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LG、「小型UV-C LED」を搭載した"清潔志向"家電製品群を発表、エスカレーターの手すりも殺菌

 LGイノテックは、2017年11月に世界初の「100mW UV-C LED」を発表したが、その技術を利用した「UV-Cモジュール」を搭載した製品群を、日本のプレス向けに発表した。

 紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cがあるが、中でもUV-Cは約200~約280nmの波長のもので、タンパク質を変性させる作用があるため、殺菌用途でも使用される。LGイノテック社長・朴 鍾碩氏は、「人類の歴史は細菌との戦いの歴史である」とした上で、移動手段や流通の発達、環境汚染などにより、1カ所で起きた病気の流行が瞬く間に世界中へ伝搬されていることを指摘。低コストで組み込めるUV-C LEDの重要性を強調した。

 次に同社 LED事業部長・宋 俊午氏が、UVA/B/C LEDの用途などを説明。現在UVライトが利用されている工業用のプリンタ、3Dプリンタ、浄水器のほか、日焼けマシンや光学療法などの分野での置き換え需要と、小型化低コスト化による新たな需要の2通りがあるという。既存のライトは、出力が高いとサイズが大きい上、水銀を含有しているために「水銀に関する水俣条約」により置き換えが進むと予測。また小型LEDにより、殺菌向けのUV-Cに特化した、家庭用の冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、浄水器などへの新たな需要が見込まれるとした。

LGイノテック社長・朴 鍾碩氏
同社 LED事業部長・宋 俊午氏
UV-A/B/Cの波長に応じて、UV LEDが搭載される機器の例
UV-A/B/C LEDのパッケージ

 展示された製品は6点あり、いずれも殺菌目的でUV-C LEDを搭載したLG電子製。加湿機能付きの「空気清浄機 LG SIGNATUREモデル」は、加湿器のタンクに4mWのUV-Cモジュールを搭載している。浄水器は、水槽の蓋部分にに2mWのUV-Cモジュールを搭載し、ろ過したRO水を持続的に殺菌する「浄水器(インド発売モデル)」と、2mWのUV-Cモジュールを吐水口に搭載することで空気汚染を防ぐ「PuriCare浄水器(韓国発売モデル)」の2点が展示されていた。

「空気清浄機 LG SIGNATUREモデル」本体
「空気清浄機 LG SIGNATUREモデル」説明
「浄水器(インド発売モデル)」本体
「浄水器(インド発売モデル)」説明
「PuriCare浄水器(韓国発売モデル)」本体
「PuriCare浄水器(韓国発売モデル)」説明

 「スキンケア製品 Pra.L」は、洗顔ブラシと金属パッドを直接肌に当てて使用する。スタンドや蓋に2mWのUV-C LEDを搭載することで、肌に触れる部分を殺菌するという。また折り畳み式のポータブルタイプの殺菌機も展示されていた。20個のUV-Cモジュールを搭載し、任意の箇所を殺菌できるという。

 「エスカレーターハンドレール殺菌機」は、その名の通り大勢の人が触るエスカレーターのハンドレールを殺菌。8mWのUV-Cモジュールを4個搭載する。ハンドレールが回ると、搭載したダイナモが発電するため、電源不要でUV-Cを発光できるという。

「スキンケア製品 Pra.L」本体
スタンドや蓋の内側に、小さい四角形のUV LEDが見える
「スキンケア製品 Pra.L」説明
折り畳み式のポータブルタイプの殺菌機
「エスカレーターハンドレール殺菌機」本体
「エスカレーターハンドレール殺菌機」説明
下側のローラー部にダイナモを搭載、電源不要でUV-Cを発光できる