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時には自作することも。製品の量産から動作検証まで幅広く活躍する「治具」

治具(じぐ)
製品の加工や組み立て作業を支援するために使用する器具の総称。英語の「jig」を漢字に当て字したことが由来と言われている。

同一の製品を大量に生産する場合、基本的には加工から組み立て、検査といった一連の作業を製品ごとに何度も繰り返すことになるが、このとき製品ごとのばらつきが出ないよう、組み立てる部品の位置を固定することで、量産時のばらつきを抑え、安定した製品を量産できる。

治具はこうした量産の安定化に用いるのはもちろん、実装後の基板や組立後の製品の機能検査、安定動作を確認するための耐久試験などさまざまな用途で用いられる。

量産時は基板に検査用ファームウェアを書き込み、Wi-FiやBluetoothなど通信まわりの接続性、HDMIなど外部端子の動作(映像や音質品質など)や、LEDの色味などを検査する。検査に治具を用いて量産することで、品質を安定させるだけでなく、タクトタイムの短縮によるコストダウンの効果も見込める。

治具と呼ばれる器具の種類自体も幅広く、製品の位置決めや検査用の治具などは量産品として販売されているほか、用途によってはメーカーが自ら治具を製作することもある。Cerevoが企画・開発した「DOMINATOR(ドミネーター)」では、5,000回の連続変形に耐えうるかを確認するために「トリガーの部分を引く」「変形を確認する」ための治具を自作している。

この記事は、2018年3月13日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。