ファンヒーターメーカーのダイニチ工業とタイアップして、東京近郊のヤマダ電機、コジマ、ケーズデンキ約280店舗において、ダイニチ工業のファンヒーターを買った人の中から抽選で300名様にShell heat cleanの18L缶をプレゼントする。期間は11月1日から12月20日の間。

 また、同社のサービスステーションでShell heat cleanを購入する際に、ローソンやGEOなどで使える共通ポイントカード「Ponta」を掲示すれば、11月1日から12月31日までの期間中ポイントが2倍付与される。さらにShell heat cleanを累計2000円以上購入すると、ボーナスポイント200ポイントが追加される。

 ほかに、昭和シェル石油のクレジットカード「シェル スターレックスカード」会員には、12月1日から12月31日までの間に、Shell heat cleanの18L缶を2缶以上購入すると、Shell heat cleanの4L缶をプレゼントする。

 さらに直販サイトで11月中にShell heat cleanの18L缶を2缶以上購入した人には、オリジナルの「あったかグッズ」をプレゼントする特典を設ける。詳細は、Shell heat cleanのサイトをご確認いただきたい。





(小林 樹)

2011年10月21日 00:00