世界の生活家電需要は中国とアメリカが牽引――JEMAの調査


 JEMA(日本電機工業会)は、2002年から2008年までの期間における、生活家電の世界需要調査の概要を発表。2008年では、中国とアメリカがほとんどの製品ジャンルで上位を占める結果となった。

 同調査は、2002年から2008年の期間中、日本を含む世界62カ国における、エアコン/冷蔵庫/洗濯機/掃除機/電子レンジ/炊飯器/電気かみそり(シェーバー)という7製品の需要推移を調査したもの。この結果、2008年は、中国がエアコン/冷蔵庫/洗濯機/炊飯器の4部門で需要台数1位となった。特に炊飯器(世界全体の構成比で51.5%。以下同じ)、エアコン(35.8%)、洗濯機(25.4%)は、2位に10ポイント以上も差を付ける結果となった。

 また、1位にならなかった電子レンジ、電気かみそりでも、それぞれ2位(11.3%)、3位(12%)と高い割合となった。ただし、掃除機についてはベスト5に入っていない。

生活家電7品目における、国、地域別の需要台数ランキング。緑色はBRICsの国。台数の単位は千台

 中国に次ぐのがアメリカで、掃除機(31.9%)、電子レンジ(20.4%)、電気かみそり(18.3%)の3部門で1位。アメリカはエアコン(15.4%)、冷蔵庫(11.5%)、洗濯機(11%)でも2位と、炊飯器を除くすべてのカテゴリで高い数字を記録している。

 中国以外のBRICs(成長著しいブラジル/ロシア/インド/中国の4カ国を示す経済用語)の国々では、ロシアが洗濯機で3位(4.8%)、掃除機で5位(5%)、電子レンジで3位(7.9%)と、3部門でランクイン。インドはエアコン(4位/3.1%)と冷蔵庫(4位/6.2%)、ブラジルが冷蔵庫(3位/6.2%)で数字を伸ばしている。インドは、2002年の調査ではどの製品も5位以内に入っていないため、6年で需要が大幅に上昇したことになる。

 日本は全部門で5位以内に入っており、エアコン、炊飯器、電気かみそりでは構成比が10%以上となっている。

 世界全体の品種別需要を見ると、世界金融危機の影響により、エアコン/冷蔵庫/電子レンジ/電気かみそりでは対前年比で減少となっている。ただし、洗濯機/掃除機/炊飯器については、新興国による需要の拡大により微増となっている。

 この調査は、A4・128ページの報告書として、JEMAより販売されている。価格はJEMA会員が5,000円、JEMA非会員が10,000円。




(正藤 慶一)

2010年3月24日 18:09