パナソニック、2008年度決算は3,789億円の赤字に転落

~エアコン、冷蔵庫も対前年割れ

 パナソニック株式会社は、15日、2008年度の決算を発表。売上高は前年比14.4%減の7兆7,655億700万円、営業利益は同比86%減の728億7,300万円、純損失が3,789億6,100万円となり、過去最高の純利益を更新した2007年度から一転、大幅な赤字へと転落した。

 同社では赤字の原因として、10月に入って以降の「急激な円高の進行」「世界規模での急速な需要の縮小」「価格競争の激化」を指摘している。

 生活家電が中心となるアプライアンス分野の売上は、対前年9%減となる1兆1,663億円。製品別では、エアコンの売上が同10%減の2,450億円、冷蔵庫が同2%減の1,087億円と、いずれも前年を下回った。

  2009年度については、売上は2008年度を約1割下回る7兆円、営業利益は同比3%増の750億円、純損失は1,950億円と設定。赤字幅を回復する見通しとしている。

 なお同社では、2009年度までに売上高10兆円を目指す「GP3計画」を掲げており、2009年度が最終年度となるが、これについては修正せず「市況回復時には大きく飛躍すること」を目指すという。

 2009年度は「経営体質の再構築」をメインテーマに設定。「事業の選択と集中」「グローバル拠点戦略」を基軸に据え、成長事業へ経営資源をシフトするために、撤退すべき事業は厳しく見極めるという。

 さらに、「次なる成長への仕掛け・攻め」も同時に行なうとしており、「超・繋がる」「超・省エネ」「徹底したユニバーサルデザイン」を追求した、パナソニックらしい商品を生み出していくという。

 三洋電機との資本・業務定期嬰については、現在は緊密な協業関係を構築するための委員会を設置。三洋のエナジー事業を「きわめて成長のポテンシャルが高い事業分野」とし、今後の成長を担う柱として事業に厚みを増すとしている。


(正藤 慶一)

2009年5月15日 18:50