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パナソニック、三洋電機の子会社化を正式発表

エナジー・エコロジーのリーダー目指す

パナソニックの大坪文雄社長(左)と三洋電機の佐野精一郎社長
 パナソニック株式会社と三洋電機株式会社は、12月19日、パナソニックによる三洋電機の子会社化を正式に発表した。

 パナソニックと三洋電機は、19日開催の両社取締役会における承認に基づき、資本・業務提携契約を締結。今後、パナソニックは公開買付けにより、議決権の過半数の株式取得を目指す。

 パナソニックによる子会社化後も三洋電機は上場を維持し、SANYOのブランドを継続する。

 買付価格は、三洋電機の普通株式1株あたり131円、A種優先株式1株あたり1,310円、B種優先株式1株あたり1,310円を予定。「事業会社同士の提携であり、その観点から事業内容を評価させてもらった。現在の事業価値に加えて、将来のシナジー効果の価値を換算したもの」(パナソニックの大坪文雄社長)とした。


 パナソニックの大坪文雄社長は、「技術、製造力を結集し、グローバル競争な競争で勝ち残るためのシナジーを追求することができる。我々の最大のテーマは、シナジーを生めることができるかどうかにある」とし、「民生用から設備・業務用まで幅広い商品群と最先端技術を持ち、それをグローバルで展開できる販売プラットフォームで展開できるパナソニックと、グローバルトップの二次電池、世界最高効率の太陽電池、電子部品や業務用冷凍冷蔵庫、デジカメやプロジェクターといったデジタルイメージング分野における強い商品開発力を持つ三洋電機の強みを融合し、エナジー・エコロジー分野のグローバルリーディングカンパニーを目指す」と宣言した。

 パナソニックでは、2009年度を最終年度とする中期経営計画「GP3」において、ABCDカルテット(A=アプライアンスソリューション、B=ブラックボックスデバイス、C=カーエレクトロニクス、D=デジタルAVネットワークス)と呼ぶ4つの重点事業を掲げているが、今回の三洋電機の子会社にあわせて、新たにEを頭文字とするエナジーソリューション事業を加え、ABDCEクインテットとして、「五重奏としてパワーアップし、さらに厚みのあるシナジーを生み出す」とした。



 エナジー事業としては、家まるごとに加えて、ビルまるごとの提案が可能になるとして、デジタルAVCネットワークやアプライアンス、半導体・デバイスによる「省エネ」、太陽電池や燃料電池による「創エネ」、民生用、車載用、据え置き用などの二次電池による「蓄エネ」といったトータルエナジーソリューションを提供でき、「世界中のエナジーニーズに応える比類なき企業グループを目指す」とした。



 一方、三洋電機の佐野精一郎社長は、「物心両面での支援を具体化していただき、グローバル競争に勝ち残るための大きなアドバンテージを得た。中期経営計画で定めた投資計画に加え、ハイブリッド自動車用二次電池などへの追加投資を実行できる。懸念となっていたOEM事業についても、情報管理措置の方策を徹底することで、両社が合意しており、影響はない。

 パナソニックは企業価値向上の最善のパートナー。大坪社長といくどとなく腹を割って話しあった結果、競合事業もあるが、地域、商品戦略、流通政策などを区分すると、十分に対応できると考えられ、また、シナジー効果の方が大きい中期経営計画の達成、技術・事業の発展の観点から必要不可欠なものである」とした。


 大坪社長は、パナソニックグループとして、家まるごと提案に加えて、ビルまるごとでの空調ソリューションを提供できること、ヘルスケア事業ではパナソニックのバイオ診断措置などと三洋電機の医療医事システムなどとの連携により、病院などへ提案できるほか、パナソニックの院内自動化システムと、三洋電機のバイオメディカシステムにより、大学や研究所などへのソリューション提案が可能になり、増販につながるとした。

 具体的なシナジー効果として、ソーラー事業においては、パナソニックの経営プラットフォームを活用することにより、高効率のHIT(結晶系)太陽電池の事業拡大を図るとともに、次世代太陽電池の開発、実用化を加速することで、今後の太陽電池需要に対応する。

 また、パナソニックグループの国内外販売プラットフォームを活用することで、大幅な増販効果を見込む。




 二次電池事業では、三洋電機のリチウムイオン二次電池を中心とする二次電池事業において、今後の市場急成長が予想されているHEV(ハイブリッド自動車)・EV(電気自動車)用電池でも積極投資を行ない、リーディングカンパニーの地位を確立する。

 さらに、パナソニックも独自のブラックボックス技術を活かし、グローバルで事業を展開。三洋電機の高い生産技術等をパナソニックに導入する一方、パナソニックからは高容量技術などを提供することで、両社の商品力をより一層強化していくことで、パナソニックグループとして、あらゆる完成車メーカーとの連携強化および拡販が期待できるという。

 一方で、パナソニックが展開しているイタコナ活動やコストバスターズ活動を、三洋電機にも展開し、コスト削減を推進するほか、ITインフラなどの経営プラットフォームの効率化、資材や間接材の調達およびグローバル規模でのロジスティクスの共通化により、スケールメリットによるメリットを生み出す考えだ。



URL
  パナソニック株式会社
  http://panasonic.co.jp/index3.html
  ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn081219-2/jn081219-2.html
  三洋電機株式会社
  http://www.sanyo.co.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0812news-j/1219-2.pdf


( 大河原 克行 )
2008/12/20 02:37

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