パナソニック電工、センサー一体化で“業界最小”のLEDダウンライトなど



 パナソニック電工は、住宅/店舗/ビル用のLED照明「EVERLEDS(エバーレッズ)」330品番を、今春より発売。8日に行なわれた発表会では、住宅用照明として、センサーと照明を一体化した“業界初”のダウンライト「LED FreePa(フリーパ) ダウンライト」と、LEDパッケージ1粒で白熱灯60形相当の明るさを持つダウンライト「LEDダウンライト(Home Archi ホームアーキ)」の2製品が公開された。

“業界初”センサーを照明に埋め込み、小型化を実現した「フリーパ」

「LED FreePa ダウンライト」。写真中央の丸い部分がセンサー部分
 「LED FreePa ダウンライト(以下、フリーパ)」は、白熱灯60形相当の明るさを持つ高気密SGI型のLEDダウンライト。発売日は7月21日で、希望小売価格は屋内用が39,375円、屋外用が43,050円。光色は電球色/昼白色タイプが用意される。

 フリーパは、センサーとLEDを一体化し、本体サイズを小型化した点が特徴。従来モデルでは、光源とセンサーを別々に配置していたため小型化が困難だったが、本製品では4つのLEDの中央部に設置することで、埋め込み穴の直径を150mmから100mmへ小型化。表面積も半分になった。

 また人感センサーのはたらきにより、人が居ない場合や消し忘れの際には、自動で消灯。白熱灯のダウンライトを使用した場合の電気代を比べると、1日約10時間の使用で、年間約3,500円の節約になるという。センサーのないLEDと比べても、年間で約490円安くなるという。

 使用シーンは、洗面所や玄関、玄関の軒下など。防犯用にフラッシュライト機能も備えている。付属のリモコンを使えば、点灯時間やフラッシュライトの反応時間の設定、人感センサーから明るさセンサーへの切り換えなどの操作もできる。

 消費電力は7.4W、寿命は4万時間。本体カラーはホワイトとプラチナメタリック。

人が近づいているのを検知すると点灯し、居なくなると消灯する従来モデルのセンサーライト。光源とセンサーを個別に配置する必要があるため、サイズはやや大きめフリーパでは、LEDとセンサーを一体化。面積では約1/2、直径では50mm小型化した

白熱灯モデルと比べると、電気代は年間で約3,500円の節約になるというリモコンを使えば、人の検知パターンなどのモード設定が可能になる

チップ1粒のLEDで60形相当、業界最小サイズのLEDダウンライト

「LEDダウンライト (Home Archi ホームアーキ)」。LEDパッケージは1つだけだが、明るさは白熱灯60形と同じという

 「LEDダウンライト (Home Archi ホームアーキ)」は、白熱灯60形相当の明るさを備えた高気密SGI形のダウンライト。発売日は4月21日で、価格は調光機能なしの一般タイプが29,190円、調光タイプが32,550円。

 本製品では、従来モデルでは6粒あったLEDパッケージを1つだけにすることで、埋め込み穴の直径を100mmから85mmと“業界最小”サイズにした点が特徴。同社では、“粒感”のない美しいデザインにより、すっきりと空間に同化できるという。なお明るさは、従来に引き続き白熱灯60形相当となっている。

 また、LED特有のグレア(不快感を伴うまぶしさ)を押さえるため、反射板を最適な角度とされる30℃に設定。これにより、さまざまなインテリアプランに対応できるとしている。

 消費電力は6.9W、寿命は4万時間。本体カラーはホワイトとシルバーメタリック。光を拡散する「拡散タイプ」、テーブル面などを照らす「集光タイプ」、壁面を広範囲に照射する「ウォールウォッシャタイプ」の3タイプが用意される。

消灯時。LEDパッケージは1つだけこちらは従来モデルのLEDダウンライト。LEDパッケージは6粒あった埋め込み穴の直径は“業界最小”という85mmとなった

LEDの欠点とされるグレアも抑える設計にフリーパなどほかの照明器具と合わせて、“家一軒まるごとLED”の提案もできるという

 このほか、店舗用の「LEDスポットライト」、オフィスの天井照明に使用する「LEDベースライト ストレートタイプ」も披露された。

店舗で使用されるスポットライト。従来モデルよりも小型で、かつ明るさもアップしているという天井直付けタイプの「LEDベースライト ストレートタイプ」。蛍光灯と同じ明るさで高い省エネ性能が特徴ベースライトの明かりを消したところ。5×5のマスの中にLEDパッケージが1つずつ収納されている


LEDの性能向上にはチップ・器具の両方の技術が重要


パナソニック電工 常務取締役 照明事業本部 本部長 松蔭邦彰氏
 発表会で登壇したパナソニック電工 常務取締役 照明事業本部 本部長 松蔭邦彰氏は、2009年度の照明事業について、当初の予想の90億円を超える、100億円の売り上げがあると好調さをアピール。続けて、今後の事業展開については「照明トップメーカーとして培ってきた技術を活かし、さらなる発展を国内のみならず、グローバルで展開をしていきたい」と、国内だけでなく、海外展開も目指していることを明らかにした。2015年までに、国内外含めて販売金額1,000億円以上を狙うという。


 松蔭氏はさらに、LEDの性能を高めるにはチップと器具という2つの要素が重要と指摘。「LEDはチップそのものの効率アップは欠かせないが、そのほかにも、チップを点灯するための“回路技術”、そこで発生する熱をいかに外に出すかという“放熱技術”、パッケージから出る光をいかに効率よく取り出せるかという“光の取り出し技術”という、器具側の問題もある」と解説したうえで、今回発売する新製品については「(チップと器具の)2つのドッキングで、最高の効率を達成している」と自信を見せた。

2015年までには、海外を含めて売り上げ1,000億円以上を狙っている鳩山首相がパナソニックを訪れた際、LED照明に触れ「地球全体の希望を感じた」とコメントしたというパナソニック電工は、東京スカイツリーのライトアップ照明も請け負う。松蔭氏は「LEDもパナソニック、あかりナンバーワンへ!」とポーズを決めアピール



(正藤 慶一)

2010年3月9日 00:00