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パナソニック、発光効率と放熱を改善した白色LEDチップ
~チップによる硫化バリア技術で、器具の対策が不要に
(2013/2/21 15:02)
パナソニック デバイス社は、発光効率と放熱性能を改善した白色LEDの量産を4月から開始する。サンプル価格は個別相談。
直管形LEDランプやシーリングライト、LED電球をはじめとするLED照明器具に使用するLEDチップ。パッケージの改善により、光取り出し効率が10%向上した。発光効率は従来の135lm/Wに対し150lm/Wとなる。
色温度は5000Kで、Raは80以上。色温度は、さらに展開を進めるとしている。
また、パッケージを従来製品比で25%薄くすることにより、LEDチップから発生する熱を効果的に基板に放熱できるようになった。従来比で66%改善されたとしている。
パッケージ面積も39%減少し、形も正方形に近づけたことで、LEDチップの配置の自由度が上がったという。
また、日本コルモと共同開発した硫化バリア技術により、硫化対策として使われる銀メッキの硫化を防ぎ、信頼性が向上した。LEDチップ側で硫化対策を行なうことにより、通常必要な照明器具による硫化対策が不要になるという。この技術を導入したLEDチップは、7月にサンプル出荷を開始し、11月に量産化の予定。
LEDチップの台座で使用される銀メッキ部分は、硫黄分に触れると劣化して黒化がおきるため、LEDチップの輝度が低下する。硫化対策をしていないLEDチップでは、10,000時間使用した段階で約30%の輝度低下を起こす場合があるという。また、自動車の排気ガスや温泉地など硫黄分が多い条件下では、さらに出力低下が早まる場合もあるとしている。