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フィリップス、スマホで1,600万色以上のカラーを再現できるLED電球「hue」発表会
~GPS連動機能やタイマー機能で様々な使い方が可能
(2013/9/26 11:07)
ランプの明るさや色を1,600万通り以上からワイヤレスでコントロール
フィリップスは、灯りを自由にカスタマイズできるLEDライト「Philips hue(フィリップス ヒュー)」を9月26日より全国のAppleStore及び、Apple OnlineStoreにて限定発売する。価格はオープンプライス。AppleStoreでの販売価格は、購入して直ぐに使い始められるランプ3つがセットになったスターターセットが26,000円、ランプ単体が6,980円。
ランプの明るさや色を1,600万通り以上からワイヤレスでコントロールできるLEDランプ。自宅のWi-Fiルーターを、ブリッジと呼ばれる専用機器を介し、スマートフォンやタブレットとつなぐことで、スマートフォンやタブレットからランプの色や明るさを調節できる点が特徴。hueは、照明コントロール用の国際規格「ZigBee Light Link(ジグビーライトリンク)」を採用しており、端末から直感的な操作が可能。使用の際は、無料の専用アプリを事前にインストールしておく必要がある。対応端末はios 4.0以降、Android 2.3以降。
スターターセットには、専用のブリッジとランプ3個が同梱される。1台のブリッジに対して、最大50個までのランプと、最大10台までの端末が接続できる。口金はE26で、様々な照明器具に取り付けて使用する。
スマートフォンと連動した4つの機能を搭載
hueでは、これらの活かし、具体的に4つの使い方を提案する。1つ目は、暮らしに彩りを与えるということ。hueでは、スマートフォンで撮影した写真の色彩を再現する機能を搭載。写真の上でカーソルを動かすだけで、hueでその色調を再現できるため、撮影当時の思い出を呼び覚ますことができるという。例えば桜を撮影した写真の場合、同じピンク系の色でも、木の種類や光のあたり具合で微妙に色が異なるが、hueではその微妙な色調の違いも再現できる。
2つ目は、気分やシーンに応じて照明を変えるということ。hueには、フィリップスが研究した独自の「ライトレシピ」を採用する。「くつろぐ」「本を読む」「集中する」「やる気を出す」など、シーンに応じた4種類を備えており、最適なあかりをボタン1つで選べるという。
3つ目は、タイマー設定を使ったお知らせ機能。徐々に灯りを暗くして、快適な眠りに誘う、朝起きる時間に合わせ徐々に明るくするなどの使い方も可能だという。
4つ目は、セキリュティツールとしての活用。スマートフォンやタブレット端末のGPS機能と連動して、自宅を離れると自動でランプが消灯、近づくと自動でランプが点灯するなどの設定が可能で、ランプの消し忘れを防げるほか、帰宅前に自宅のランプをつけることができるので、防犯上にも効果があるという。また、インターネットを通じた遠隔操作にも対応しているため、自宅不在時にも外からランプを操作できるという。
これらの機能に加えて、フィリップスではhueをコントロールするアプリケーションのためのAPI(ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりする際に使用するインターフェースの仕様)を公開。自社のアプリだけでなく、hueと連動した様々なアプリが作りやすいように公開したもので、これによって、プログラムの手間を省いたアプリケーション開発が可能になる。
実際、日本より1年以上前にhueが発売された欧州や米国ではすでに30種類以上ものhue対応アプリケーションが開発されている。中には天気と連動してランプの色が変わるアプリーケションや、音や動きと連動して色が変わるアプリーケション、ゲームと連動してランプの色が変わるアプリケーションなどユニークなアイデアのものが多数あるという。
ランプはE26口金で、消費電力は最大9W。明るさは600lmで白熱電球50Wに相当する。明るさは無段階で調節可能。色温度4,000K時で600lm、2,000K時は360lm。
ブリッジの本体サイズは100×25mm(幅×高さ)。ワイヤレス通信プロトコルはIEEE 802.15.4、チャンネルは11~26に対応する。
「単なるLED電球ではない。世界で最もスマートな電球」
製品開発を担当したフィリップス ライティング マーケティングアンドビジネスディベロップメント シニアディレクター コネクティッドランプ フィリップ・ヤン・ドゥパゥ氏は、同製品について、「hueは、単なるLED電球ではない。世界で最もスマートな電球だ」と紹介。
開発のきっかけは同僚に「ランプとインターネットをつないでみたらどうか」と云われたことだとし、「最初は、なんでわざわざランプとインターネットをつながなければいけないんだ。そこにどんなメリットがあるんだ。と感じた。それからはユーザーによってどんな価値が生まれるのかを、一番考えた」と話し、具体的な4つの機能を提案したことを明かした。また、「シンプルで誰もが、操作できることを重視した。インターネットにつなぐということで、たくさんの操作があるようでは意味がない。加えて、インターネットに接続するからこそ可能なアップデートやアプリケーションの広がりについても配慮した」と話した。
「hueはとてもパーソナルな製品だと考えている。自分の持ち物であるスマートフォンを使って、自分の思う通りに操作できる。私たちはあくまでツールを提供するのであって、使い方を考えるのはユーザーのみなさん。実際、フィリップス以外のサードパーティの皆さんが開発したアプリケーションにはとても優秀なものが多く、製品の使い方の幅がどんどん広がっている。APIの公開や汎用性の高い国際規格を採用したりしているのは、アプリの開発者に積極的にhueのコミュニティーに参加してもらいたいからだ。我が家では、1つのブリッジに7つの端末を接続し、私だけでなく、息子もhueを活用している。彼が今気に入っているのは、天気によってランプの色を変えるアプリで、雨の日はブルー、晴れの日は黄色など、hueを使って生活を楽しんでいる」と、語った。
また、日本への発売が欧米に比べ遅れたことについては「私たちは、何か新しい製品を発売するときのロードマップには必ずいつも日本市場が含まれている。そのため、あえて遅らせたというわけではない。しかし、日本で流通しているモバイルルーターは日本に特化しているものが多く、仕様を日本向けにするのに時間がかかってしまった」と説明した。
AppleStoreで限定発売する点においては、「hueは本来すごくシンプルで誰もが使える製品。そのコンセプトをマーケットに届けるための最適なパート-ナーとしてAppleを選んだ」とコメントした。
会場では、女優・歌手のすみれさんが登場。動きや音と連動してランプの色が変わる、サードパーティが開発したアプリを使って、デモンストレーションを行なった。すみれさんは自宅で歌やダンスを踊るのが大好きだとして「hueがあったら、ホームパーティーもすごく盛り上がりそう!」と話した。