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2019年の生活家電市場は、増税前の駆け込み需要が顕著~GfK調査

 GfK Japanは、全国の有力家電取扱店の販売実績データなどから分析した、2019年家電市場の販売動向を発表した。

国内家電小売市場は前年を上回る金額規模

 2019年の国内家電小売市場は前年比微増の7兆800億円。分類別では、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの大型生活家電が前年をわずかに上回った。増税直前の駆け込み需要が販売を下支えしたとしている。

エアコンの販売数量は7月は落ち着くも、8月猛暑、9月駆け込み需要で前年並み

 エアコンの販売数量は、前年並みの920万台となった。上半期は全国的に気温が平年を上回り、夏本番を迎える前から販売は好調だったが、最需要期の7月の平均気温が低かったことが影響し、同月の販売水準は高くなかった。8月の猛暑、9月の増税前の駆け込み需要といった市場要因に支えられ、結果として通年の販売数量は前年並みの規模の落ち着いたという。

エアコン市場規模の推移

冷蔵庫の販売数量は3年連続プラス

 冷蔵庫は、前年比2%増の460万台と伸長。3年連続のプラスとなった。増税直前の9月の駆け込み需要により販売台数が急伸したことが要因として挙げられるという。容量クラス別の販売数量構成比については、200L以下の小容量が38%、201~400Lの中容量が22%、401L以上の大容量が40%となり、前年から大きな変化はなかったという。税抜き平均単価は前年から10%増の91,300円となった。これは、比較的価格の高い新製品の構成比が拡大したことによるもので、通年の金額は前年比11%増となり、台数の伸びを大きく上回った。

洗濯機は10kg以上の大型の構成比が24%に拡大

 洗濯機の販売台数は前年比4%増の530万台。安定した買い替え需要に加え、増税前の駆け込み需要により伸長した。タイプ別の販売数量構成比は、縦型が84%、ドラム式が13%、二層式が3%で、前年並み。洗濯容量別の販売数量構成比では、容量6kg未満の小容量が28%、6~8kgの中容量が27%、8kg以上の大容量が45%。大容量のうち10kg以上の製品は、数量前年比で15%増と2桁成長、かつ、洗濯機全体での構成比も昨年の21%から24%に拡大しているという。

掃除機の販売数量は前年並み。スティックタイプへの移行顕著

 掃除機の販売数量は前年並みの800万台。キャニスタータイプが前年比11%減、ハンディタイプが13%減となった。一方、スティックタイプは10%増、ロボットタイプは7%増と順調に推移している。全体の販売数量構成比では、スティックタイプが前年比4ポイント増の47%となり、キャニスタータイプからの移行が進んでいるとする。スティックタイプのなかでもコードレス式は、数量前年比で15%増と好調だが、平均単価は2年連続低下傾向となった。掃除機全体の税抜き平均単価は、前年比微増の22,700円。

掃除機の市場規模推移