SBエナジー、日本最大級のメガソーラー「ソフトバンク鳥取米子ソーラーパーク」を来年7月開業

プレゼンテーションを行なうSBエナジー 孫社長

 ソフトバンクグループのSBエナジー(エスビーエナジー)は、三井物産と共同で、鳥取県米子市にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。着工は9月で、2013年7月の運転開始を目指す。

 施設名は「ソフトバンク鳥取米子ソーラーパーク」で、所在地は鳥取県米子市、敷地面積は約53万4千平方m(約53.4ha)、出力は約39,500kW(約39.5MW)、年間予想発電量は約3,950万kWhで、一般家庭換算で、約1万1千軒分に相当する。

発電所の概要。2013年7月時点では日本最大級となる発電所の建設用地は、干拓事業で埋め立てられた土地
事業の概要。SBエナジーと三井物産が協業する中央部の白い埋立地は、JRAの場外馬券売場が建設されており、それを挟むような形になる

 発表会に出席したSBエナジー代表取締役社長の孫正義氏は、「現在、SBエナジーが計画しているメガソーラーの発電容量の1/5に当たり、来年7月の完成時点で、日本最大級の規模となる」と語った。SBエナジーは、十数カ所の立地で20万kW(200MW)の発電を計画している。

 鳥取米子ソーラーパークは、SBエナジーと三井物産が50%ずつ出資する事業会社。事業規模は100億円規模を想定している。

SBエナジーを始めとする関係者が、協定書への調印を行なった調印した協定書を持つ関係者

 鳥取米子ソーラーパークは、発電した電力を中国電力に売電することで収益を得る。開発する敷地は、鳥取県/米子市/鳥取県住宅供給公社の3者が所有しており、これを借用する。借地代として売電料の3%を支払う。発電設備に対する固定資産税は、米子市および鳥取県の収益となるが、当初の3年間は減免される。また、発電した電力は、7km離れた夜見(よみ)変電所(20MVA)まで送電されるが、この送電設備は鳥取米子ソーラーパークが負担する。

 メガソーラーを建設を担当するEPC(Engineering Procurement Construction)、およびソーラーパネルのメーカーは未定。孫社長は、「価格面などで同等であれば、国産メーカーを優先したい。海外製品を排除するということではないが、雇用の問題も含めて、少しでも日本に元気になってもらいたい」と述べた。

 また、ソーラーパークの管理などの人材についても「できるだけ地元企業と協業し、地元に貢献したい」と語った。

 三井物産との共同事業になった理由について孫社長は、「とかく、世間では“ソフトバンクのやることはなんとなく危なっかしい”というイメージがある。今回、三井物産という日本株式会社の4番バッターでありエースであるような存在と組むことで、多くの方々に安心感を持っていただける」と述べた。

 発表会に出席した、三井物産代表取締役社長の飯島彰巳氏は、「三井物産は、古くから発電事業を行なっており実績を持っている。また、プロジェクト開発のノウハウも豊富だ。強いリーダーシップを持つソフトバンクさんと組むことで、お互いの利点を生かした大きな仕事ができると感じている。今後も、私達がお役に立てる大規模な計画について協業していきたい」と語った。

「とかく世間では、ソフトバンクのやることは危なっかしいと・・・」と語る孫社長三井物産 飯島社長平井鳥取県知事

 また、鳥取県知事の平井伸治氏は、「今回ソーラーパークを建設する地域は、夕焼けの名所だ。海水と淡水の中間の塩分を持つ汽水湖である中海が、中海淡水化事業および干拓事業の一環として埋め立てられ、農地、工業団地、住宅地として活用が図られたが、約40年も生かすことができなかった。中海淡水化事業が水質の悪化など中止になり、そこから立ち直ろうとしている土地だ。その土地を再生エネルギーの拠点として活用していただけるのは大変にありがたいことである。見学施設などの建設も予定されているので、県外からの見学者なども期待したい」と述べた。

 孫社長は、「この狭い日本で、何十年も土地が未利用なのはもったいない。いろいろな企業や地権者の方がメガソーラー事業に参入し、これまで使われていなかった土地が活用されるのは良いことだ。みんなで競争することで、自然エネルギーの低コスト化が図られていくのが望ましい。今回の事業に刺激を受けて、みんなでドンドン、再生可能エネルギー事業をやってほしい」と締めくくった。






(伊達 浩二)

2012年8月29日 14:41