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ダイキン、深紫外線UVC LEDでウイルスや菌に強い加湿空気清浄機。病院など業務向け
2021年11月30日 17:05
ダイキン工業は、ウイルスや菌を抑制するUVC(深紫外線) LEDを搭載した業務用の「UV加湿ストリーマ空気清浄機 ACKB70Y-S」を12月10日に発売する。価格は185,000円(税別)。
その他にも、業務用の空気清浄機や除菌ユニットを2022年4月1日より順次発売。天井埋め込みと床置きのタイプを用意し、価格と発売日は天井埋め込みの空気清浄機「ACBC10Y-S」が280,000円(税別)で2022年4月1日、除菌ユニット「BAEF55D160」が198,000円(同)で同6月1日。床置きの空気清浄機「ACBF14Z-S」は開発中で同6月下旬発売予定。
いずれも、独自の空気清浄技術「ストリーマ」と、ウイルスや菌の抑制効果が高い波長265nmの深紫外線を照射する「UVC LED」を搭載するのが特徴。4月に発売した家庭用UVストリーマ空気清浄機の開発で培ったこれらの技術と集塵フィルターの組み合わせで、ウイルスや菌を素早く抑制する技術を業務用にも応用した。
【ラインナップと価格】
- 「UV加湿ストリーマ空気清浄機 ACKB70Y-S」185,000円(税別) 12月10日発売
- 「天井埋込カセット形 UVストリーマ空気清浄機 ACBC10Y-S」280,000円(税別) 2022年4月1日発売
- 「UVストリーマ除菌ユニット BAEF55D160」198,000円(税別) 2022年6月1日発売
- 「UVパワフルストリーマ空気清浄機 ACBF14Z-S」2022年6月下旬発売
加湿もできるUVC LED空気清浄機
業務用の加湿空気清浄機で初めてUVC LEDを搭載したモデル。8畳の空間を9分で空気清浄できる。介護施設や病院など、人が長時間滞在し喉や鼻などの乾燥対策も求められる空間での利用を想定している。
抗菌HEPAフィルターで捕らえた菌にストリーマとUVC LEDによる深紫外線を照射することで、同等風量の加湿ストリーマ空気清浄機と比べて約5倍のスピードで除菌。また、ウイルスを30分で99%以上抑制するという。
抗菌HEPAフィルターは、0.3µmの微小粒子を99.97%捕集する性能の静電HEPAフィルターに抗菌剤を添着することで、菌の繁殖を抑制。UVC LEDユニットから定期的に深紫外線を照射するUV清浄でフィルターを除菌する。
シンクでの給水だけでなく、給水タンクを外さずその場でも水入れができる「上から給水」に対応。そのほか、つけ置き洗いできるコンパクトな加湿フィルターや、給水タンク内部を凹凸の少ない形状にして洗いやすくするなど、手入れのしやすさにも配慮した。
別売で、用途に合わせて選べる5種類の特化型脱臭フィルターを用意。特化型脱臭フィルターは「靴・下駄箱臭用」「介護臭用」「ペット臭用」「トイレ臭用」「加齢臭用」。
天井埋め込みの空気清浄機と除菌ユニット
「天井埋込カセット形UVストリーマ空気清浄機」は、天井に埋め込む業務用空気清浄機において初めてUVC LEDを採用。人が密集する空間では、人の体温などの上昇気流で飛沫を含む微細な粒子が空間上部に浮遊するため、天井設置形での空気清浄が有効だという。床を占有しないため、限られたスペースを有効活用できる。パネルはシステム天井にも収まる620mm角のサイズ。
本体に抗菌HEPAフィルターを内蔵し、ストリーマとUVC LED技術を組み合わせて、ウイルスや菌を抑制。機内に取り込んで清浄した空気を4方向に吹き出して空間全体に届ける。
業務用空調機にも搭載されているターボファンを空気清浄機に採用することで、大風量10m3/分を実現。最大73m2(44畳)の大空間を1台で対応できる。
「UVストリーマ除菌ユニット」は、ダイキンの業務用空調機である天井埋込カセット形エアコン「S-ラウンドフロータイプ」に組み込める除菌ユニット。新たに天井を開口する必要なく設置できる。
ストリーマユニットを交換式にすることで、従来は2~3カ月に1回の洗浄が必要だった手入れをしなくても済むのも特徴。
ホテルなど大空間に使える「UVパワフルストリーマ空気清浄機」
床置形大風量タイプの「UVパワフルストリーマ空気清浄機」は、1台で102m2(62畳)まで対応。ホテルやオフィスのエントランスなど人の出入りが多い大空間に適したモデルとなっている。なお、開発中のため仕様は変更する可能性がある。
空気清浄50年の技術にUVCをプラス。空調事業を5,600億円規模に
ダイキン工業の専務執行役員 空調営業本部長 舩田聡氏は、空気清浄機の2020年度販売台数が国内市場全体と同社単体のどちらも過去最高となったことを説明。
背景には家庭用の巣ごもり需要だけでなく、医療機関やオフィス、店舗などでも空気清浄の導入が進んだことがある。「2021年度の上期も前年並みの高い需要が続いている。引き続き、業務用途での強い需要の増加が想定される」とした。
同社が空気清浄機の事業を開始した1971年から50年を迎え、その間に加湿機能や、現在のコア技術となっているストリーマなど様々な進化を重ねてきた。新たに今回は深紫外線のUVCを業務用モデルにも搭載することで、より多くの用途や場所で使えるようになるという。
同社は今後も空気・換気事業の拡大により空調事業を成長させ、2020年度の売上高4,960億円から、2023年度は約600億円増となる5,600億円を目指す。舩田氏は「小空間から大空間、床置きから天井埋め込みまで、人が集まっても安心できる空間づくりに貢献する」と述べた。