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EVにためた電気を効率よく売電も、V2GとV2H実証実験
2025年11月11日 08:05
MCリテールエナジー、ニチコン、三菱自動車工業、英エネルギーソフトウェア企業のKaluza(カルーザ)、Kaluza Japanの5社は、日本初となる電気自動車(EV)を用いた家庭向けV2G/V2H実証を11月に開始した。実証期間は2025年11月〜2026年3月。
V2GはVehicle to Grid、V2HはVehicle to Homeの略。V2GはEVから電力系統に対して電気を放電すること、V2HはEVから家の需要に対して電気を放電することを意味する。
本実証では、事業者間のシステム連携によりEVのバッテリー充電量情報や充放電制御指示をリアルタイムで連携する仕組みを構築し、さらにMCリテールエナジーがその仕組みを活用した市場連動型の電気料金プランを開発。
東京都の「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化⽀援事業」の一環として、家庭におけるEVの充放電の最適化による電力系統の安定化への貢献、およびEVオーナーへの新たな価値創造を目的としている。
通常のV2Hは、太陽光発電でEVにためた電気を家庭用の電力としても使えるものだが、今回のV2Gの取り組みでは、Kaluzaがニチコンを通じて充放電器へ指示し、MCリテールエナジーが電力供給と買い取りも実施するもの。
EVオーナーは自宅で車両にV2G/V2H充放電器を接続し、事前にスマートフォン専用アプリで希望充電完了時間と目標バッテリー充電量を設定。自動で設定条件を満たしながら経済的に最適な充放電制御が行なえる。これにより市場連動プランを通じて、電気の買い取りによる経済的な還元を受けられるという。
実証の対象者は、東京電力パワーグリッド管内において、ニチコンのV2G/V2H充放電器の設置およびMCリテールエナジーの提供する市場連動プランに加入した一般家庭のEV保有者。
本実証プロジェクト全体の取りまとめを行なう三菱商事とともに、5社は本実証を通じて得た知見を活かし、EVオーナーの顧客体験のさらなる向上を図りながら、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献するとしている。


