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ダイキン、エアコンのサブスク事業展開。東大発ベンチャーとアフリカで合弁会社

タンザニアでのエアコン設置の様子

ダイキン工業と、東京大学関連ベンチャー企業のWASSHA(ワッシャ)は16日、エアコンのサブスクリプション事業を行なう新会社「Baridi Baridi株式会社(バリディバリディ)」を設立したと発表した。空調の未成熟市場において展開予定で、当初はアフリカ・タンザニア共和国で事業を開始する。

ユーザーが日/週/月ごとに使用料をスマートフォンで支払うことで、エアコンを使用したいときだけ使うサブスクリプションを事業化するもの。従来エアコンを購入できなかった所得層の人々に対してもエアコンの普及を目指す。将来的にはアフリカだけでなく他の空調未成熟市場への展開を計画している。

タンザニアでは、省エネ性能が低いノンインバーターのエアコンが普及しており、エアコンユーザーは高額な電気代を支払っているという。また、サービス業者の据え付けや修理の技術が未成熟で、トラブルが解決できないケースも多いとしている。

そこで、ダイキン工業が持つ、耐久性の高さや高効率で環境負荷が低いエアコンとサービス網の構築力、WASSHAが持つ、モバイルマネーを経由した料金回収技術と東アフリカでビジネスを展開するノウハウを活用して事業化。

両社のこれまでの実証実験によれば、エアコンの有無が集客や客の滞在時間に影響を与える小規模店舗などで大きな需要があり、高効率のインバーターエアコンを普及させることで、タンザニアのエアコンユーザーが抱えている課題を解決でき、環境負荷を軽減できる可能性があるという。

今後サブスクリプションによる空調を普及させることで、環境負荷の低い空調文化の浸透を図る。合弁会社の社名には“空気を冷やすことで、快適な空間を届けたい”という思いが込められ、東アフリカの言語であるスワヒリ語で“冷やす”という意味の「baridi」が用いられている。

ダイキン工業とWASSHAのメンバー