コジマ、太陽光発電の社員研修センターを栃木県内に開設

コジマ太陽光発電研修センター「上三川研修センター」

 株式会社コジマは、11月7日、太陽電池の販売に関する社員向け集中研修を行なう太陽光発電研修センター「上三川研修センター」を、栃木県河内郡上三川町に開設した。太陽光発電の販売体制強化するとともに、同センターに「太陽光・電化ショールーム」の機能も持たせ、エンドユーザーに対する訴求を行なう。

 同センターは、太陽光発電に関する社員の知識向上を目的とし、「安心」、「確実」という観点から、太陽光に関する提案力の強化を目指すもので、延床面積約330平方mの施設には、最大40人を収容できる研修ルームを設置。また、擬似屋根を設置し、施工ノウハウや最新の技術を学習し、社員のスキルアップを図ることができる。

 主な役割として、シャープ、ダイキン工業、三菱電機、三洋電機が実施している認定資格の取得に向けたコジマ社員への研修を行なうほか、施工業者である協力店を対象にしたスキルアップ講習、店頭販売員の基礎知識の向上、施工に関する知識の向上などを行なう。具体的な計画としては、太陽光発電施工ID取得認定、太陽光発電電気研修認定のほか、3泊4日での太陽光施工研修、1泊2日でのエコキュート施工研修などが予定されている。

施工の実地研修のために用意された擬似屋根。瓦屋根のものこちらの擬似屋根は金属屋根としているスレート屋根も用意しており、それぞれの屋根の特徴を知って施工ノウハウを習得する
施工に使用するための各種道具も取り揃えているヒートポンプ給湯器は、パナソニック、ダイキン、三菱の3社の製品を用意スケルトンモデルを用意して内部構造も学習できる
研修ルーム。約40人を収容可能としているメーカーから提供された太陽光発電システム設置工事マニュアルを用意実際に太陽光発電を行なっている様子。発電した電気で噴水を出している
コジマ・小島章利社長

 「売り場の店員は直接施工作業を行なうわけではないが、施工に関する知識を持っているかどうかで、接客の仕方が変わってくる。これまでに1,200人の社員に対して座学での研修を行なってきたが、施工の模擬設置研修を実技で行なうほか、全国233店舗に500人規模の太陽光発電専任担当者を配置して、顧客への対応力強化を図る」(コジマ・小島章利社長)という。

 同社では、今年9月に、上山昭夫取締役兼常務執行役員を室長とする「太陽光発電推進室」を設置。太陽光発電の販売強化への取り組みを開始しているほか、家電製品の買い換えと使い方の工夫により、電気代を半減させようという「コジマ省エネチャレンジ50」の提案や、その一環として省エネエコポイントを進呈するキャンペーンなどを実施するなど、環境戦略を加速している。

コジマが太陽光発電の販売を本格化するのに伴い新たな用意したロゴ

 今回のセンター開設は、今年度第1四半期ごろから、小島社長自らが本格的に検討を開始したもので、「補助金制度もあり、太陽光発電に対する需要が現実的なものになってきたこと、長期的な視点から、この分野に対して社員のスキルを高めておくことが必要だと考え、センターを開設した」と語った。

 11月7日午前10時から行なわれた開所式で挨拶したコジマの小島章利社長は、「日本の家電製品を全世界に導入すれば、CO2排出量は半分に削減できる。それだけの高い技術の製品をわれわれは扱っている。すべての家庭に自家発電の仕組みを提供することに力を注ぎ、コジマで商品をご購入いただいている方々に喜んでいただきたい」と、太陽光発電をはじめとするエコ製品の販売に力を注ぐ姿勢を示した。

 今後3年をめどに、同社の売上高の約1割を、太陽光発電、エコキュート、LEDのエコ家電製品で占めたいとしている。

開設式に臨む小島社長(右端)をはじとめする同社幹部および関係者コジマの小島社長(中央)をはじめ取引先各社の代表とともにテープカットを行なった

 また、小島社長は、同社が太陽光発電に力を注ぎはじめた理由として、2007年6月末に観賞した映画「不都合な真実」にきっかけがあるとのエピソードを披露しながら、取り扱い製品を省エネ家電製品だけの絞り込んだ経緯にも言及した。

 小島社長は、「雪の山がなくなるなど、映画のストーリーが進むに連れて、CO2を排出する製品を販売している自分自身がA級戦犯のような気がしてきた。だが、映画の最後に省エネ商品を活用することで、社会に貢献できるという内容に感銘した。それ以来、省エネ家電しか販売しないという大きな決断を行ない、全国紙や地元紙に全面広告を掲載し、その姿勢を示した。また、2007年の冬は、寒くならなかった冬でもあり、そこで本当の意味で、省エネ製品の重要性を認識した。エコという観点からも、どうしたら顧客に喜んでもらえるかということを考えて製品を取り扱っていくことを徹底している」などとした。

来賓を代表して挨拶したシャープアメニティシステム・小川貢常務取締役

 一方、来賓を代表して挨拶したシャープアメニティシステム・小川貢常務取締役は、「太陽光パネルの敷設には、ノウハウが必要である。現在、太陽光発電の普及率はわずか2.2%だが、今後家庭へ広がると『うちのパネルの施工は、お隣よりきれいだ』といったような話が出てくる。そのためにはノウハウを持った人たちが必要になる。昨日の段階で第1期の研修卒業生が誕生したと聞いた。数多くの人たちがここから育ってほしい」とコメント。

ロゴをデザインした栃木未来大使エコライフ広報官を務めるデザイナーの坂本廣樹氏

 また、コジマの太陽光発電のロゴをデザインしたデザイナーの坂本廣樹氏は、「私自身も10年前から太陽光発電を導入している。エコへの取り組みは地球にやさしいというよりも、まずは自分の問題を自分で解決するという意識が必要である」などと語った。

 上三川研修センターの住所は、栃木県河内郡上三川町大字上蒲生2134。

 同センターには、同時に「太陽光・電化ショールーム」の機能を持たせ、太陽光発電モジュールやエコキュート、IHクッキングヒーターなどの展示を行ない、エンドユーザーが太陽光やオール電化設備を気軽に体験できるようにした。

 「太陽光発電をはじめオール電化に関する製品説明は、基本的には店舗で行なう形としているが、上三川研修センターは、新4号線沿いにあり、近隣に大型ショッピングセンターがあること、宇都宮上三川インターから車で5分程度の位置にあることなどから、ショールームとしても活用できるようにした」(小島社長)と語った。

 太陽光・電化ショールームは、土日祝日のみの営業となる。

ショールームとしても活用できるように各社のカタログも展示各社のIHクッキングヒーターを展示。200V電源を12基用意し、実際に体験できるようにしている

 なお、小島社長は、「今回の展開を見て、同様の研修センターを東京、大阪にも開設したい」との意向を示した。




(大河原 克行)

2009年11月9日 13:36