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キャンプ時のガスこんろで火災の事例も。誤った火の扱いに注意

NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構/ナイト)は18日、キャンプ用品による事故事例3つを公表した。

【事例1】ベランダで2口のカートリッジガスこんろを使用中、ガスカートリッジ付近から出火

使用者がこんろの器具栓つまみを無理に回すなどの操作を行なったためガスカートリッジ接続部が破損。破損した接続部にガスカートリッジを無理に取り付けようとしたことでガスが漏れ、滞留したガスにバーナーの炎が引火したものと考えられるという。

【事例2】ガストーチを点火したところ、ガスカートリッジ接続部付近から出火し、ガストーチが焼損

ガストーチのO(オー)リングにひずみが生じてガスが漏えい。さらに、使用者がガス漏れを認識しながらそのまま使用したことでOリングから漏れたガスにバーナーの火が引火したものと考えられるという。

Oリングは、ガス機器の燃料供給接続部分に使用される断面が円形の環型をした燃料漏れ防止用ゴムパッキンのこと。

【事例3】カートリッジガスこんろを使用中、破裂し火災が発生

使用者がカートリッジガスこんろをれんがで囲った状態で使用したため、囲まれた空間の温度が上昇。ガスカートリッジが加熱されて内圧が上昇し、破裂に至ったものと考えられるとする。

NITEではこうした事故を防ぐため、事例ごとに注意喚起を行なっている。

事例1と2では、ガスカートリッジの取扱説明書の指示に従って正しく接続することを呼びかけている。誤って接続された状態で使用すると、ガスが漏れ、火災に至るおそれがある。さらに、接続後に異音や異臭などがある場合、ガスが漏れているおそれがあるため、直ちに使用を中止する。機器の破損が考えられる場合、購入店や製造事業者に問い合わせるよう案内している。

事例3では、ガスカートリッジが破裂するおそれがあるため、こんろ全体を覆う大きさの鍋を使用したり、こんろの周囲を囲うなど、ガスカートリッジが加熱されないよう注意喚起を行なっている。

NITEでは4月28日にコールマン ジャパンと連携し、キャンプの参加者へ向けて、使い方に関する5つの注意点を公開している。

キャンプで気を付ける5つのポイント

1:キャンプに出発する前など、使用前に機器の点検を行なう

O(オー)リングなどの機器の一部が劣化していたり、接続部に汚れなどが付着していたりすると、隙間からガスなどの燃料が漏れて引火するおそれがある。事前に機器の点検を行ない、ガス漏れなどが確認される機器は使用しないなどの対策をする。

2:PSLPGマークが記載されている機器を使う

PSLPGマーク(国による適合性検査をクリアしたものに付与されるマーク)が表示されている機器を使用する。使用する燃料容器の名称が本体・取扱説明書に記載されているのでそれらを確認して適切な容器を使用し、正しく接続する。

3:一酸化炭素中毒を防止するため、風通しのよい場所で使用する

テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがある。そのため、必ず屋外の風通しのよい場所で使用する。

4:カートリッジガスこんろ使用の際、調理器具のサイズを守る

放射熱によりガスカートリッジが加熱されることで、破裂に至るおそれがあることから、五徳(鍋などを支える爪)からはみ出す大きな鍋、鉄板などの放射熱の大きな調理器具は、カートリッジガスこんろでは使用しない。使用できる調理器具のサイズは取扱説明書に記載されている。

燃焼機器には機器ごとにそれぞれ対応する燃料があり、燃料を補給又は取り付ける前には必ず取扱説明書を確認し、機器に適したものを使用するよう呼びかけている。

5:炎天下にガスカートリッジを放置しない

炎天下の砂浜や河原、自動車の車内など、高温になりやすい場所にガスカートリッジを放置しない。特に、直射日光により高温になる車内に放置することは大変危険。

このほか、使い終わったガスカートリッジを廃棄する際には注意が必要。中にガスが残ったまま廃棄すると、ごみ収集車やごみ処理場などで火災が発生するおそれがあると注意を促している。