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東芝、長寿命な次世代リチウムイオン電池 バス廃車まで電池交換なし
2024年11月12日 07:05
東芝は6日、ニオブチタン酸化物(NTO)を負極に使用した次世代リチウムイオン電池を開発したと発表した。
リン酸鉄リチウム(LFP)電池と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、LFP電池の約10倍以上の回数で超急速充電が可能な長寿命性能が特徴。低温~高温の環境で安全かつ安定した利用が可能な高信頼性を併せ持つとしている。
同社は、本技術を適用した容量50Ahの大型電池セルを用いて、循環バスの運行を模擬した超急速充電と放電を繰り返すサイクル試験を実施。7,000サイクル後でも93%以上の容量を維持できることを実証した。超急速充電サイクルで使用できる回数は15,000回以上と推定する。
例えば、1回の充電で100km程度走行できる必要最小限の電池を搭載し、1日あたり2~3回の超急速充電を繰り返すような過酷な運用条件でも15年以上(150万km相当)の利用が可能で、途中で電池を交換することなく、廃車まで使い続けられるようになるとする。
また、超急速充電の活用により、車両への電池搭載容量を減らし、車両コストの削減と軽量化による電費低減も可能のため、初期コストと運用コスト両方でコスト低減が期待できるとしている。
さらに、-30℃から60℃の過酷な環境でも安定して動作し、発火リスクが極めて低いという安全性も特徴。
同社は、2017年に試作に成功し、2018年にCBMMと双日と共同開発契約を締結。実走行の実証実験を進行中だとする。
今後は、CBMMおよび双日と6月から実施している実証実験を通じ、NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の特性および車両運行データの収集、商業化に向けた取り組みを進めるとしている。