パナソニック、水素入りの水を飲んでパーキンソン病の予防/治療に効果と発表



 パナソニック電工と九州大学大学院薬学研究院は、水素を含んだ水をあらかじめ飲用することで、パーキンソン病などの脳神経疾患の予防と治療に有用な可能性があると発表した。

 同社が行なった検証によれば、水素を含んだ水を飲用することで、パーキンソン病に見られる脳の神経細胞の脱落を抑制できたという。しかも、水素の濃度が0.08ppmと低い水でも、抑制効果が見られたとしている。

 検証内容は、マウスに1週間ほど水素を含んだ水を飲ませ、その後神経細胞を脱落させる薬を投与、引き続き水を飲ませ続け、薬の投与後1日または2日後にマウスの細胞を調べるというもの。この結果、純水を飲んだマウスは神経細胞が減少していたが、水素濃度0.08ppm以上の水を飲んだマウスでは、細胞の減少が抑えられたという。

 また、神経細胞の脱落の原因となる、活性酸素によるDNAの酸化損傷を抑制することも確認されたという。これらの検証結果は、アメリカのオンライン科学誌「PLoS ONE」に、9月30日付け(太平洋標準時)に掲載される。

 パナソニックでは、水道水を電気分解しアルカリイオン水を生成する整水器や浄水器を販売しているが、電気分解時には水素も生成されるため、電気分解後の水(電解アルカリ水)には水素が含まれるという。また、今後も電気分解で生成した電解アルカリ水に含まれる水素の抗酸化作用を検証し、学科で発表していくという。

 パーキンソン病は、中脳の神経が脱落することで起こる脳神経疾患。動きが鈍くなったり、手足が震えたりなどの症状を伴う。



(正藤 慶一)

2009年9月30日 00:00