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パナソニック、分離して持ち運べる304Whの蓄電池

バッテリー/充放電器が分離型の蓄電池「e-block」

パナソニック ライフソリューションズは、バッテリーを充放電器から取り外せる蓄電池「e-block(イーブロック)」の受注を5月21日に開始する。価格は、可搬型バッテリー「イーブロック PQB0311A」が80,000円、充放電器が50,000~80,000円(すべて税別)。

バッテリーと充放電器が分離している蓄電池。持ち運べるサイズの304Whバッテリー「イーブロック」を、ACコンセントやUSBポートを備える充放電器と組み合わせることで、オフィスや避難所など使用シーンに合わせて利用できる。

充放電器は、デスクに置けるサイズでACコンセント1口の「イーブロックデスク PQEA103A」、デスク横に設置できるACコンセント2口/USBポート2口の「イーブロックスタンド PQEB103A」をラインナップする。

密になりがちな避難所の充電スペースの分散や、コロナ禍でのオフィスのリニューアル、カフェやホテルでの新たな電源の設置などに活用できる「場所を選ばない新たな電源ポイント」をコンセプトとした。

イーブロックデスクは、卓上にも床にも置けるサイズ
イーブロックスタンドをデスクのそばに置くと、コンセントやUSBポートがデスク横にある状態になる

重さ3kgの小型バッテリーを充放電器にセット。スマホアプリでの残量管理も

イーブロックの重さは約3kgと、バッテリーの充電をする際に手軽に充電スペースへ持ち運べる。バッテリーの蓄電容量は304Whで、スマートフォンなら約25台を充電可能。残量が減ったときには充電済のイーブロックと交換することで充放電器を継続して使える。イーブロック本体にもUSBポートを2口備え、充放電器に接続せずにスマホの充電などが可能。バッテリーの寿命は1日に1回充放電した場合で約5年。

充電済のバッテリーと取り替えれば電源を継続的に使える
重さ約3kgと持ち運びしやすい

イーブロックの残量や寿命、状態は本体のLEDで表示されるほか、専用のスマホアプリでも確認可能。Bluetoothでスマホアプリと接続し、約10mの範囲で検知する。アプリでは検知した機器を最大12台まで複数表示する。複数台の中から特定のイーブロックを探す際には、アプリから選択した機器のLEDを点灯させられる。

また、アプリでは管理機器登録が可能。100台までイーブロックを登録でき、蓄電残量が少ない場合やバッテリーエラー、充放電エラーがある際にスマホへプッシュ通知を行なう。

アプリで機器の状態を確認できる

他に、バッテリーを長期間使用しない場合に自己消費を抑えるスリープ機能や、寿命となったバッテリーの残量を放電させる廃棄放電処理機能も搭載する。

イーブロックの本体サイズは98×110×220mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約2.9kg。イーブロックデスクの本体サイズは130×257×161mm(同)で重さは約2.6kg、イーブロックスタンドの本体サイズは200×260×912mm(同)で重さは約4.9kg。充放電器の価格はイーブロックデスクが50,000円、イーブロックスタンドが80,000円。

今後も新たな充放電器を開発予定。さまざまなシーンに対応

同社は3月24日に製品発表会を実施し、発表時点ではビジネス向けの販売ルートを想定。個人向けを含めた他の販売ルートについては、「将来的にいろいろな用途の展開を考えているので、もう検討をスタートしている」(エナジーシステム事業部 PSマーケティングセンター 櫻井 聡所長)と述べた。

イーブロック本体にはバッテリー小型化のために、あえてインバータを搭載しない。「インバータをつけてしまうと、ポータブル電源と一緒で、同じ仕様しか使えない。組み合わせて使えるようにあえて切り分けている。ACだけでなくDCのUSBコンセントに使うなど、いろいろな使い方ができるようになる」(エナジーシステム事業部 エネルギーシステムSBU長 中嶋 慎一郎氏)。

イーブロックの世界観を表すコンセプト画像

製品発表会で同社が披露したイーブロックのコンセプト画像には、5月発売のイーブロックデスクやイーブロックスタンド以外の充放電器の姿も見られる。複数台のイーブロックを充放電する機器や、医療・モビリティ機器、スタンド型のものなどだ。「一年後には複数台の機器を展開したいという想いで開発を進めている」(中嶋氏)という。イーブロックの販売計画は2021年が3万台。2030年には12万台の販売を目指す。