パナソニック、三洋子会社化に向けTOBを開始。子会社化へ第一歩

 パナソニックは4日、三洋電機の子会社化を目指し、株式公開買い付け(TOB)を5日に始めると発表した。TOB価格は1株131円。期限は12月7日。子会社化後も三洋株の上場は当面維持される見込み。

 両者が子会社化に関して協議していることを発表したのが昨年の11月。以降、日本の独占禁止法をはじめ、世界各国の競争法をクリアする手続きに時間がかかり、なかなか実現に至らなかった。

 三洋電機はここ数年で総合電機メーカーから、エネルギーや環境関連技術をコアにした業態へシフトしており、太陽電池や二次電池が売上の大半を占める。パナソニックは太陽光発電システムを自社生産していないことなどから、こうしたエネルギー分野を取り込むのが主な狙いと見られる。

 ただし、家電分野をはじめ、重複する事業も多い。たとえば、三洋電機のニッケル水素充電池「eneloop」を製造する「三洋エナジートワイセル株式会社」は、競争法の観点から米国、EU、中国などから指摘を受け、富士通系のFDK株式会社に全株式を譲渡するという。

 なお、三洋電機ではこの件に関して、「eneloopの企画・開発は三洋電機本体で行なっており、今後の販売には影響しない」とコメントしている。





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2009年11月4日 18:34