東芝、蓄電池付きの太陽光発電システムを住宅メーカーに販売

 東芝は、住宅メーカーの三洋ホームズに、年間300棟分の蓄電池付き太陽光発電システムを販売すると発表した。

 住宅用の太陽光パネルで発電した電力を、鉛蓄電池に蓄電するシステム。通常は電力会社からの商用電源で蓄電池を充電するが、停電時には太陽光発電の自立運転モードで蓄電池を充電する。鉛電池の容量は合計2.1kWhで、消費電力が700Wの家電が約3時間稼働できる。また、増設バッテリーを追加することで、容量をさらに拡張できるという。同社では電力不足や災害などの停電時に、生活に必要な電力を確保し、安心して使用できるシステムを実現したとしている。

 標準システムで採用される太陽電池モジュールは、アメリカ・サンパワー社製の単結晶タイプ「SPR-210N-WHT-J」。セル変換効率は21.5%で、“世界最高水準”を謳っている。最大モジュール変換効率は16.9%、公称最大出力は210W。鉛蓄電池は本体の容量が600Whで、増設バッテリーが1,500Wh。このほか、パワーコンディショナ、カラー表示機もシステムに含まれる。

蓄電池付きの太陽光発電システムのイメージ図

 東芝では蓄電池付き太陽光発電システムについて、さらに新築住宅メーカー向けに販売し、2011年度で年間1,000棟の販売を目指すとしている。また、国内の住宅用太陽光発電システム市場については、環境意識や省エネ意識の高まりや、国や地方自治体制度などにより、今後も普及が進むとしている。

 なお、東芝では東日本大震災の被災者向けの仮設住宅・復興住宅に対し、太陽光発電システムを100世帯に無償提供することを決定している。今回の蓄電池付きシステムについても、宮城県、福島県、岩手県の避難所などに設置していくとしている。






(正藤 慶一)

2011年5月30日 13:36