ハイアール、三洋電機の洗濯機・冷蔵庫事業買収
ハイアールは、三洋電機の日本に置ける洗濯機、家庭用冷蔵庫事業、およびインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムの4カ国に置ける家電販売事業を買収したことを発表した。両社は同買収について、7月に基本合意、今回最終合意に達した。
今回の買収により、家庭用・業務用の洗濯機を開発/製造/販売している「三洋アクア株式会社」、家庭用冷蔵庫の設計/販売を行なっている「ハイアール三洋エレクトリック株式会社」、東南アジアにおいて洗濯機・家庭用冷蔵庫などの製造/販売などを行なっている「三洋 HAアセアン有限会社」、「三洋インドネシア株式会社」、「三洋フィリピン株式会社」、「三洋セールス・アンド・サービス株式会社」の各会社の株式が三洋電機からハイアールに譲渡されるほか、三洋電機が保有しているハイアール関連会社の株も全て譲渡される。
買収に伴い、三洋電機が保持する家庭用冷蔵庫及び、家庭用・業務用洗濯機に関する特許・意匠と登録商標などもハイアールに譲渡される。また、日本国内で関連事業に従事している三洋グループの社員約340名がハイアールに転籍するという。
インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムの4カ国においては、今後ハイアールが販売する冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの家庭用電化製品について一定期間「SANYO」ブランドを使用することについて双方で合意しているという。
ハイアールの杜鏡国(と・きょうこく)バイスプレジデントは、今回の買収について「東南アジアで販売ならびにマーケティングを現地化するには、絶好の機会」とし、「東南アジア市場では『Haier』と『SANYO』で、日本では『Haier』と『AQUA』のダブルブランド戦略を展開」するとしている。
三洋電機の社員を受け入れることに関しては、「今回の事業取得の成功の鍵は、投資金額でもなく、また単に取得した資源でもなく、それは企業文化と経営哲学の統合にかかっていると思います。そして最も重要なものは人材であります。この度の買収で約3,100名の三洋社員の皆さまをハイアールにお迎えすることになります。当社は現地の文化を尊重し、社員の待遇は過去彼らが得ていたレベルから低下することがないように努力していきます」とコメントしている。
(阿部 夏子)
2011年10月18日 18:13