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ベッドからトイレまでの移動を支援する介護ロボット
(2014/9/24 16:46)
パナソニックは、高齢者の起立と歩行を支援する「自立支援型起立歩行アシストロボット」と、高齢者の動作状況を検知する「みまもりシステム」の2製品について、開発発表を行なった。発売は2016年度を予定しており、価格や販路については現時点で未定。
高齢者の急激な増加に伴う「ロボット介護機器」の政策展開などを念頭に開発された製品。パナソニックとして、介護ロボットを展開するのは今回が初めてとなり、今後はパナソニックの技術やサービスなど既存の事業領域を活かしながら、積極的に展開していくという。
今回発表した2製品は、いずれもサービス付高齢者住宅や老人ホーム、介護施設向けに開発されたもので、介護者、被介護者ともに負担が少なくなるような工夫を施している。
「自立支援型起立歩行アシストロボット」は、高齢者がベッドから起きて、トイレに行って戻るまでの一連の動きをアシストする。残っている体力機能を維持できるような、リハビリ的なアシストができる点が特徴で、電動アシスト自転車の原理と同様、使用者が力をかけた分だけアシストする。本体には、6軸のセンサーが搭載されており、使用者の意思や状態を推定し、起立や着席をアシストする。
なお、現時点では施設向けの製品として開発を進めているため、使用者のほかに介護者が必要だが、今後在宅向けなどニーズがあれば1人で操作できるような製品の開発も進めていくという。
「みまもりシステム」は、ベッドの下に取り付けた電波センサーで使用者の呼吸や体動をセンシングし、離れた場所にある介護ステーションなどで体調や離床を確認できるというもの。認知症などの徘徊を事前に検知できるなど「先取り介護」が実現できるほか、施設の巡回の人手不足などの問題が解消できるという。
サービス付高齢者住宅を2018年に100棟経営
パナソニックは、高齢者・介護向け事業を「エイジフリー事業」として展開。バリアフリー・ストレスフリー・ケアフリーの3つをエイジフリーとして掲げ、商品やサービスを展開している。
エイジフリー事業では現在、在宅向けサービス、施設、機器・設備、商品の販売などを展開しており、今回新たに参入した介護ロボットもエイジフリー事業に含まれる。同事業では現在、大阪で2棟のサービス付高齢者住宅を経営しており、今後さらに拡大を進め、2018年には同様の施設を100棟、売上100億円以上を目標として掲げる。
また、全体では保険制度への適応、介護ロボットなど新規事業の創出、海外市場への参入などを掲げ、2018年度の売上高として500億円を目指す。