パナソニック、乾燥工程にも“エコナビ”搭載のドラム式洗濯乾燥機

NA-VX7000

 パナソニックは、独自のエコヒートポンプエンジンを搭載したドラム式洗濯乾燥機「NA-VX7000」を10月30日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万円前後。右開きと左開きがそれぞれ用意される。

 洗濯容量9kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機。NA-VX7000は、乾燥工程での省エネ性を高めるために、新開発の「エコヒートポンプエンジン」を搭載したのが最大の特徴。

 エコヒートポンプエンジンは、薄型熱交換器、高効率コンプレッサー、乾燥フィルターなどを一体化したヒートポンプユニットと、従来より約40%短くなった循環風路から成る。ヒートポンプユニットは、従来本体背面の下側に配置していたが、熱交換器の高さを抑えることで、新製品ではドラムの上部に配置。これにより、風路を短くすることができ、乾燥時の風路抵抗が少なくなったことで循環風量が多くなり、従来より効率的に衣類を乾かすことができるようになったという。

製品本体カットモデル、前面カットモデル、側面

 また、風量が多くなったことで、衣類のシワを抑えて仕上げることができるという。NA-VX7000では、この特徴を活かした「ジェット乾燥コース」を新たに搭載。ドラム槽の前後に備えた風の吹き出し口から、種類の異なる2種類の風を切り替えて送り込むことで、シワを抑えた仕上がりになるとしている。具体的な工程としては、前半に大風量の風を後方より出して、ムラなく乾燥させ、後半は前方より高速の風を当てて衣類をほぐしながら乾燥させ、シワを抑制するという。

新開発のエコヒートポンプエンジン搭載により、風量が増え効率的に衣類乾燥ができるようになったというドラム槽の背面と前面の風を切り替えて送風することで衣類のシワを軽減させるジェット乾燥コースを搭載ジェット乾燥コースで乾燥させたシャツ(左)と、標準乾燥コースで乾燥させたシャツ(右)の比較

 また、従来は洗浄工程のみに搭載していたエコナビ機能を乾燥工程にも新たに搭載した。エコナビとは、センサーで布量、泥汚れ、汗汚れを検知し、洗濯時間/水量/消費電力を自動で制御し、無駄を防ぐという機能。従来は洗浄工程でのみ搭載していたが、NA-VX7000では新たに乾燥センサーを搭載。乾燥工程中にドラム槽内を循環する温度変化を検知することで、布量や布質による乾き方を見分け、コンプレッサーの回転数を自動で最適に制御する。これにより、最大で約10%消費電力を削減できるという。

従来は洗濯工程のみに搭載していたエコナビ機能を乾燥工程にも搭載乾燥工程中の温度変化を検知することで、布量や布質を判定する洗濯工程の布量や汚れの種類を検知するセンサー
乾燥工程にもエコナビを搭載したことで、6kg洗濯乾燥時の消費電力と時間が軽減された。写真は乾燥工程のエコナビが搭載された今年モデル昨年モデル

 洗浄機能では、洗浄液を素早く衣類に浸透させるため、ドラム槽の内部7カ所から強力水流を放出する「全方位シャワー」機能を新たに採用した。全方位シャワーは、ドラム槽内部に、15度づつ角度をずらした7カ所の水の放出口を設け、毎分20Lの洗浄液を噴出するというもの。これにより、洗浄液の衣類への浸透スピードは従来の約1.5倍となり、洗い工程の時間も従来の17分から、3分短い14分とした。また、ドラム槽内部には、こすり洗いの効果を高める突起のあるクロスカット構造を採用している。


7カ所から水流が出ている様子
7カ所から水流を噴射する全方位シャワー従来は2カ所からシャワーを噴射していたが、7カ所にしたことで洗剤液の衣類への浸透スピードが約1.5倍になったという

 従来機種からは、ドラム槽の黒カビ抑制効果、衣類の除菌・消臭効果がある「ナノイー」イオン放出機能、ドラムの回転数を減らすことで傷みやすい衣類に対応する「上質おうちクリーニングコース」などを継承する。

 本体サイズは639×716×1,021mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は80kg。本体カラーはクリスタルホワイト、ノーブルシャンパン。

 下位機種としてジェット乾燥機能、ナノイー放出機能などを省略した「NA-VX5000」と、エコナビ機能などを省略した「NA-VX3000」を同時発売する。価格はオープンプライス。NA-VX5000の店頭予想価格は26万円前後、NA-VX3000は23万円前後。いずれも左開き、右開きが用意される。





(阿部 夏子)

2010年10月4日 17:11