九州電力、電気料金の値上げ検討開始を告知

~値上げ幅などは未定

 九州電力は2日、電気料金値上げの検討を開始したと発表した。値上げ時期および値上げ幅については公開していない。

 リリースでは、「今年度、原子力の発電量がゼロの場合、燃料費等の負担増は人件費、修繕費、諸経費の平成23年度合計(4,960億円)の大半に相当する規模になるとみております。この相当額を削減することは、当社の基本的使命である電力の安定供給に大いに支障を来たすことになり、現実的に対応不可能な水準であります。

 このような状況を踏まえ、当社は、これまで最後の手段と考えておりました電気料金の見直しにつきまして、実施時期・幅等の具体的な検討を開始いたしました」としている。

 東日本大震災以降で、電気料金の値上げを行なう意向を示したのは、東京電力、関西電力に続いて3社目となる。

 電気料金は、企業等大口契約者を対象とした自由化部門と、一般家庭を対象とした規制部門がある。自由化部門については、電力会社と契約者の契約によって値上げできるが、規制部門については、値上げの際に経済産業省の認可が必要となる。

 先行して電気料金を値上げした東京電力の場合、規制部門については7月1日から平均10.28%の値上げが申請された。しかし、値下げ幅について努力の余地があると指摘され、再検討により実施時期が遅れるとともに値上げ幅も圧縮され、最終的には9月1日から平均8.46%の値上げとなった。九州電力においても、同様の再検討が予想される。

 また、東京電力は自由化部門についても、契約期間が残っているにも関わらず値上げした条件による再契約を求めるなど、優越的地位を乱用した恐れがあるとして公正取引委員会から注意を受けており、他社が追随する場合も強制的な再契約を求めにくい状況となっている。






(伊達 浩二)

2012年11月5日 00:00