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メーカー倒産によりメンテナンス不可の「省電王」で発火事故、廃棄を呼びかけ
2019年6月7日 17:14
消費者庁は、アイディック社(倒産)が販売していた節電器「省電王」において、2019年5月に経年劣化を原因とする可能性のある発火事故が発生したことを受け、撤去・廃棄をするよう改めて注意喚起をした。製造元であったタムラ製作所が該当品番などを公表している。
省電王は、アイディック社が2003年頃まで販売していた、分電盤に並べて設置する節電器で、変圧器の一種。一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)によると、変圧器の「物理的安定使用期間」は20年とされている。長年の使用に伴い、熱や湿気、ホコリなどの影響により、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあるという。
アイディック社は、2004年2月に東京地方裁判所において、破産手続開始決定を受け倒産。これにより、同社による保守メンテナンスがされないまま、設置以降長期間が経過し、発火などの事故が発生する危険性が懸念され、2016年2月には製造元のタムラ製作所から、告知文書にて撤去・廃棄するよう呼びかけられていた。
今回、注意喚起が改めて行なわれたのは、2019年5月に経年劣化を原因とする可能性のある発火事故が発生したため。省電王の工事をするには電気工事士の資格が必要であり、撤去・廃棄は近くの電気工事店に依頼するよう強く呼びかけられている。なお、撤去・廃棄費用はユーザー負担となる。
対象製品の品番は以下のとおり。これらはタムラ製作所が製造していたものであり、同社以外の製造のものは品番が異なるという。またアイディック社が販売していた節電器は、「省電王」以外にも「省電君」など、類似の名称の可能性もあるとする。
対象品番(タムラ製作所製造)
・VT-60A
・VT-100A
・VT-100B
・VT-150A
・VT-150B
・VT-200B
・VT-250B
・VT-300B
・VT-400B
・VT-500B