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ココロやカラダの状態が分かる、センサー内蔵の眼鏡「JINS MEME」を11月5日に発売
(2015/10/14 18:24)
ジェイアイエヌは、11月5日からセンシング・アイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を2モデル発売する。価格は、カジュアルなウエリントンタイプ「JINS MEME ES」が39,000円、スポーツサングラスタイプ「JINS MEME MT」が19,000円(いずれも税抜)。2,000円(税抜)をプラスすることで、「MEME ES」は度付きレンズ、「MEME MT」はクリアレンズに変更可能。
センサー内蔵の眼鏡で、眼球や身体の動きを計測し、スマートフォンで確認するウェアラブル機器。「MEME ES」は、瞬きや視線移動を検出する3点式眼電位センサーと、6軸センサー(加速度/ジャイロセンサー)を内蔵する。「MEME MT」には、眼電位センサーが非搭載。
スマートフォンに「JINS MEME App」などのアプリをダウンロードし、MEMEとBluetooth接続することで、体の眼球や頭の動きを元に、体全体の状況をリアルタイムに把握できる。
ウエリントンタイプの「JINS MEME ES」は、3点式眼電位センサーと、各3軸の加速度およびジャイロ(角速度)センサーを搭載。材質は、フレームとレンズともにプラスチックで、重さは約36g。約2時間の充電での連続使用時間は、最長12時間〜24時間。
スポーツサングラスタイプ「JINS MEME MT」は、眼電位センサーを除いた加速度/ジャイロセンサーを搭載。材質は「MEME ES」同様にプラスチックで、重さは約45g。充電時間と連続使用時間は同じ。
様々なアプリで、健康管理からスポーツ向上にまで役立てられる
スマートフォンとは、Bluetoothで接続。専用アプリをインストールすることで、身体だけでなく、どれだけ集中しているか、リラックスしているかなど心の状態まで把握できるという。
発売開始時に配布されるアプリは、ライフログアプリ「JINS MEME App」、ランニング用アプリ「JINS MEME RUN」、ドライバー向けアプリ「JINS MEME DRIVE」の3つ。
ココロとカラダの状況をリアルタイムに可視化する
専用のライフログアプリ「JINS MEME App」と連携することで、心と身体の状態やバランスを測定。東北大学の川島隆太教授の監修に下で開発された「アタマ年齢」と「カラダ年齢」として表現する。
東北大学の川島隆太教授は次のように言う。「様々なライフログのアプリやサービスがあるが、ほとんど目で見ることに特化している。それに対してJINS MEMEはソリューションまで提供。今の自分がどういう状況なのかを把握し、次のステップでより良い自分になるためにどうしたらいいのかまで導いていく。ヘルスケアのプラットフォームとも言える」
居眠り運転による事故を減らしていく
居眠りに起因する国内の交通事故損失額は年間約2兆円。その居眠り運転を抑止するのが「JINS MEME DRIVE」。人が眠気を感じるようなシーンでは、まばたきの頻度や強さが変化することに着目したアプリだという。
これは眼電位センサー検出する、まばたきや眼球の動きを利用したもの。JINS独自に開発した眠気推定アルゴリズムにより、ドライバーの眠気を3段階で判定。眠そうなドライバーには注意を促してくれるという。
なお当アプリは、運送会社である鴻池運輸にて、実証実験がされている。同社によれば、手応えのあるデータを収集できているという。
ランニング中の自分のフォームを可視化する
ランニングフォームの可視化を実現したというのが「JINS MEME RUN」。
同社によれば、ランニングにおいて大切なのは、効率良く走ること。身体全体を使って地面を蹴り、前方に進むのが「走る」ということだが、悪いフォームでは必要以上に体力を消耗する。そして、効率の良い走りができているランナーは、身体の中心軸である体軸をブラさず、安定的なフォームを身に着けているという。
そして、この体軸の安定性を反映するのが頭の動きだという。「JINS MEME」は、6軸センサーによって、頭部の微細な動きをセンシング。専用アプリ「JINS MEME RUN」が、そのデータを活用して、フォームの可視化を実現している。
アプリの共同開発者、慶応義塾大学のスポーツ医学研究センター 橋本健史准教授は、「現在、様々なランニングアプリがあるが、多くはカロリーや距離など、量的な記録をするのがほとんど。一方、JINS MEME RUNでは、フォームに着目して走りの質の改善に繋げられること」だと語った。
また、同アプリの有効性について、プロアスリートの為末大さんがコメント。
「スポーツはなんでもそうなんですけど、身体の中心がどこにあるのかが一番重要。スポーツ、特に短距離では、ビデオが登場したことで飛躍的に発展しました。自分の身体を可視化できたからです。JINS MEME RUNは、ランニング時の頭の動きを可視化ので、パフォーマンスが上がる可能性は大きいと思います」
なお、フィットネス関連では、体幹を鍛えるためのトレーニング・メソッドを提供するアプリ「JINS MEME CORE TRAING」を開発中。同アプリの開発では、前述の慶応大学の橋本准教授をはじめ、同大のアスレチックトレーナーである木畑実麻氏、パーソナルトレーナーの木場克己氏などが監修。2016年1月のリリースを予定している。
様々な企業と協業することでJINS MEMEプラットフォームは発展していく
発表会では、ジェイアイエヌ代表取締役である田中仁氏が登壇。JINS MEMEは、大学などの機関と共同研究していることが1つの強みであるとする。また、既にデンソーやオムロンとコラボレーションしているが、今後も様々な企業と協業していきたいと語った。
さらにJINS MEMEの可能性については次のように語る。
「JINS MEMEは研究すればするほど、可能性が広がっていくことが分かっています。昨年の発表以降、当時は予想していなかったような可能性が今までに次々と発見されていて、本当に驚いています」
そうしたことを踏まえ、JINS MEMEの1つのゴールは、先制医療にあると考えているという。そして将来的には、同社が先制医療のキープレイヤーになることを目指す。
「JINS MEMEのセンシング機能を徹底的に小型化することで、5年後には全てのJINS製の眼鏡に標準搭載されている世界を出来たらいいなと考えています」(田中氏)