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レンジで栗が破裂? 焼き栗を作る際の危険性をクックパッドとNITEが検証

NITEとクックパッドが実証実験

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)とクックパッドは、「電気オーブン、電子レンジでの『皮を剥いていない栗』の加熱調理」について実験を実施。皮の切り込みが不十分だと栗が破裂することを確認し、加熱調理をするうえでの注意点を紹介している。

NITEとクックパッドは7月より、自宅で料理をする際に起こりそうな事故について実証実験を行ない、危険性を検証する協業プロジェクトを通じて、料理中に起こる事故の再発・未然防止に向けた注意喚起を行なっている。今回の実証実験では旬を迎えた栗をテーマに、「電気オーブンや電子レンジを使って焼き栗調理を行なう」ことを想定し、栗に入れる切り込みの有無や長さにより、調理中にどのような危険性があるかを検証した。

実験では皮を剥いていない栗を5分下茹でしたものを使用。「切り込みなし/切り込み1cm程度/切り込み半周程度(横幅3cmの栗なら約4cm)」の3パターンで、レンジ(700W/3分)、オーブン(200℃または250℃/2分)で加熱した。

左から「切り込みなし」、「切り込み1cm程度」、「切り込み半周程度」

その結果、レンジ、オーブン加熱ともに、「皮に十分な長さの切り込みを入れていない栗」や「鬼皮のみ切り込みを入れた栗」は破裂する可能性があることが判明。一方で、栗に半周以上の長さの切り込みを、渋皮まで達する深さで入れると破裂しないとの結果も得られたという。破裂の原因は、栗の皮の内部で生じた蒸気で内圧が高まったためと考えられる。

特にレンジはオーブンと比べて、短時間で多くの栗が破裂。実験では皮に切り込みを入れていない栗を加熱した際に、破裂の勢いでレンジの扉が開いてしまうほど強い衝撃が確認されたという。

左から「オーブンで加熱した栗が破裂した様子」、「栗の身が切れ目に詰まっている様子」

栗が破裂すると庫内が汚れるだけでなく、汚れが炭化して発火するおそれや、飛び散った栗がすき間に入り込み、機械の故障につながる可能性もある。また時間差で破裂するケースも見られ、加熱後に取り出した瞬間に破裂した場合は火傷の危険もあるとしている。

実験結果から、オーブンやレンジで焼き栗料理をする際は、破裂を防ぐために「栗半周以上の十分な長さの切り込みを、渋皮まで達する深さで入れる」ことが重要だとし、栗の加熱調理時には十分に注意することを呼びかけている。

切り込みの有無、長さによる栗の破裂数
左から「オーブンでの栗破裂後の様子」、「レンジでの栗破裂後の様子」
NITEの公式チャンネルでは栗が破裂する様子や加熱時の注意点を紹介している