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シンガポールの病院にパナソニックの医療用ロボットを導入

自律搬送ロボット「HOSPI(ホスピー)」

 パナソニック システムソリューションズ アジアパシフィック(PSSAP)は、自律搬送ロボット「HOSPI(ホスピー)」を、シンガポール・チャンギ総合病院に本格導入した。日本国外では初の導入となる。なお、日本国内では、松下記念病院他2医療機関で稼働している。

 HOSPIは、病院内を自動で移動できる医療用ロボット。工事不要で、あらかじめ記憶した地図情報を基に走行する。医療品や検体、カルテなどを確実に搬送し、医療スタッフが患者の治療に集中できるようサポートするという。

 本体にはセキュリティ機能が搭載されており、搬送物の取り出しはIDカードの照合を通じて行なう。搬送物に対するいたずらや盗難、損傷などを防ぐ。

 また、エレベーターの自動乗降も可能。無線LANを備えているため、エレベーターの到着信号を受信して自動で乗降する。複数の棟に分散している各施設の間も走行可能。

「HOSPI」説明動画

 チャンギ総合病院は、シンガポール東部の約140万人の医療の受け皿となっており、先進医療の中心地として乳がんセンターや肝胆道手術センター、消火器病学、内分泌学などを完備している。

 今回の導入にあたり、チャンギ総合病院のアシスタントCEOであるセリーナ・シャー氏は「スタッフが高齢化する中、施設の規模が拡大し、移動距離が伸びつつある課題に対して"HOSPI"はシンプルで現実的な形で、院内の人手と時間の節約に貢献します。こうした自律ロボット技術の採用で、人的リソースの最適化と生産性の改善が可能になりました」と述べた。

 現在は同病院にて、ベッドが車いすとして分離する離床アシストベッド「リショーネ」の実証実験を行なっている。車いすへの移乗をスムーズに行なうだけでなく、車いすの保管スペースも不要にするもので、実験期間は半年を予定している。

西村 夢音