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家電で「実家ケア」。離れて暮らす高齢家族を支えるパナソニック製品とは?
2022年3月9日 18:31
家電を使って高齢者の生活をサポートできる――。パナソニックは、「離れて暮らす家族への『実家ケア』セミナー」を3月9日、メディア向けに開催した。「目や耳の機能低下が気になる」「詐欺が心配」といった高齢者の生活をサポートする家電を紹介した。
セミナーに登場した家電は、LEDシーリングライトやデジタルコードレス電話機など、いずれも日々の生活に必要なもの。家電の買い替えに合わせて、高齢の家族の生活の悩みごとを解消できるものを選ぶのもよいのではないか。
「耳が遠くなってきた」「詐欺が怖い」といった心配事を家電でサポート
明るさ調節できるLEDシーリングライトで物をみやすく
高齢になると、若年層に比べて部屋を暗く感じがち。読書や手芸などの目を使う作業には、若年層の約1.5~2倍の明るさが必要という。そこでパナソニックはLEDシーリングライトを高齢者に勧めている。
同社の「パルック」は、リモコン操作で明るさを調整できる。また、生活リズムに合わせて、夕食の準備中は通常の明かり、寝る前の時間は入眠に適した暖色の光などに、自動で切り替わるよう設定できる。一日中室内にいるとメリハリが出ないが、光を切り替えることで生活リズムを作れるという。
高齢者の部屋に設置するLEDシーリングライトを買うときは、部屋の広さよりも適用畳数が上のランクの製品がおすすめ。買い替える際「まだ交換するには早いのでは」と考える人もいるかもしれないが、LEDの耐用年数は9~10年ほど。10年間でLEDシーリングライトの明るさは70%程度にまで下がるため、長年使用している人は買い替えるのがよいという。
高所でのライト取り替え作業が難しい人におすすめなのは、「パルックLED シーリングライト コンパクトタイプ」のようなシーリングライトと照明器具が一体型の製品。器具ごと取り替えられるため作業しやすい。また、かさと一体のため虫が入りにくく、頻繁に照明器具を掃除しなくてよいのも特徴だ。
テレビの音が耳元から聞こえてくる「ワイヤレスネックスピーカー」
高齢になると聴力が低下し、テレビの音を大きくしすぎてしまうことも。テレビの音が聞こえにくくなってきた人におすすめの製品は、「ワイヤレスネックスピーカー」。首にかけることで、音声が耳元から聞こえてくる製品だ。
テレビのヘッドホン出力端子にワイヤレス送信機を取り付けることで、ネックスピーカーから音が出る。人の声を強調する「快聴音」機能も備え、ドラマやニュースの話し声も聞こえやすくなるという。スピーカーは2台同時に使用可能で、夫婦や親子などでテレビを見たいときにも使える。
迷惑電話を録音するデジタルコードレス電話機。熱中症アラートを新搭載
高齢者を狙って掛けられることの多い特殊詐欺の電話。パナソニックのデジタルコードレス電話機は、迷惑電話設定をすると、電話帳に登録していない電話番号からの電話の際に、通話相手に「録音を行なうこと」を通知するとともに、着信者には注意喚起のアナウンスが流れる。
電話内容は自動で録音され、通話後に第三者に電話で相談する際は、録音内容を再生して聞かせられる。家族や警察などに電話の内容を伝えやすいのも特徴だ。
また、3月上旬発売の新型には、新たに温度・湿度センサーアラーム機能を搭載した。内蔵の温度・湿度センサーで基準以上の温度・湿度を検知すると、液晶ディスプレイ・LED・音声で、熱中症に注意するよう通知する。あらかじめ登録した電話番号にも通知でき、離れた家族にも通知が行なわれる。
カメラ付きドアホンで訪問詐欺を防止
訪問詐欺が心配な家庭にパナソニックが勧めるのは、カメラ付きのドアホン「VL-SWD505KS/KF」。内蔵メモリーで来訪者の映像を100件、別売のSDカードを使えば最大3,000件登録できる。
Wi-Fi接続することで、離れて暮らす家族のドアホンモニター同士や、スマートフォンとモニターでの通話も可能。別売の「みまもりリモコン」を使うことで、モニター設置宅の家族の外出や帰宅を、家族のスマホに通知することもできる。
また、火災警報器と連携でき、作動時にはドアホンモニターのほか、屋外の玄関機でもLEDや音で通知する。室内の火事を、近所の人にもいち早く伝えられる。
パナソニックは、集合住宅などでドアホンを取り替えられない家庭向けに、ドアに取り付けるモニター付きドアカメラ(VS-HC400)も販売している。カメラがあることで、訪問詐欺の抑止にもなるという。
家電の活用や設備の点検から実家ケアを始める
セミナーでは、介護ジャーナリストの小山 朝子氏が「元気なうちに始める実家ケア」について講演。一見元気に見える高齢者でも、耳が聞こえにくくなってきた、認知機能が低下してきたなどの悩みを抱えていることもある。実家に帰省したときに、子供が住宅設備を点検することや、家電を活用することで実家ケアにつながるという。
住宅設備は、コンセントや火災報知器の耐用年数を確認することで、事故を防げるという。パナソニックによると、コンセントに接続する延長コード(テーブルタップ)は3~5年ほど経つと傷みが生じ、使い続けると発火に繋がりかねないという。パナソニックの製品であれば、「National」ロゴの製品は交換すべきだ。
火災警報器は設置から約10年が交換の目安という。取り付けが義務付けられた2006年に設置した場合、すでに交換の時期のため、パナソニックは本体の交換を推奨している。取替作業は工事がいらず、使う道具はドライバーのみ。子供が帰省したときなどに火災警報器を交換するのもよいという。
また、LEDシーリングライトや迷惑電話防止機能つきの電話機などを活用することで、実家ケアを進められる。ただ、前項で紹介したドアホンのように、Wi-Fi接続して離れて暮らす家族とテレビ通話できる機器などは、住居にインターネット環境を整えることが必須。
高齢の親世代は「インターネットを使うことの必要性を実感していない。毎月のインターネット利用料の出費もある」ことで、自宅にインターネット環境を整備していない人もいるのではと分析。「インターネットのメリットや利用料について子供が説明して納得してもらうことが大切。実家に帰省したときにインターネット環境を整えるのもよいのでは」と話す。
実家ケアは「なにから初めていいのか分からない」という人もいるが、設備点検や家電の活用で進められる。「頻繁に帰省するとかえって親に気を遣わせてしまうことも。できることから実家ケアを始めてほしい」と小山氏はアドバイスした。