パナソニックは、三洋電機を子会社とする前提のもとで、資本・業務提携について協議を始めたと発表した。プロジェクトチームを立ち上げ、検討を進め、12月末をメドに進捗状況を公開するという。
パナソニックにとっては、二次電池や太陽光発電など三洋が世界的シェアを誇る分野を取り込むのが狙い。また、OEM生産で定評のある三洋の量産技術の活用も、提携で得られるメリットとして挙げている。
三洋電機はここ数年で総合電機メーカーから、エネルギーや環境関連技術をコアにした業態へシフトしており、太陽電池や二次電池が売上の大半を占める。ただし、プロジェクターやデジタルビデオカメラ、エアコン、炊飯器など家電事業も継続しており、パナソニックの事業と重複する部分もある。
2007年度の売上高は、パナソニックが9兆689億円、三洋電機が2兆178億円。重複する事業があるものの、単純計算では10兆円を超えることになる。
三洋電機の創業者の井植歳男(故人)は、パナソニックの創業メンバーの1人で、松下幸之助(故人)の義弟にあたる。本社もパナソニックが門真、三洋が守口市と近く、両社の関係は深い。
両社の資本提携については、今年4月にも報道があったが、両社ともに「検討の事実はない」と否定。また11月に入ってから再度、子会社化について報道された際には、「検討は事実」と一部認めるコメントを公開していた。
■URL
パナソニック株式会社
http://panasonic.jp/
三洋電機株式会社
http://www.sanyo.co.jp/
ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn081107-1/jn081107-1.html
ニュースリリース(PDF)
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0811news-j/1107-1.pdf
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( 本誌:伊藤 大地 )
2008/11/07 15:44
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