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東芝、次世代リチウムイオン電池を'23年度に商業化へ。電気自動車向け

試作セルとニオブチタン系酸化物(NTO)

東芝、双日、およびブラジルのCBMMは24日、ニオブチタン系酸化物(Niobium Titanium Oxide/NTO)を使用した次世代リチウムイオン電池の商業化に向けた共同開発契約の締結を発表した。

NTOはリチウムイオン電池の負極材として一般的に使用される黒鉛と比較して、2倍の理論体積容量密度を持つ材料。3社は2018年6月に、NTOを用いたリチウムイオン電池負極材の共同開発契約を締結。東芝研究開発センターが中心となり開発に取り組んできた。

試作セルの開発を完了したため、商業化に向けた量産プロセスの確立および早期の市場投入に向けて、さらなる協業を進めるに至ったとする。

3社は2023年度を目指し、商用電気自動車用途などに適した高エネルギー密度でかつ急速充電が可能な次世代リチウムイオン電池の商業化に取り組むという。

CBMMは、ラテンアメリカにおける電気トラックの開発・生産の先駆者であるフォルクスワーゲン・カミニョイス・イ・オニブスと契約。NTOを用いた次世代リチウムイオン電池の実導入に向けた実証を行なう。

東芝と双日は本実証に協力し、フォルクスワーゲン・カミニョイス・イ・オニブスが設計した新型商用電気自動車に搭載するNTOを使用した次世代リチウムイオン電池の特性、車両運行データを収集する予定。

今後、東芝はCBMMと双日からのニオブ材料の安定的な供給体制の確保を進める。さらにCBMMや双日の持つグローバルな顧客ネットワークも活用しながら、急速に拡大する二次電池市場でのシェア獲得を3社で目指すとする。