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難聴の早期発見に鳥のさえずりが有効!? パナソニックが「聴き鳥テスト」サイトオープン

 パナソニックは、野鳥のさえずりで難聴の早期発見・対処に向けた“聴きとる力”を確認できるウェブサービス「聴き鳥テスト」を、補聴器の日である6月6日に公開した。利用料は無料。スマートフォンサイトのみの提供となり、対応環境はiOS 10.0以上、Android 6.0以上。

スマートフォンサイト「聴き鳥テスト」オープン

聞こえづらくなる音のひとつと言われている“鳥のさえずり”を、テスト音声に採用

 野鳥のさえずりで、楽しく聴きとる力を確認できるウェブサービス。難聴の早期発見・補聴器の早期装用を啓発するもので、パナソニック補聴器と協力して推進していくという。

 一般的に、加齢性難聴は50才頃から始まり、65才以上の日本人の約半数は加齢によって言葉の聞き取りが困難になっていると言われている。これは、日本人のおよそ9人に1人が“聴きとる力”の問題に直面していることになり、高齢化が進む中での社会課題になると考えられている。

パナソニック補聴器と協力して推進していくという

 今回オープンした「聴き鳥テスト」では、加齢により最初に聞こえづらくなる音のひとつと言われている高音域の“鳥のさえずり”を、テスト音声に採用。気持ちの良い自然の中を想起させる鳥の声で、楽しく聴きとる力を確認できるとしている。制作には、全国で2,000名を超える会員数を抱え、鳥類の分布や生態行動について調査研究する認定NPO法人 バードリサーチが協力した。

 使い方は、専用スマホサイトにおいて、まず携帯端末の現在地を測定。その近くで生息が確認されている野鳥を画面上に表示、その中から鳴き声を聞きたい鳥を選んで聴きとる力を確認できる。

携帯端末の現在地を測定し、近くで生息が確認されている野鳥を画面上に表示する
気持ちの良い自然の中を想起させる鳥の声で、楽しく聴きとる力を確認できるという

 実際に使ってみたが、野鳥のさえずりはリアルな鳴き声で、屋内にいても自然の中にいるような感覚になった。位置情報を使うため、普段生活している地域にどんな鳥がいるのかがわかるのも面白い。

 このほか、地域ごとの鳥の鳴き声などの情報を確認できる「聴き鳥MAP」、60種の鳥データを収録した「聴き鳥図鑑」といったコンテンツも楽しめる。

補聴器を使った「聴き鳥テスト」体験会

 また6月6日には高尾山・小下沢林道にて、バードリサーチの主催により、パナソニックの補聴器を使った「聴き鳥テスト」体験会を開催。

 小下沢林道には、ホトトギスやメジロ、ヤブサメなど多くの野鳥が生息。特にヤブサメのさえずりは高音が続くため、聞き取りにくい性質があるという。

高尾山・小下沢林道にて、パナソニックの補聴器を使った「聴き鳥テスト」体験会を、バードリサーチの主催により開催
八王子・裏高尾にいる野鳥。ヤブサメのさえずりは高音が続くため、聞き取りにくいという

 初めて補聴器を使ったという参加者は、「遠くにいる鳥のさえずりもちゃんと聞こえましたし、ヤブサメもいましたね。林道を歩いていると、補聴器が足音や沢の音も拾ってしまっていました(笑)。けど、普段は耳が遠くて聞こえているフリをしているみんなの会話も、今日はよく聞こえます。話し声がきちんと聞こえるようになるのは良いですね」とコメント。

 パナソニック補聴器・光野 之雄氏は、補聴器の必要について次のように述べた。

 「難聴は高い音から聞こえにくくなるので、高音がきちんと聞こえるかをチェックするには鳥のさえずりが向いています。ぜひ聴き鳥テストを使って、鳥の声を楽しみながら難聴の早期発見につなげてもらいたいです」

パナソニックの補聴器を使って、鳥のさえずりに耳をすます。聞き取りにくいヤブサメのさえずりも聞こえた
パナソニック補聴器・光野 之雄氏