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シャープ、家電のネット接続率を'24年度に8割へ

シャープが「AIoTショールーム」開設。AIoTによるスマートライフの実現を目指す

シャープは、AIoTを中心に同社のスマートライフ事業におけるこれまでの取り組みと、今後の展望についてメディア向けに説明会を行なった。

「AIoT」とは、AIとIoTを組み合わせた同社の登録商標。使っていくうちに機器が学習し、ユーザーに合わせて最適化される点や、インターネットに繋がる点を特徴とする。同社はAIoTについて「人に寄り添うIoT」、「もう一人の家族のような存在」としている。

AIoTによって、家電を使っていくうちにユーザーに最適化される

例えば、使う人の好みや習慣に合わせたメニューを提案したり、購入後にも新たに使える機能を増やしたりといったことが可能で、機器同士を連携させて一括操作することもできる。

2016年よりAIoT家電の推進に取り組んできた同社では現在、12カテゴリ、685機種の家電にAIoTを搭載。大阪府八尾市の事業所にはこれらの最新家電を体感できる「AIoTショールーム」も開設した。

八尾事業所にAIoTショールーム開設

同社はAIoTによる白物家電と事業の変革を重点戦略に掲げ、AIoTでスマートライフを実現することを目指すという。

第一に、AIoTとプラズマクラスターなどの独自技術、製品デザインを組み合わせることで、新たな製品の創出とソリューション事業の融合、クラウドサービス事業への参入を進める。キッチン分野では、製品のカラーや素材、仕上げに統一感を持たせ、ユーザーがトータルコーディネートできるようにし、同社製品で揃えることによって複数の家電連携、「つながるAIoT家電」の体験価値向上を図るとする。

家電のトータルコーディネート、さらに機器同士の連携まで可能にする

次に、AIoTによってビジネスシーンの課題を解決するため、BtoBソリューション事業を強化。具体例として、同社開発の耳にかけて「噛む」回数などを計測する咀嚼計「bitescan(バイトスキャン)」は、大学の研究や食品メーカーなどで活用されているという。また月経管理アプリと収納ケースを組み合わせた「生理用品IoT収納ケース」などを通じてフェムテック分野にも展開していく。

AIoTを活用したBtoBソリューション事業も強化

そして、台湾や米国をはじめとしたグローバル事業も拡大していく。台湾では2022年度よりAIoT家電を本格的に導入開始。米国では2020年から、ビルトイン家電を中心としたスマートキッチンを展開している。音声操作が可能なオーブンレンジなども扱っており、Sharp Electronics Corporation 家電本部長のジム・サンダスキー氏によると、シャープは「北米でキッチン家電一式を販売する唯一のメーカーになりつつある」という。

台湾には2022年度からAIoT家電を導入
米国では音声操作ができるオーブンレンジなども展開

同社はこれらの事業戦略を通じて、2024年には現在5割の国内AIoT家電のネット接続率を8割以上に、AIoT対応の白物家電販売金額構成比を国内7割以上(現在3割)、欧米/中国/台湾では5割以上に伸長させることを目標に掲げている。

スマートライフの実現に向けた3つの重点戦略
AIoTとプラズマクラスターなどの独自技術を組み合わせていく
2024年度に国内AIoT家電のネット接続率8割以上を目指す