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シャークニンジャ、臥牛窯の14代目がハンディクリーナーに直接絵付けした限定モデル

 シャークニンジャは、ハンディクリーナー「EVOPOWER」において、臥牛窯・14代目 横石臥牛が絵付けをした限定モデルを抽選販売する。春夏秋冬4タイプ各12台、計48台を用意。価格は22,680円。各タイプごとに応募でき、申し込み期間は1月24日(木)18時〜2月28日(木)23時59分。当選発表は3月上旬で、購入権当選者のみにシャークから連絡がいく。

臥牛窯・14代目 横石臥牛が絵付けをしたハンディクリーナー「EVOPOWER」。春夏秋冬4タイプ計48台のみで、抽選販売となる

 スリムで持ちやすいフォームが特徴のハンディクリーナーの限定モデル。400年以上の歴史を持つ長崎県の窯元・臥牛窯とコラボレーションし、現川焼(うつつがわやき)を製造する14代目・横石 臥牛(よこいし がぎゅう)が、本体1つ1つに直接絵付けをした世界に1つだけの掃除機となる。

 デザインは春夏秋冬4タイプで、いずれも現川焼の特徴である白鷺(しらさぎ)が描かれている。白鷺は「鷺」の文字が示すとおり、「路(みち)をひらく鳥」といわれており、開運の意味を持つ吉祥文として大切な贈り物に使われることが多いという。

左から、臥牛窯・14代目 横石臥牛とシャークニンジャ 日本法人・ゴードン トム社長
長崎県佐世保市に工房を構える
現川焼(うつつがわやき)を製造する
現川焼の特徴である白鷺が、今回の限定モデルに描かれている

14代目・横石 臥牛がハンディクリーナーに直接絵付け、春夏秋冬を表現

 今回のコラボレーションは、シャークニンジャ 日本法人の社長であるゴードン・トム氏が臥牛窯に惚れ込んだことから、EVOPOWERへの絵付けを頼んだという。臥牛窯で生み出される陶器・現川焼は、白い化粧土を刷きつけて描き出されるユニークな文様「刷毛目(はけめ)」も特徴としている。

 「1980年代に東京の青山にあった陶芸ギャラリーで、毎週奥さんと買い物をしていました。そこで臥牛窯の陶器と出合い、素晴らしい作品に感動したのを覚えています。初めて臥牛窯を訪れたのは1985年で、家族で九州の窯元を巡る旅をし、13代目 横石 臥牛に窯元と工房を案内してもらいました。シャークニンジャという会社はまだ20年しか歴史がなく、何百年も歴史がある窯元と仕事ができたらと思い、今回のコラボレーションを依頼しました」(ゴードン・トム氏)。

ゴードン・トム社長
白い化粧土を刷きつけて描き出されるユニークな文様「刷毛目(はけめ)」

 臥牛窯 14代目・横石 臥牛(横石 午郎氏)は、掃除機への絵付けについて次のように語った。

 「陶芸の世界は歴史的に大変な時代を迎えていまして、さまざまな窯元が廃業している困難な状況に瀕しています。我々も危機感を覚えており、日本に来て400年以上続いてる技術や文化を次の世代に伝えられるか、悶々とする日々でした。そんな中、シャークニンジャさんからお声掛けいただき、今回のプロジェクトを引き受けました。

 陶器とは異なる、掃除機という異素材に絵を付けるというのは、ある程度覚悟してましたが、困難があったのも事実です。個人の知恵ではどうにもならなかったのでさまざまな方に協力いただき、色を作りました。実際に色が見えているのはブルーやピンクなどですが、この色を出すために、下地として赤紫などの色も入っています。結果的に7段階で色を付けることになり、重厚感も出せたと思います。既に48本すべての掃除機への絵付けが終わっていますが、私自身も本業の作品を作る上でのヒントを得られ、とても素敵な経験となりました」

14代目・横石 臥牛
春夏秋冬4タイプ。特にブルーやピンクの色を出すのが難しいという

 また、プロジェクトが開始した当初は、白鷺と桜をモチーフにした「春」のデザインのみで48台絵付けをする予定だった。

 ゴードン・トム氏は、「臥牛窯の白鷺にとても惹かれ、ハンディクリーナーにもぜひ入れて欲しいとお願いをしました。最初は桜のみをデザインしていましたが、14代目より“それなら四季をすべてデザインしましょう”と提案をいただき、春夏秋冬の4タイプになりました」と制作秘話について話した。

制作秘話についても語られた
化粧箱も用意される

 ハンディクリーナーの機能は2018年9月に発売した「EVOPOWER W30」に準ずる。本体は約620gと軽量スリムながら、パワフルな吸引力を実現。スティッククリーナーと同等のパワフルなモーターで、ゴミをサッと素早く取り除くとしている。

 ダストカップはワンタッチで開く構造で、ゴミに触れることなくゴミ捨て可能。簡単に取り外しもでき、ダストカップ、フィルターともに水洗いに対応する。

 アタッチメントは、「隙間用ノズル/布団用ノズル/マルチノズル」の3つを用意。特にマルチノズルは小型ブラシを備えており、汚れや毛髪を除去し、細かいゴミもしっかり吸引する。衣類についたペットの毛や花粉の除去にも適している。

 充電ドックが付属し、アタッチメントも収納可能。バッテリーは2個付属し、ドック背面に交換用のバッテリーを差し込んで充電できる。バッテリー1個の運転時間は約12分。充電時間は約2.5時間。

 いずれも本体サイズは、54×61×419mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約620g。

機能はハンディクリーナー「EVOPOWER」に準ずる
スリムで持ちやすいフォームとしている

刷毛で絵付け、息を吹きかけて絵付けする技術も

 実際に臥牛窯の工房で、横石 臥牛が陶器に絵付けをする様子を見せてもらった。ろくろに乗せた製作途中の陶器を回し、刷毛で絵付けする。クルッと一周させるだけで繊細な刷毛の文様が付き、まさに職人の技を感じられる手さばきだった。

 ほかにも刷毛の抑え方を変えて濃淡を表現した絵付けや、指で文様を付ける「指刷毛(ゆびばけ)」、吹き筒を使った息を吹きかけて絵付けする技術も見せてもらった。

工房で、陶器に絵付けをする様子を見せてもらった
濡れている状態の生地は柔らかく壊れやすいため、作業は困難を極めるという
刷毛目を付ける
別の刷毛でさらに文様を描く
「指刷毛」で付けた文様
刷毛の抑え方を変えて濃淡を表現

 価格についてゴードン・トム社長は「とても悩みましたが、伝統工芸の職人技が光る製品は高額になりがちです。今回のモデルも、このクオリティだと10万円はすると思います。しかし掃除機は使ってもらえないと意味がないですから、通常のEVOPOWERと同じ価格にし、抽選販売にしました」と述べた。

 「陶器は手間暇かけて作っていますが、価格が高いこともあり飾り用として使ったり、贈り物としてもらってそのまま箱にしまわれてしまうことがあります。この掃除機も手間暇かけて絵付けをしましたが、ぜひ当選された方には日常的に使ってもらえたらと思います」(14代目・横石 臥牛)

骨壷への絵付け
吹き筒を使った息を吹きかけて絵付けする技術も
工房に隣接するギャラリーでは現川焼の販売も行なう