オムロン、高温の車内での子供やペットの置き去りを検知し、警報を鳴らすシステムを開発

　オムロン オートモーティブエレクトロニクス(OAE)は、自動車内において乗員の存在をより正確に検知する「呼吸時体動検知センサー」を開発したと発表した。生体が呼吸する際に発生する、胸の動きを電波で捉えることで、可能にしているという。2019年秋に、自動車メーカー各社へ呼吸時体動検知センサーのサンプル提供を開始し、2021年末の量産化を目指すとする。

呼吸時体動検知センサー

　呼吸時体動検知センサーでは、従来の超音波式と比べて、より微小な身体の動きを捉えられる技術を採用。そのため、熟睡した子どもなど、身体の動きが少ない対象でも、正確に検知できるとする。

　例えば、本センサーと、2017年に発表した「ドライバー見守り車載センサー」を組み合わせることで、子どもやペット、意識を失った大人など、自力で車外に出られない対象だけを検知し、必要な場合にのみ警報を発するシステムの構築が可能になったという。

ドライバー見守りセンサーとの組み合わせで可能になる、救援ソリューション

　また、同センサーの開発経緯を、同社は下記のように説明している。

　「昨今、高温環境下の車内において乳幼児が熱中症で死亡する事故が多発するなど、子どもの車内への置き去りが社会問題となっています。こうした中、欧州における自動車の安全性評価機関『Euro-NCAP』は、車内に置き去られた子どもを検知するシステムの搭載有無を2022年より安全性評価の対象項目とすることを発表しています。そこで、自動車メーカー各社は、車内における子どもやペットの置き去りを検知し、ドライバーや周囲に知らせる置き去り検知システムの開発を進めています」

　そうした状況の中、オムロン オートモーティブエレクトロニクスは、自動車メーカー各種の置き去り検知システムの構築加速に向け、「呼吸時体動検知センサー」や「ドライバー見守り車載センサー」などセンシング機器を提供していくという。

　センサーの本体サイズは50×50×20mm(幅×奥行き×高さ)。検知精度は呼吸数±2bpm(停車中）。消費電力は0.5W(平均)。以上の仕様は、いずれも目標値。