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ダイソンのDNAを受け継ぐ寿命37年の「CSYS LED Light」

 ジェイク・ダイソン・プロダクトの「CSYS LED Light(シーシス・LEDライト)」が11月28日より発売された。ラインアップは卓上ライトの「CSYS TASK」、フロアライトの「CSYS TALL」、そして取り付け式の「CSYS CLAMP」の3種類。

ジェイク・ダイソン・プロダクトのCSYS LED Light。左からフロアライトの「CSYS TALL」、卓上ライトの「CSYS TASK」

 「CSYS TASK」のサイズは527×653mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、パティグレー+シルバー、ブラック+シルバー、レッド+シルバー、ホワイト+シルバーの5色。価格は94,500円。

 「CSYS TALL」のサイズは727×1,409mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、ブラック+シルバーの2色。価格は136,500円。

 「CSYS CLAMP」のサイズは870×864mm(幅×高さ)で、カラー展開はブラック+ブラック、ブラック+シルバーの2色。価格は取材時には未定で近日公開予定。

サイズ527×653mm(幅×高さ)の「CSYS TASK」。価格は94,500円
サイズ727×1,409mm(幅×高さ)の「CSYS TALL」。価格は136,500円
サイズ870×864mm(幅×高さ)の「CSYS CLAMP」。価格は現時点で未定

ジェームズ・ダイソンの遺伝子を継ぐジェイク・ダイソンのプロダクツ

ジェイク・ダイソン氏。イギリスの掃除機メーカー・ダイソンの創業者であり、デザインエンジニアのジェームズ・ダイソンの息子

 長寿命37年のロングライフを掲げた画期的なLED。メーカーのジェイク・ダイソン・プロダクトと聞いて、サイクロン掃除機や羽根のない扇風機を作るDysonを想像する人も多いかもしれない。

 そう。ジェイク・ダイソンはあのジェームズ・ダイソンの遺伝子を継ぐ正真正銘の息子だ。兄弟のなかで父親の影響を一番受け、ロンドンの名門カレッジであるセントラル・セント・マーティンズへ進学。デザインを学んだ後、2004年にデザイン・エンジニアとして自身のジェイク・ダイソン・プロダクトを立ち上げた。

 CSYS LED Lightは今年開催された、ミラノ・サローネ 2013で初お披露目された。ジェイク・ダイソン氏曰く「世の中に気に入った照明がないにも関わらず、100年間ほとんど進化してないのはおかしい。もっと違うスタイルがあるはずだ」との純粋な想いから開発に着手したという。その後、欧州などで発売されると、デザイン性と機能性の高さで瞬く間に話題となった。

 ちなみにCSYSとはX軸、Y軸、Z軸における物体の位置を決定する“座標系”という意味。数学や物理学などで使われる用語で、このLED照明の動作システムを表す。

ジェイクダイソン自らが、製品の魅力を語るプロモーションムービー

建設用のクレーンやエレベーターにヒントを得た独自の操作性

CSYSロゴがバーに刻印されている

 CSYS LED Light最大の特徴が、製図用のドラフターを思わせる2本のバーを滑車で組み合わせたミニマル・デザインを採用した点だ。一見、縦横のバーが十字架状に組み合わさっただけのように見えるが、実はクロスする2本のバー中央に設置された複数の滑車により、高さや角度を自由に調整できる。

 このスマートな動きは、建設用のクレーンやエレベーターにヒントを得たという。3つの滑車が支えるこの上下左右の動きはスムースそのもので、しかも背面につり下げられた重りとバランスを取ることで、ロックをかけなくてもぴたりと止まってくれる。

 光源が高い位置にあれば、あるほど光が広範囲に照射され、逆に低い位置にすれば、手元などを明るく照らすことができる。360度全方位に自在に回転できるのも使い勝手もいい。

手で軽く動かすだけで縦横自在照らしたい場所にライトをあてられる
スライドするバー同士の間に、銅線を薄型の細長いポリカーボネートで内包。自由にスライドしても自在に長さを調整し、接続し続ける
エレベーターのように支柱の裏側に重りをスライドさせることで、表側のライトの高さを設定するバーと重さのバランスをとる
縦横スムーズに動かすために滑車が表裏に6個ついている

独自機構で37年の長寿命を実現

LED照明は8つ並べられていて、すべて同じ明るさに統一されている。調光も可能

 LED照明は8連。明るさは最大56lm/Wで、ランプの消費電力はわずか8.8W。同タイプのハロゲン電球と比較すると1/5の電力量とエネルギー効率の高さも魅力だ。ただ、CSYS LED Lightは、単純にエネルギー効率が高く明るいというだけでなく、37年という長寿命を実現している点だ。

 どうしてそんな規格外なロングライフを実現できたのか? これは最先端の温度管理機能を搭載したのに加えて、元々NASAが人工衛星用に開発し、一般的にコンピューターのマイクロプロセッサーを冷却するために使用されるヒートパイプテクノロジーを採用したからだ。

 一般的にLED照明は接合部温度が130℃まで上昇し、製品寿命は5万時間程度だが、CSYS LED Lightは独自の技術により、LEDの接合部温度を53.4℃と低く抑制。結果、連続使用時間16万時間を超えても、ライトの色や明るさを長期的に均一に保つことができる。これは1日12時間使用した場合でも、約37年以上に相当する。

 LEDはこれまでも長寿命で注目されてきた製品だが、普及が進み、ブームが一旦収まってしまったのも事実。今回新たな製品が登場したことで、LED照明の新たなステージが始まるかもしれない。

ポリカーボネートのカバーにより外側からは配線の存在を感じさせないなど、美しいデザインをキープ
フロアライトの「CSYS TALL」、取り付け式の「CSYS CLAMP」は背面にタッチセンサー搭載のスイッチがある。触れるとON/OFF、長く触れ続けると調光できる。調光された光は、その後電源をOFFにしてもそのままメモリーされ、次回点灯時にはその明るさで付く
卓上ライトの「CSYS TASK」のタッチセンサースイッチは台座に。仕組みは「CSYS TALL」「CSYS CLAMP」と同じ
バーの内部に銅製のヒートパイプを搭載。ここからLEDの発する熱を効率的に逃がすことで低温化を実現

滝田 勝紀